《【書籍化】男不信の元令嬢は、好殿下を助けることにした。(本編完結・番外編更新中)》〈番外編〉騎士カーティスの波萬丈な二日間⑧

<これまでの話>

忘れをしたクレアを追って、ノアとカーティスは旅に出た!

ノアの鼻の案で到著したのは、コンスタンスの屋敷。

そこで二人はコンスタンスとフィリップに出會った。

「さて。それで、今日はどういったご用件なのかな? 薬はまだ殘っているから、もしかして遊びに來てくれたのかい?」

「ん。クレアを探してる。忘れものを屆ける」

まあ、クレアさんに忘れを。と、驚いたような顔をする。そして申し訳なさそうに溜息をついた。

「ごめんなさいね。ノアちゃん。実は彼。今朝ここを出てしまったのよ」

「いつ?」

「ええっと。何時だったかしら。フィリップ、覚えている?」

フィリップと呼ばれた男が顎に手を當てながら目を伏せた。

「ええっと……、確か、九時過ぎくらいじゃなかったかな。見送った後に時計を見たら、そのくらいだったと記憶している」

カーティスは部屋の壁にかかっている時計を見上げた。現在晝の二時過ぎ。探し人の出発から約五時間が経過している。

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「クレアがどこに行ったか、分かる?」

「そうね……。詳しくは聞かなかったのだけど、方向的にリリムの街しかないと思うわ」

フィリップが地図を持ってきて、ローテーブルの上で広げた。

「ここが王都で、ここがこの屋敷。リリムの街はここ。街道が整備されているから、馬を飛ばして大四時間ってところだね」

カーティスは地図を見ながら思案に暮れた。

話を聞く限り、相手の移手段も恐らく馬。通常であれば、五時間も差があったら追いつくことは困難だが、幸いなことに、リリムの街から次の街までかなり遠い。よほど急いでいなければ、今日中の移は諦めるだろう。

「……恐らくですが、今日はリリムの街に泊まるつもりではないでしょうか」

「そうだね。私もそう思うよ。リリムは今日祭りだというし、観も兼ねて一泊するんじゃないかな」

片手で眼鏡を上げながら同意するフィリップ。

カーティスが尋ねた。

「街にる時に、何か特別な手続きは必要ですか?」

「特にないよ。銀貨を支払うくらいだ。ただ、日が沈むと同時に場制限がかかるから、そこは注意が必要だね」

地図を挾んでリリム行きについて話を詰め始める男二人。

カーティスはそっとフィリップをうかがった。

(この男も間違いなく高位貴族だな。禮儀正しいし、頭もいい。気楽そうだから、俺と同じ三男か四男ってとこか。職業は、インテリ職……。服裝からして、醫者か何かか?)

心の中で正解を連発する、案外人を見る目のあるカーティス。

そして、男二人の話が終わると。ノアがソファからぴょこんと立ち上がった。

「じゃあ、今から追いかける!」

もう行ってしまうのね。と、殘念そうなコンスタンス。

「もうちょっとゆっくりしていってしいところだけど、今から出発すれば暗くなる前に街に著けるでしょうから、急いだほうがいいわね。でも、ちょっとだけ待ってくれない? 料理長が味しいお菓子を作ったのよ。急いで包んでもらうから持って行って」

ノアは嬉しそうにしっぽをパタパタと振った。

「ん! ありがとう! 持ってく!」

ノアの喜ぶ様を見て、「ノアちゃん甘い好きだから良かったな」と、微笑ましく思う反面、カーティスは若干しょんぼりした。

(騎士団の食堂のサンドイッチは絶品だと評判だけど、さすがに侯爵家お抱えのシェフのお菓子には敵わないよな……。まあ、でも、ノアちゃんが味しいを食べることの方が重要だよな)

彼は心の中で「サンドイッチは俺が食べることにしよう」とつぶやくと、立ち上がって三人に向かって笑顔で丁寧なお辭儀をした。

「それでは私は馬を見て參ります。皆様はどうぞご歓談をお続け下さい」

何とか今年最後のご挨拶にり込めました。

今年はお読み頂きましてありがとうございました。

來年もどうぞよろしくお願いいたします。(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ。:.゜ஐ⋆*

それでは、皆様、よいお年を!

(明日の更新にて詳細をお知らせしますが、

本作の書籍版の報がAmazon様に掲載されました!

出版社は一迅社様、イラストは鳥飼やすゆき様です)

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