《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第2部 第15話 発見Ⅱ さっき見た懐かしい夢の続きだよ②
「本當に息があってるのですね」
「これは長年連れ添った練パーティの連攜です」
エイリア姫様と春(やよい)さん。ふたりに褒められた。うや~い♬
折角大人數になったので、姫様の提案で遠出をする事になった。このメンバーなら、より強い魔を倒せるから、と。それで魔石で資金を作れば、私と春(やよい)さんの旅も良い宿に泊まれたりするから、と。
森の奧まで來ていた。ここには妖樹系のデカデンドロンとか、妖獣系のデカスキロスとか、けっこう手強い魔が出沒する。
「【ライトニングボール】!」
「【ファイヤーボール】!」
萬能手の私と春さんが前衛を務め、ぬっくんとまきっちが魔法で程攻撃だよ。
「ガアアア!」「ギャイ~ン!」
私が剣を振り、敵が防するのに合わせて、ふたりの魔法が命中する。息がピッタリだ。
「これでは、私の出番が無いじゃないですか」
春さんにそこまで言ってもらった。
*****
一回街道の安全な所まで出て、そこでみんなでお弁當を食べた。
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クリームチーズと燻製をサンドしたパラストミだよ。
ぬっくんがいて、まきっちがいて。姫様も春さんもいい人だし。私は異世界に來て、「ここにいるのも悪くないなあ」なんて考えだしていた。そうしたら。
「そういえばさっきの夢。みなと市のドローンレース、あの後ひめっちが知らない続きがあるんだよな~」
まきっちが、ぬっくんと私を互に見ながら意味ありげに笑う。
「え? 何?」
って反応したら、そのタイミングで春さんが姫様をって席を外した。何か「秋(とき)からなんですが今後の‥‥‥‥」なんて言ってたよ。でもよかった。これで3人で思い出話がしやすくなった。
「あの後、ウチはぬっくんと會ったんだよ。會場でね」
「あ、そうなんだ。ぬっくんに何やら軍の人とかが集まってきてたんだよね」
「そうそう。レース決勝の前くらいかな。ひめを探してて、ね。‥‥‥‥で、ぬっくん、ウチになんて言ったと思う?」
「う~ん。なんだっけ? 『ああ、麻妃(マッキ)。いたんだ。ところでひめちゃん見なかった?』かな?」
「ブブー。不正解。ってか何でぬっくんが答えて、しかも本人が間違えてるんだよ!」
3人で大笑いした。こんな、他もないやりとりを、私達は小學校を卒業するまでしていて。懐かしいな。あの頃は、この時間が永遠に続くと思ってたんだっけ。
「正解は‥‥‥‥『今日のひめちゃんのスカート短くない?』、だぜ☆」
「‥‥‥‥‥‥‥‥!!!!!」
私は水筒の水を吹き出しそうになった。
思わずぬっくんを見たら、思いっきり顔を背けてた。――言ったの思い出したリアクションだ。
「いやいや。ひめを心配してたんだぞ。『なんか學校の時と違うよ。今日はどうしたんだろ? あれじゃ、悪い大人の人に見つかるよ』ってな。あの頃は、ちょうどひめっちが育ちざかりでなあ。長い手足がさらにびて、ほのかに気も出てきた頃だよ」
「ちょ! 気って! あの時は5年生の春休みだよ。確かにさんざんまきっちに相談して、‥‥ちょっと‥‥短めのスカートチョイスしたけど、しょうがないじゃん! ぬっくんと初めてのデー‥‥‥‥ゲフン! 大會見に行ったんだから。私、気づいてなんかないよね? ぬっくん」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
いや、否定しないんかい! っと心ツッコむけど、私も恥ずかしい。
「なんかさ」
向こうを向いていたぬっくんが顔の向きはそのままで、訥々としゃべりだした。
「僕が直接言ったら『どこ見てんのよ』って思われるからどうしたものか、って。そしたら麻妃がいるじゃん。どうしてあんなに短いのにしたんだろ? ひめちゃんは変わってしまうのかな? って思わず相談したんだよ」
ぬっくん、そんな事考えてたんだ。
「ちょうどさ。ひめがぬっくんの長抜く頃じゃん。ひめはどんどん背がびてモデル型になっていって、人目を引くようになってきたんだよなあ。そんで」
まきっちは一口お茶を飲む。
「あの時のぬっくんのセリフが秀逸だ。『あんなにスカート短いと、悪い大人がやってくるよ。短いスカートに寄って來るのって、そういう人達ばかりだよ。僕は心配だよ。ひめちゃんはそういう悪い大人とつきあうつもりなのかなあ』とさ」
ぬっくんはさらにそっぽを向いてしまった。けど、私は嬉しかった。彼が、私の事本気で心配してくれてるのがわかったから。ああ、今日は佳き日だよ。
*****
森から村への帰り道。山ほどの魔石をみんなで分け合って運ぶ。――といっても姫様の分はほんのしで、春さんがその分を肩代わりしている。
まきっちが私とぬっくんに耳打ちしてきた。
「毎回なんだけど、姫さん、戦闘參加しないんだよね。戦場だと一歩もかん」
え? そうなの?
「僕も魔法の使い方とか追跡(ホーミング)とか。教えてもらうけど、姫様は実際に魔倒してないよ」
意外だった。王族は魔力がすごいって春さんから聞いてたから。あ、もしかして。
「回復係だからとか。それか、純粋にガチ姫様だからリスク回避で後衛専門とか?」
と、私の意見を提案してみる。結果はふたり揃って「「う~~ん」」
なんて、他のない會話をしていたら。
突然、魔の群れが現われた。さっきのデカスキロスだ。大型犬みたいな、四本足モンスター。
「いけません。春」
「はっ!」
春さんが壁役で、前衛の私がその後ろから一撃れて。ぬっくんまきっちもすぐさま反応した。
「小屋敷小トリオ」だけで、3匹は倒したけど。
「姫様。ヘクトスキロスです」
「そうですね。こんな街道近辺に」
その背後から現れたのは、さっきのより大きな個だ。犬っぽいけどゾウくらいの大きさ?
バシン!
いきなり犬パンチしてきた! 避けたけど地面がえぐれたよ。
姫様の聲がした。
「暖斗さん。これ以上だとまた赤ちゃんに。下がってください」
「うん。わかった」
春さんの対応は早かった。
「【アイスアロー】!」
春さんの魔法で、手をかざした空中に氷の矢が何本もできる。全部あのおっきな犬型魔に向けられている。――と、そこへ、後ろから姫様が來て、春さんの背中に手を置いた。
「【リンク】、【大魔力】」
姫様の詠唱とともに、春さんの氷の矢――野球のバットが家の柱の大きさになった。そのまま魔に出される。
ズドドドドドン!!
あっという間に魔達は倒された。私もそうそう見たことがない、大きな魔だったのに。
まさか瞬殺とは。
あと、何?【リンク】って?
※「【リンク】? 誰かがどこかで言ってたような?」と疑問のそこのアナタ!!
ここまで、この作品を読んでいただき、本當にありがとうございます!!
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