《魔王様は學校にいきたい!》黒竜
「ゴロロロロッ! 久シ振リノ人間界ダ、ウルリカ様トノ共闘ダ!」
黒竜ドラルグ・ドラニアクロス、嵐を従え天を舞う。
「オオソウダ、我ガ弟子アグニスハ元気ニシテイルダロウカ? エンシェントドラゴンヲ目指シテ、日々ノ特訓ヲ続ケテイルダロウカ?」
幾重にも折り重なる雷雲、縦橫無盡に駆ける稲、淀んだ夜空をかき回す竜巻。ドラルグの放つ強大な魔力は、一帯の天候を悉く支配する。
「グルルッ、閃イタゾ! オリヴィアトイウニ頼ンデ、巨大クッキーヲ焼イテモラオウ! ソシテウルリカ様ト一緒ニ食ベルノダ!」
長い尾を左右にフリフリ、雷撃の篠を撒き散らす。巨大な翼を上下にパタパタ、大気の刃を巻き起こす。
空に蔓延っていた魔の群れは、超常の気象にまれて消滅。規格外の殲滅力は、天災と呼んで然るべきだ。
「ウルリカ様ヲ背ニ乗セテ、クッキーヲ食ベナガラ人間界ノ大空ヲ散歩──」
「「「「「「ギュエエエッ!」」」」」」
「──グルルッ?」
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いつの間にやらドラルグの前後左右、さらに上下を六羽の怪鳥が取り囲んでいる。邪神ガレウスの眷屬であり、アンデット化して不死のとなった兇鳥ギュエールだ。
「ホホウ、我ノ雷デ消シ飛バヌトハ……時ニ、オ前達ハナンダ?」
「ギュギュギュッ!」
「ギュオオオン!」
「妙ダナ、何ヲ言ッテイルノヤラサッパリ分カラン」
「ギュアギュア!」
「ギュイイイッ!」
「ナルホド、オ前達ハアンデットノヨウダナ。ナラバ対話モ儘ナラヌカ、シテ……」
包囲されているにもかかわらず、ドラルグは微塵もじていない。どころかギラリと牙を剝き、どこか嬉しそうにしている。
「モシヤ我ヲ相手ニ空中戦ヲ挑ムツモリカ?」
「「「「「「ギュオッ!」」」」」」
「面白イ……イイダロウ、カカッテコイ!」
「「「「「「ギュエエエッ!」」」」」」
ドラルグが応じるや否や、ギュエールは一斉に攻め掛かる。目にも留まらぬ高速の飛行、巨からは想像もつかない敏捷、常に死角を狙う緻な連攜、実に驚異的な空戦能力だ。
「グハハハハッ、遅イゾ!」
対するドラルグはというと、數の不利をともせずギュエールの猛攻をいなしていた。瞬間移と見紛う速度、変幻自在の曲蕓飛行、まさに別次元の空戦能力である。
「マズハ一匹ダ、ゴロロロロッ!」
「ギョオオオォ!?」
事もなげに攻撃をいなし、転じて雷の咆哮を発。正面を飛んでいたギュエールを、極大の雷撃で吹き飛ばす。アンデット特有の不死、そんなものはまるで問題にしない。
「ムムッ、我ハ気ヅイテシマッタゾ。派手ニ敵ヲ蹴散ラセバ、ウルリカ様ハ我ニ注目シテクレルハズ! ソウト決マレバ……グハハハハッ、次ハ二匹続ケテイクゾ!」
「「ギュエェ──!?」」
攻めの手を緩めることなく、バチバチと派手に雷の戦斧を投擲。怯え慄く間すら與えずに、左右二羽のギュエールを同時に打ち落とす。
「グルルッ、我ナガラ目ヲ見張ル戦イップリダ! キット今ゴロウルリカ様ハ、我ノ勇姿ニ夢中ダロウ!」
「ギュオオオッ!」
「聞エテクルゾ、我ヲ稱賛スルウルリカ様ノ聲! 目ニ浮カブゾ、我ヲナデナデスルウルリカ様ノオ姿!」
「ギュアアアッ!?」
背後から迫る四羽目を尾の一振りで、真上を飛ぶ五羽目を雷の放で、それぞれを一撃で打ち沈める。
それにしても先ほどから、頭の中はウルリカ様でいっぱい。死闘の最中だというのに、どうにもウルリカ様へのは抑えられないよう。
「ギュギュエッ!?」
「サテ、最後ノ一匹ダナ……」
殘った六羽目に狙いを定め、バチバチと派手に雷を纏う。その燦爛とした眩さたるや、夜闇をさっぱり蹴散らすほど。ついには雷と完全に同化し、ピシャッと閃いた次の瞬間──。
「コレデ終イダ!」
「ギョ──」
──ゴロゴロと迸る、それは雷の速度による突撃。れる一切を灰燼に帰す、圧倒的な破壊の一撃だ。
回避や防、反応すら儘ならぬまま、六羽目のギュエールは雷に飲まれて消え失せる。
「グルルルルッ……完璧ナ勝利ダ、コレデ……!」
勝利の余韻で尾をフリフリ、上機嫌に翼をパタパタ。相も変わらずドラルグは、ウルリカ様のことばかり考えているようで。
「コレデキット、ウルリカ様ニ褒メテイタダケルゾ! ゴオオオオッ!」
靜まり返った夜の空に、歓喜の咆哮が響き渡るのだった。
サモナーさんが行く
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