《【コミカライズ配信中】アラフォー冒険者、伝説となる ~SSランクの娘に強化されたらSSSランクになりました~》第276話 生き殘りの村

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BookLiveにて、コミカライズ第25話が更新されました。

レクセニル終結後、表彰されるヴォルフの初々しい姿をご覧ください。

ムフフもあるよ。

「さて、問おう……。貴様ら、一何者だ!?」

カラミティは村人たちを指差す。

瞬間、殺気が膨れ上がった。

「カラミティ様!!」

ゼッペリンがカラミティの前に回り込む。

そのカラミティたちに真っ直ぐ向かってきたのは、この村の村長といった老人だった。

「速い!!」

村長は一瞬にしてゼッペリンの前に出る。

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素手ではあったが、引き絞られた左拳には兇暴な気配があった。

カラミティの1の眷屬にして、主の次に強いといわれる不死の者――ゼッペリンの思考に、『戦闘不能』という文字が浮かぶほどの濃厚な気配だ。

ドンッ!!

発音のようなものが轟く。

砂煙が上がり、両者の姿を隠す。

現れたのは、老人の拳をけ止めたのは真っ白な髪を揺らした細いだった。

「カラミティ様……」

ゼッペリンは真剣な顔で村長を睨むカラミティを見つめる。

カラミティはその村長から目を離さず、赤い目で睨んだ。

「ゼッペリン、油斷しすぎだ」

「申し訳ありません」

「だが、悪くない。ちょっとした小銭稼ぎぐらいかと思っていたが、隨分と大きな餌がかかったらしいな」

「この者たちは一……」

ゼッペリンは息を呑む。

老人とは思えないのこなし、速度、膂力。

それはカラミティの眷屬のゼッペリンですら唸る者。

何より気配が人のそれではない。

今、老人からじるそれは、今目の前に立っているカラミティに近い。

「我が察するに、この者たちは我らよりもさらに古き民であろう」

「我らより古き民……」

「我とゼッペリンが村に訪れた時、この村長はまず最初に『不死の方々』と言って、我らを歓待した。おかしいではないか。骸骨將軍ならいざ知らず、我とゼッペリンは見た目では普通の人間のそれと変わらない。ならば、何故我らを不死の者と判斷できた?」

カラミティの軍勢は村から見えないところに隠しておいた。

そのカラミティが村を発見した時も、彼の類い稀な視力のおかげであり、普通の人間が軍勢を見ることは難しい。

「それに村長は真っ先に我の方に頭を下げた。男との組み合わせであれば、どちらが主従かしは悩むはずだ。……結論を言えばな、ゼッペリン。こやつらは我らのことを知っている。もっといえば、我のこと(ヽヽヽヽ)を知っている。それも古き時代からな」

それまで平靜だった村長の顔が初めて反応した。

眉間に皺が寄り、悪魔的に変化していく。

「そなたらが答えぬのなら我が暴いてやろう。お前らはあのレイルと一緒だ。このストラバールに捨てられた天上族であろう」

「なっ! 天上族!!」

それはレイルだけではない。

賢者ガダルフ、レミニアの母親であったアクシャルと同じ一族であることを示していた。

さらに殺気が匂い立つ。

それも村長1人ではない。

後ろで見守っていた村人含めて、カラミティたちに襲いかかった。

20名ほどの村人たちが、先ほどの老人と同様の迫力で迫ってくる。

「骸骨將軍!!」

突如、地面が盛り上がる。

村人たちに立ちはだかったのは、不死者の軍勢だった。

その前には、8本の腕を持つ骸骨將軍も現れる。

「ふん。我が何も策を用意せずに村にると思ったか?」

カラミティは鼻を鳴らす。

いきり立ったのは、骸骨將軍だ。

8本の腕をやかましく音を立てて、鼓舞する。

「姫様、ここはお任せあれ」

「油斷するな、將軍。こやつらは天上族だ。追放されたとはいえ、レミニア並みのポテンシャルを持っておるぞ」

「承知!!」

骸骨將軍は8本の腕に剣を握って、村人たちに突っ込んでいく。

不死の軍勢もその後ろに従った。

カラミティに絶対の忠誠を誓う最兇の軍団の士気は高い。

たとえ、天上族であろうと、恐れることなく突っ込んでいく。

不死の軍団の攻勢に、村人たちは冷靜だった。

「愚かな……」

ジャッッッッッンンンンン!!

不死の軍団は、骸骨將軍ごと弾き返される。、あるいは骨が飛んでいく。不死だけあって、死にも士気にも影響なく次々と村人に襲いかかったが、すべて返り討ちにあっていた。

それどころか押し込まれつつある。

確実に不死の軍団は數を減らしつつあった。

「カラミティ様の軍勢がまったく相手にならないとは」

さしものゼッペリンも瞠目する。

だが、カラミティは冷靜だった。

「あやつらは我ら不死族よりもさらに古の一族……。それなりに武は心得ていようよ」

「このままでは全滅してしまいます」

「それはない。何故なら、我とお前がいるからな」

カラミティは自分の指先を切る。

が浮かび、ルビーのようにった。

それをゼッペリンに差し出す。

カラミティの意図を察したゼッペリンが恭しくその指を取る。

「いただきます」

「ああ。存分に飲め。そして、暴れろ。我が1番の眷屬よ」

「ううう……。うおおおおおおおお!!」

ゼッペリンから返事はない。

聞こえてきたのはケダモノのような雄びだった。

どちらかといえば細のゼッペリンのが一回り大きくなる。

大きく口を開けると、鋭い牙が生えていた。

「ガアッ!!」

ゼッペリンは跳躍し、戦場のど真ん中に降り立つ。

周りは天上族の村人たちだ。

不死の軍勢たちを蹴散らしていた村人の顔を摑むと、け容赦なく地面に叩きつけた。

ゼッペリンの力に、さしもの天上族たちが驚く。

その間隙に飛び込んできたのは、カラミティだ。

鋭い爪で、天上族たちの腕や足を切り落とし、戦闘不能の狀態にしていく。

「殺しはせん。お前たちとハシリー・ウォートの関係を明らかにせねばならんからな」

カラミティは笑う。

それは不敵というよりは、久方の戦場に酔っているような気配があった。

☆★☆★ 1月刊 コミックス ☆★☆★

1月10日 「ゼロスキルの料理番」5巻 最終巻です。是非最後までご賞味ください。

1月19日 「劣等職の最強賢者」2巻 大人気シリーズ第二弾! 無雙しまくりなので、こちらも是非。

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