《星の家族:シャルダンによるΩ點―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困する外科醫の愉快な日々ー》大銀河連合「天下一ぶ Ⅳ
ショーが終わり、闘技場が一新された。
両側にベンチが出て來て、雙方が座るようになっている。
アナウンサーがサル星人と俺たちを紹介し、この一戦の張を高めて行く。
俺たちの戦力を見ているはずだが、サル星人たちは余裕を持っているように見えた。
攻撃が通用しないと思っておいた方がいい。
「亜紀ちゃん、先鋒の役割は分かっているな?」
「はい! 全員ぶっ飛ばしてきますよー!」
「バカヤロウ! 敵の報を目一杯引き出せ! どんな能力を持っているか、攻撃力や防力はどうなのか、そういうことを引き出してチームを勝利に導くんだ!」
「えー! じゃあ皇紀とかの方がいいんじゃないですか?」
「それもそうだな」
「「皇紀、行け!」」
「いたいよー」
俺たちに蹴り出されて皇紀が闘技場に上がった。
サル星人も既に待っている。
サイレンが鳴った。
皇紀は初っ端から「ブリューナク」を連した。
サル星人は余裕をもってかわしながら、皇紀に迫っている。
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皇紀の五指が開かれ、「龍牙」が至近距離から展開する。
サル星人はかわそうとしたが、2発をに喰らった。
表層で「龍牙」が弾かれ、ほとんどダメージが通っていないことが分かる。
皇紀が強烈なフックでぶっ飛ばされた。
サル星人が片腕を上げ、勝利宣言のようなポーズをした。
「轟雷!」
立ち上がった皇紀に一瞬驚き、「轟雷」をかわせなかった。
面の攻撃のため、高速移しても回避出來なかっただろう。
サル星人が一瞬直した。
「ほう、電撃系は効果があるかもな」
「はい!」
皇紀が続けて「トールハンマー」をぶちかます。
雷撃がサル星人を襲い、地面に片膝を付いた。
「皇紀! 行けぇー!」
亜紀ちゃんが応援する。
「「皇紀ちゃーん!」」
雙子も応援する。
「皇紀くん、がんばってー!」
ノリの悪いはずの柳も応援する。
皇紀が「トールハンマー」を幾つも放った。
多重攻撃にするつもりだ。
上手い手だ。
しかし立ち上がったサル星人が、腕を振った。
皇紀に向かっての刃のようなものが飛んで行く。
皇紀は咄嗟に十字けでけたが、両腕がへし折れて燃えた。
「グァァァァァ! 降參!」
雙子が駆け寄って皇紀を引きずり下ろした。
「皇紀ちゃん、大丈夫?」
「「手かざし」しとくね?」
亜紀ちゃんが涙を拭いて、闘技場へ上がった。
「てめぇ! よくも皇紀を!」
すぐにサイレンが鳴らされた。
亜紀ちゃんは音速を超える速さでサル星人に接近し、「龍刀」を放つ。
しかし、表で弾かれて効果は無い。
「このやろう!」
壯絶な撃ち合いになった。
皇紀の攻撃でダメージがあったか、サル星人の攻撃には彩が無い。
しかし亜紀ちゃんの攻撃もそれほど効いてはいないようだった。
亜紀ちゃんが「螺旋花」を撃ち始める。
今度は効いているようで、サル星人はやがてかなくなった。
亜紀ちゃんに首を持って空中へ上がった。
首から下を「虛震花」で消し飛ばす。
殘った頭を持ち、皇紀の前に放った。
「皇紀! 仇は討ったわよ!」
「いたいよー」
ハーが転がった首を皇紀の顔の前に持って行く。
「きもちわるいよー」
サル星人の次鋒が闘技場へ上がった。
「來い!」
亜紀ちゃんが指で招く。
サル星人は近づかず、舞のようなきをして、亜紀ちゃんに向けて両手を繰り出した。
「避けろ!」
亜紀ちゃんが空中に逃げる。
闘技場を抉りながら、巨大なの帯が駆け抜けた。
亜紀ちゃんは空中で「最後の涙」を放った。
相手が跳躍して何とか避ける。
「!」
亜紀ちゃんは地上に降りて、激しく撃ち合った。
「金剛花」で強化された亜紀ちゃんの手足が折られて行った。
「ちくしょー!」
余裕を持った強烈なアッパーを喰らい、亜紀ちゃんがベンチに飛んで來た。
俺がけ止める。
亜紀ちゃんは完全に意識を喪っていた。
雙子に治療を頼んで、俺は闘技場へ上がった。
向こうのベンチで、4人のサル星人が笑っていた。
観客席では、あまりの凄絶な試合に、みんな息を呑んでいた。
3回目のサイレンが鳴った。
俺はゆっくりと歩き、亜紀ちゃんと同様に撃ち合った。
サル星人は微笑みさえ浮かべながら撃って來る。
しかし、徐々に微笑むが崩れ、真剣な顔になり、焦りが浮かんで來た。
「どうした、もっとれろ」
俺の言葉は通じているはずだが、返事はない。
余裕を喪っているのだ。
「じゃあ、俺がれるぞ!」
俺の拳が當たった場所が吹き飛んで行く。
右のローキックで両足をぶった斬り、にれたストレートが砕した。
転がった首を、サル星人のベンチに放った。
球技が下手なので、大分右へ逸れた。
「……」
4人が立ち上がって俺を見ている。
次のサル星人が闘技場へ上がって來る。
サイレンと同時に俺は「グングニール」を撃った。
瞬時に焦げたを蹴ると、細かな灰になって消えた。
4人目は逆に開始と同時に俺に高速のの刃を無數に放って來た。
俺は空中高機でかわし、「龍刀・煉獄」の合わせ技で切り刻んだ。
無數の片となって床に散した。
観客から歓聲が上がり始めた。
5人目は皇紀が仕留めきれなかった「龍牙」を放った。
背中から五筋のが拭き上がり、絶命した。
最後の一人が闘技場へ上がった。
「最後だな」
「お前、何者だ!」
「教える必要はねぇな」
「強い種族なら全部知っている。それに対抗するために、我々は鍛え上げて來た」
「この程度でか?」
「!」
憎悪に満ちた形相で突っ込んで來た。
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