《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》予期せぬ參加者
「これは一本取られました。意外と賢いですね、月坂秋人さん。どうやら私は貴方を見くびっていたようです」
「そんなことはない。高校の中間テストで全教科赤點を取ってしまうほどの頭だよ。それで、俺が第八次転生杯の參加者に選ばれたのはどんな意図が絡んでいる?」
「それはお答えできません」
「……言うと思ったよ」
支配人の反応から、俺が意図的に第八次転生杯の參加者に選ばれたというのは確定したと言っていいだろう。問題は、誰の意図かということ。普通に考えれば支配人だろうが、そんなことをする理由が支配人にあるとは思えない。となると十中八九、第三者の意志が介在している。
その第三者というのが、俺を死刑に追いやった真犯人だとしたら? 俺に激しい憎悪を抱かせて転生杯の參加者に選ばれるよう仕向けていたとしたら……?
「おかげ様でだいぶ見えてきたよ、真犯人の正が」
「……それは何よりです」
殘る謎は時系列の矛盾。第八次転生杯の參加者の中に真犯人がいるとしたら、スキルでタイムスリップでもしない限りあの事件は起こせない。しかしそのようなスキルは存在しないと支配人も言っていた……。
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いや、そもそも真犯人が第八次転生杯の參加者の中にいる、という前提が間違っているのではないか? 現場に殘されていた42の數字、そして一般人には不可能な犯行から、真犯人が転生杯の參加者であることは確かだろう。が、それが第八次転生杯の參加者とは限らないのではないか?
思えば支配人は「第八次転生杯の參加者の中に犯人がいる」とは一言も言っていない。実際、42の痣を持つ細道はあの事件とは何の関係もなかった。あの42の數字が、それ以前に行われた転生杯の參加者の痣を示しているとしたら……?
「かつての転生杯で落も転生もしなかった異例の參加者がいて、そいつが今でも生きている……なんてことは有り得るのか?」
「有り得ませんね。転生杯の參加者は必ず落か転生かの二択になりますから。たとえそのような異例の參加者が存在したとしても、仮転生には使用期限があるので、とっくに消滅しているでしょう」
つまり普通に考えれば、かつての転生杯參加者があの事件を起こすことは不可能、ということか。
「なら、第八次転生杯の開始前に何らかのイレギュラーが起きた、あるいはアンタが起こした。違うか?」
「……それはお答えできません」
どうやら當たりのようだ。第八次転生杯の開始前に〝何か〟が起きた。その〝何か〟があの事件と繋がっているとしたら……。
「おや、そろそろお時間のようです。今回のお喋りはここまでとしましょう。楽しんでいただけましたか?」
「相変わらず肝心な部分をはぐらかされてモヤモヤしっぱなしだよ」
「すみません、私にも事がありますので。お詫びと言ってはなんですが、最後にとっておきの報をプレゼントしましょう」
「とっておきの報?」
どうせ大した報ではないだろうと、俺は期待せずに聞き返す。
「先程貴方は私に『高みの見を決め込んでいる』と言いましたが、それは違います」
「……どういう意味だ?」
「分かりませんか? 私も參加者の一人として、第八次転生杯に參加者しているという意味です」
「……は?」
衝撃のあまり、俺は一瞬頭が真っ白になった。
「えっと、なんだ。つまりアンタは第八次転生杯の參加者の中にいる、ということになるのか……?」
「正確には、私の魂の一部を分け與えたもう一人の私、ですけどね。いわば私のクローンのようなものです。私自はこの空間から出ることはできませんから。おそらく今回の第八次転生杯が最後の転生杯になりますので、記念に私も參加しようと思ったのです」
「いやいやいや、なんか軽いノリで言ってるけど転生杯を開催した張本人が參加するとか反則にも程があるだろ!」
「ご安心ください。あくまで魂の一部にすぎませんから、私自よりだいぶ能力は劣っています。當然、姿は変えてありますけどね。ヒントを言っておきますと、貴方がこれまで出會った參加者の中の誰かです」
「何……!?」
これまで出會った參加者は、落者を除けば春香・真冬・千夏・神崎・朝野・晝山・夜神・夕季・赤來の九人。この中の誰かに支配人が化けているというのか……!!
「真犯人捜しも結構ですが、是非もう一人の私のことも見つけ出してみてください。もっとも貴方の目が覚めた時、このことを覚えていたらの話ですが。次に貴方が會うのは、果たしてどちらの私か。楽しみにしておきますね」
間もなく視界が暗転し、俺の意識は途絶えた。
☆
朝の日差しで目が覚めた俺は、手で頭を押さえながらを起こした。また支配人が出てくる夢を見たが、例によってどんなことを話したのかぼんやりとしか覚えていない。何かとんでもない報をぶっ込まれた気がするが……。
朱雀(変)のスキルが明らかになったことで、俺達はホテル暮らしからアジトでの生活に戻っていた。朱雀のスキル【影送り】は死んだ人間にり代われるスキル。これまでの落者の中に俺達の拠點の場所を知る者はいないはずなので、その報は赤來にも割れていないと判斷した。やっぱりこのアジトが一番落ち著くな。
2023年もよろしくお願いします!
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