《星の家族:シャルダンによるΩ點―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困する外科醫の愉快な日々ー》丹沢にオオカミ!?
月曜日。
今日は祝日で休みなので、俺はゆっくりと9時頃に起きて朝食にした。
雙子は先に起きていて、コッコの卵を取りに行っていたようだ。
「おかえり。お前ら、は大丈夫か?」
「うん! ちょっとウンコが良く出た!」
「らかくて千切りやすかった!」
「そうか!」
これから朝食なのだが。
まあ、異常がないようで良かった。
雙子が俺のために、コッコの卵でプレーンオムレツを作ってくれた。
黃多目で素晴らしく味しかった。
結構俺が拘っているので、プレーンオムレツ専用のフライパンまである。
いいバターを使い、最高のオムレツが出來る。
「おお! 流石に味いな!」
「「うん!」」
自分たちは既に食べていたようなので、俺のためにわざわざ卵を取って來てくれたのだろう。
亜紀ちゃんがコーヒーを淹れてくれる。
「この後ちょっとルーとハーと一緒に出掛けますね?」
「そうか。どこに行くんだ?」
「ええ、ちょっと。お晝前には戻りますから」
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「そうか」
買いにでも行くのだろう。
「石神さん! 一緒に竜膽を観ませんか?」
柳が俺をう。
「いいな! 流石は真の花壇係だな!」
「エヘヘヘヘヘ」
雙子が柳のを叩いて出て行った。
庭で柳と竜膽を眺めていると、亜紀ちゃんがダッジ・デーモンで雙子と出掛けて行った。
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ダッジ・デーモンを近所の空き家にれ、「Ωコンバットスーツ」に著替えて飛んだ。
ルーとハーに夕べタカさんと一緒に観たという夢の話を聞いた。
「タカさんがちゃんと締めたけど、ちょっと許せないよねー」
「タカさん、寢不足だよー」
「あたしがボコってやる!」
「「うん!」」
丹沢の山の主ということだった。
2分で著いた。
山小屋のある場所に降りる。
「ハー、分かる?」
「ちょっと待って。探ってる」
しばらくハーが周囲を探知していた。
「うーん、分かんないや」
「よし!」
私は上空に飛んで、んだ。
「ゴルァー! 山の主! 出て來ないと山ごとぶっ飛ばすぞー!」
尾を越えて、大きなイノシシが走って來た。
私も地上に降りて出迎える。
大きい。
大4メートル程か。
額に白い星のマークがある。
「お前かー!」
「夕べは姿を隠しやがってー!」
イノシシは私たちの前で足を折って伏せた。
「今日はなー、亜紀ちゃんを連れて來たぞー!」
「タカさんみたく甘くないからなー!」
イノシシは地面に頭を付ける。
「お前、私の大事なタカさんの睡眠の邪魔をしたそうだな」
《申し訳ございません》
「悪!」
「「悪!」」
《どうか、お許し下さい》
私は前に出て、イノシシの目を睨んだ。
《あ! あなたは!》
「あんだよ?」
《あなたは「山の主殺し」なのですね!》
「あんだ、そりゃ?」
《稱號が見えます! 前にどこかの山の主を殺したのですね!》
「う、そりゃ、なんだ。アレだ!」
イノシシが酷く脅えた。
アラスカで殺したのは、ちょっとした間違いだ。
「おい、あたしたち、夕べ迷宮を突破したよな?」
《はい、確かに》
「商品はどうしたー!」
「何ももらってないぞー!」
《はい!》
「何くれんだー!」
《味しいドングリの場所をお教えしましょうか?》
ハーがイノシシの頭に踵落しを見舞った。
みんなで小突き、イノシシがあちこちぶっ飛びながらボロボロになった。
《なんで私がこんな目に……》
イノシシが泣き出した。
酷い怪我は無いが、あちこちからを流している。
よくは分からないが、顔も腫れ上がっているようだ。
《私は、この山を守ろうとしているだけなのに!》
「おい」
イノシシが涙を零しながら倒れた。
《さあ、もう殺してください。こんな慘めな死に方になるとは》
「おい、悪かったよ。ちょっとやり過ぎた」
「亜紀ちゃん、強く蹴り過ぎだよ」
「ちょっと退いたよ」
「あんたらね!」
イノシシはまだ泣いている。
「もう行っていいぞ」
《いいえ。これからも山の獲はどんどんあなた方に殺されて行くんです。もう山の主として生きていたくありません》
「そんなこと言うなよ」
《殺してくれないのなら、自分で死にます》
「待てって! ちょっとそこにいろ!」
ルーとハーの手を引いて、山小屋の中にった。
「ちょっとやり過ぎた?」
「可哀そうになっちゃったよ」
「どうする?」
三人で話し合った。
小屋の中に「Ω」と「オロチ」の末があった。
「おい、これを飲め」
《……》
「いいから飲め!」
私が無理矢理「Ω」と「オロチ」の末を口の中に突っ込む。
イノシシはその瞬間に立ち上がった。
《ああ! なんという!》
「悪かった。これで傷は大丈夫だろう?」
《はい! そればかりか気力も漲ってきましたぁ!》
「そうか、良かったよ」
ルーとハーが上昇し、「極大手かざし」を山全にぶち撒いた。
私でもじるほどの、気持ちのいい波に満たされる。
イノシシは呆然とし、また涙を流した。
《これは……とても素晴らしい……山が甦った! これほどの……》
二人が地上に降りて來た。
「まあ、こんなもんかな」
「もう泣くなよな!」
三人でイノシシの頭をポンポンして帰った。
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「よう! お帰り!」
柳と竜膽を眺め、他の庭の植もゆっくり見て回った。
いい気分になったので、柳とウッドデッキでアイスミントティを飲んでいた。
三人が傍に來る。
「どこまで行ったんだ?」
「ちょっと近所をドライブに」
「それにしちゃ早かったな」
「まあ、途中で飽きちゃって」
「なんだよ、そりゃ。まあ、一緒に飲まないか?」
「「「はい!」」」
五人でのんびりした。
1年後。
丹沢に行くと、やけに野生が多くなった。
地元の保護団の調査だ。
信じがたいが、何度か遠吠えを聞いたという報告もあった。
ニホンオオカミではないかとの噂まで出た。
絶滅して久しいので、そんなはずは無いのだが。
しかし、目撃例まで出て來た。
「オオカミかもってさ」
「すごいね!」
「そうだったらいいね!」
「お前ら、見つけても喰うんじゃねぇぞ!」
「「はーい!」」
雙子はキャンプに行くと、相変わらずガンガン狩ってる。
平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)
時は2010年。 第二次世界大戦末期に現れた『ES能力者』により、“本來”の歴史から大きく道を外れた世界。“本來”の世界から、異なる世界に変わってしまった世界。 人でありながら、人ならざる者とも呼ばれる『ES能力者』は、徐々にその數を増やしつつあった。世界各國で『ES能力者』の発掘、育成、保有が行われ、軍事バランスを大きく変動させていく。 そんな中、『空を飛びたい』と願う以外は普通の、一人の少年がいた。 だが、中學校生活も終わりに差し掛かった頃、國民の義務である『ES適性検査』を受けたことで“普通”の道から外れることとなる。 夢を追いかけ、様々な人々と出會い、時には笑い、時には爭う。 これは、“本來”は普通の世界で普通の人生を歩むはずだった少年――河原崎博孝の、普通ではなくなってしまった世界での道を歩む物語。 ※現実の歴史を辿っていたら、途中で現実とは異なる世界観へと変貌した現代ファンタジーです。ギャグとシリアスを半々ぐらいで描いていければと思います。 ※2015/5/30 訓練校編終了 2015/5/31 正規部隊編開始 2016/11/21 本編完結 ※「創世のエブリオット・シード 平和の守護者」というタイトルで書籍化いたしました。2015年2月28日より1巻が発売中です。 本編完結いたしました。 ご感想やご指摘、レビューや評価をいただきましてありがとうございました。
8 158【書籍化作品】離婚屆を出す朝に…
書籍化作品です。 加筆修正した書籍のほうは、書店での購入は難しいですがネットではまだ購入できると思いますので、興味を持たれた方はそちらも手に取って頂ければ嬉しいです。 こちらのWEB版は、誤字脫字や伏線未回収の部分もあり(完成版があるので、こちらでの修正は行いません。すみません)しばらく非公開にしていましたが、少しの間だけ公開することにしました。 一か月ほどで非公開に戻すか、続編を投稿することになれば、続編連載の間は公開します。 まだ未定です。すみません。 あらすじ 離婚屆を出す朝、事故に遭った。高卒後すぐに結婚した紫奈は、8才年上のセレブな青年実業家、那人さんと勝ち組結婚を果たしたはずだった。しかし幼な妻の特権に甘え、わがまま放題だったせいで7年で破局を迎えた。しかも彼は離婚後、紫奈の親友の優華と再婚し息子の由人と共に暮らすようだ。 思えば幼い頃から、優華に何一つ勝った事がなかった。 生まれ変わったら優華のような完璧な女性になって、また那人さんと出會いたいと望む紫奈だったが……。 脳死して行き著いた霊界裁判で地獄行きを命じられる。 リベンジシステムの治験者となって地獄行きを逃れるべく、現世に戻ってリベンジしようとする紫奈だが、改めて自分の數々の自分勝手な振る舞いを思い出し……。 果たして紫奈は無事リベンジシステムを終え、地獄行きを逃れる事が出來るのか……。
8 186テイマーリュカリュカちゃんの冒険日記
2021.05.17より、しばらく月・水・金の週三回更新となります。ごめんなさい。 基本一人プレイ用のVR型RPGを始めることになった女の子のお話です。 相変わらずストーリー重視ではありますが、よりゲームらしい部分も表現できればと考えております。 他作品に出演しているキャラと同じ名前のキャラクターが登場しますが、作品自體は獨立していますのでお気軽にお楽しみください。 モチベーションアップのためにも感想や評価などを頂けると嬉しいです。
8 185【書籍化】初戀の人との晴れの日に令嬢は裏切りを知る〜拗らせ公爵は愛を乞う〜
一人目の婚約者から婚約破棄され、もう結婚はできないであろうと思っていた所に幼い頃から憧れていた王國騎士団団長であるレオン=レグルス公爵に求婚されたティツィアーノ(ティツィ)=サルヴィリオ。 しかし、レオン=レグルス公爵との結婚式當日、彼に戀人がいる事を聞いてしまう。 更に、この結婚自體が、「お前のような戦で剣を振り回すような野猿と結婚などしたくない。」と、その他諸々の暴言と言いがかりをつけ、婚約破棄を言い渡して來た元婚約者のアントニオ皇子の工作による物だった事を知る。 この結婚に愛がないことを知ったティツィアーノはある行動に出た。 國境を守るサルヴィリオ辺境伯の娘として、幼い頃からダンスや刺繍などではなく剣を持って育った、令嬢らしからぬ令嬢と、戀をしたことのないハイスペック公爵の勘違いが勘違いを呼び、誤解とすれ違いで空回りする両片思いのドタバタラブコメディです。 ※ティツィアーノと、レオン視點で物語が進んでいきます。 ※ざまぁはおまけ程度ですので、ご了承ください。 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 8/7、8/8 日間ランキング(異世界戀愛)にて5位と表紙入りすることが出來ました。 読んでいただいた皆様に本當に感謝です。 ✳︎✳︎✳︎ 『書籍化』が決まりました。 ひとえに読んでくださった皆様、応援してくださった皆様のおかげです! ありがとうございます! 詳しい情報はまた後日お伝えできるようになったら掲載致します!! 本當にありがとうございました…
8 190都市伝説の魔術師
ゴールデンウィークが明け、六月。『事件』後、家族と仲睦まじく暮らしていた柊木香月とその妹夢実。 彼の本業である學生生活と、『裏の仕事』も順風満帆に進んでいた。 彼の裏の仕事は魔術師だった。それも魔術師として優秀な存在であった。 最強の魔術師にも弱點はある。 「私は……仕方がない。都市伝説に『殺されても』仕方ないのよ……!」 「そうであったとしても、罪を裁かれようとしても……女性が涙を流している。それだけで助ける理由には充分過ぎると思うのだが?」 魔術師柊木香月は都市伝説から彼女を守るべく、取った行動とは――! 「……どうしてお兄ちゃんは毎回のように女の子を助けてくるのかな? もうこれで數えきれない程の回數なのだけれど。お兄ちゃん、慘殺か虐殺、どっちがいい?」 「ちょっと待ってくれ夢実! いつから君はヤンデレになったんだ! 頼むからそのコンパイルキューブを仕舞ってくれ! なあ!? 頼むから!!」 現代に生きる魔術師とその爭いを描く、シリーズ第二弾登場!
8 85異世界サバイバル~スキルがヘボいとクラスから追い出されたけど、実は有能だったテイムスキルで生き延びる~
動物好きの高校生、仁飼睦樹は突然異世界に転移してしまう。クラスメイトと合流する彼だが、手に入れたスキルが役立たずだと判斷され追放されてしまう。モンスターしかいない森の中でピンチに陥る睦樹。しかし、やがて成長したスキルが真の力を見せた。モンスターの言葉を理解し、命令を下せるスキル??〈テイム〉を駆使して彼はサバイバルを始める。とどまることなく成長を続けるユニークスキルを武器に、過酷な異世界サバイバルで生き殘れ!
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