《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第2部 第14話 2年越しの一発ギャグは賞味期限切れ? そんなのわかってるよう! でも斷行する! だってあの人は必ず笑ってくれるから。

「あ‥‥‥‥」

私は目を覚ました。ミナトゥ村、ぬっくんの家だ。

頬が、濡れていた。

私が昨夜、村のり口を消し炭にして戻ってきて。それから。

隣のぬっくんは赤ちゃんになっちゃって。やっぱり魔法を使いすぎたんだね。ドラゴンの爪でさわらないようにムチャクチャ気をつけたよ。――家の前で良かった。

と、同時に、私の姿も人間に戻りました。この変って、時間制? みたい。

そのまま、朝まではまだ時間がありそうなので就寢して――。

「‥‥‥‥夢。懐かしい夢。ぬっくんのドローンレース」

そう。夢を見ていた。私が初めてお弁當を作って、食べてもらったイベント。

ちょっぴり嫌な事もあったけど、泣いた私に優しくしてくれた、実はいい思い出。

私は人間の姿を堪能する。お布団の上でそのを楽しむ。

あ、そうだ。今なら。

部屋の奧の方にそっと忍び込んで。

「ふふ♪ かわいい」

ぬっくん(赤ちゃんVer.)をそおっと抱き上げた。わお。赤ちゃんってあったかい。それに予想より、重い。

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「‥‥‥‥私、ぬっくんの赤ちゃんの時って知らないから、これは実は得難いシチュなのでは? 異世界特典?」

なんて獨り言を言ったりしていた。っと! 【魔法のおくるみ】発! 一気にぬっくんが軽くなった。

あの、ドローンレースの一件以來、ぬっくんはし変わった。學校の先生とかでも「それはおかしい」ってぬっくんが思ったら、意見を言うようになった。彼がそういう行をする時に掲げるのは、ド正論中のド正論だから、先生ですらたじろぐ場面もあったね。正直まわりはドギマギしてた。

まきっちは、それを「ぬっくん伝説」とか言ってケーキ作りの話と混ぜこぜにして、ワンセットの笑い話にしていたけど。

実は彼が一番、「ぬっくんの正しさ」を心配して、警戒していたなあ。――なんだかんだで、彼の事を一番知ってるのはまきっちだからね。

‥‥‥‥暴走したらしいよね。ラポルトでも。「英雄さん」っていうガチの怖い軍人さんに立ち向かったって。‥‥いくらコッチに正當があっても、毆られて萬が一があったらどうするの?

あの場には「私がいない、いなかった」‥‥!! 「代わり」をしてくれた浜さんには謝だわ。

東の空が明るくなってきた。夜明けだ。――この異世界では、人々は基本日の出とともにき出す。まあ電気やガスがないから同然だよね。魔法はあるけど。

日が昇ってもぐうぐう寢てる、紘國の私たちがおかしいような気がしてくる。

私の腕の中で、ぬっくん(赤ちゃんだよ)は靜かに寢息をたてている。お姫様が起きたら、ほ瓶を発現させてもらって、私がミルクあげたいな。

さっきの夢。たった4年前の事なのに。こんな場所で赤ちゃんになったぬっくんにミルクあげる云々って、目まぐるしすぎでしょ‥‥‥‥。

なんて考えてたら。

ポン! って音がして、ほ瓶が現れた。ふわふわと空中をただよって、私の手に。

そして手に持つと、容の中が明ので満たされていく。異世界が魔法の世界とはいえ、不思議な覚だよ。

「おはようございます。姫の沢さん。それはあなたの魔力です。わたしが人事不詳になることもありますから、魔法の3點セットはそういう仕様にしているのです」

「‥‥その言い方、依にそっくりだゼ☆」

振り向くとエイリア姫とまきっちがいた。

「ひめっち。ちょうどいいや。ぬっくんに朝ごはん、って思ってたから、そのままミルクあげてよ」

「でも明のだよ? これミルクって呼んでるの? 暖めなくていいの?」

「すでに人。他に適當な呼び方思いつかないんよ。細かい事はいいじゃんか」

赤ちゃんは寢てるようだったけど、哺瓶の口で上をつんつんしたら、はぶはぶって食いついてきた。私もみんなも笑。

その聲にわれて、殘りひとりも起きてきたよ。エイリア姫とまきっちが朝食作り始めて、それを見た春(やよい)さんが「そんな姫様が些事を‥‥」って言ってた。姫様は「ここのルールに従いなさい。あなたは長旅の疲れを取るのが先決。手伝う事は許しません」とか。

みんなで朝ごはんを食べて。異世界らしい? 葉野菜のサラダと直火焼きのトースト。まあ、この世界は昔渡ってきたアッチの世界、私たちの世界の人が文をもたらしたらしいから、文明が被ってるのは當たり前なのかな。

と、ちょっと目を離したらカゴにっていた赤ちゃんがりだした。

「‥‥ああ、大丈夫です。服は自で著きます。わたしのアイテムボックスです」

とは姫様。知ってるよ。私がドラゴンから人間に戻る時も春さんのそれにお世話になってるし。――便利だよね。

私は慌てて鏡に走り、前髪を手櫛で整える。――やば。そういえば、今日まだ顔を洗ってないような。

そんな私を見てみんなくすくす笑ってた。

「‥‥‥‥今回早いなあ」

「魔力消費量がなかったからでしょうか。暖斗さんが赤ちゃんになるのは、スマホに例えるならスリープモードか充電モードですから」

なんてお姫様とまきっちがやりとりして。

の塊がまた、中學生男子の形になっていって。

「ついに対面か~。長かったなあ。どう? ぬっくん。久しぶりに見た姫の沢ゆめは。大分大人っぽくなってるぞ」

そんな言葉を背にけながら、ぬっくんは短く「おはよ」と言った。

そんな彼に私は、2年間練りに練ったとっておきの挨拶を炸裂させる。

「けろけろ。もけ~れむべんべ」

※「なるほど。時系列は違えど語上はぬっくんひめちゃんは同時に夢を見てたとね」と看破した そこのアナタ!!

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