《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》ワイバーンレース2日目 終了

崖の周辺を2匹のワイバーンが旋回する。

「ベルト義兄さん!」

「レオンさん!」

メイルとプリエは、落下した2名を探していて――――

「あっ! あそこにいます」とメイルは人影に向かって加速した。

「よう……何とか勝てたよ」

崖下に流れる川。水面から岸に向かってベルトはいた。

いや、ベルトだけではない。 彼の肩には意識を失ったレオンが擔がれていた。

「プリエ、レオンも無事だ。命に別狀はない。もっとも、暫くは目を覚まさないだろう……念のために回復呪文をかけてくれ」

接近してきたプリエが乗るワイバーン……と言うかプラテノドン。その後部席にレオンを乗せた。

「はい。では、ご武運を……」と安堵した様子だが、しだけ複雑そうに見える。

パートナーであるレオンが危険な技を――――加えて、どう考えても競技範囲外の妨害行為を――――ベルトに仕掛けたのだ。

そんな彼に、レオンが助けられた事。プリエにしてみたら、心は複雑なのは仕方ない事だ。

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そんな彼にベルトは、

「コイツが目覚めたら言っておいてくれ。これは競技だ。競技なら、いつでも同じように挑んでこい……ってな?」

プリエは益々、複雑そうな顔に――――し笑みが引きつって見えたが、「はい」と返事を返した。

それだけ確認をすると、ベルトは戦線に復帰するためにメイルの後ろに乗り込む。

「いくぞ!」のベルトの聲に、

「はいっ!」とメイルは答えて、深紅のワイバーンは空に戻って行った。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「今、何位くらいだ?」

「わかりません。でも、ベルト義兄さんたちを探している間に何匹かのワイバーンが頭上を飛んでいきました」

「……とりあえず、10位以か?」

「……いえ、もうしだけ多く飛んでいきました」

ベルトは空を仰いだ。

「レオンのせいで、初日に得た時間差がなくなったかぁ」

それから、切り替えるように「よし、追いつくぞ」と気合をれ直す。

ベルトたちは、ワイバーンのタロウを加速させていく。しかし、大きく出遅れたベルト&メイル組。

だが、逆転を狙えるポイントは殘っていなかった。

先頭集団からし遅れてゴールを切ったベルトたちは、ようやく自分たちの順位を確認できたのだ。

長距離ワイバーン競技――――2日目――――

優勝 フォルス&アレク組

2位 ゴッドフリード&ニーズヘッグ組

―――略―――

28位 ベルト&メイル組

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・・

場所は人目から離れた路地裏。 決して広いと言えない場所に隠れるように1匹のワイバーンを連れた男がいた。

他には、誰もいないはずだが、男は――――

「我々の目的は、外法による竜王召喚。つまり、お主自が召喚され人間に利用されるのを防ぐためじゃったよな?」

男は、今回レース2日目で2位になったチームの1人だった。

彼の名前はゴッドフリード。

他には誰もいない……いるのは極めて平凡に見えるワイバーンだけ……そう見えた。

しかし、別の者が見たら驚く事になっただろう。なんせ、そのワイバーンが流暢に人語を口にし始めたのだから。

「悪い悪い、僕だって驚いたさ。自分の才能に――――ドラゴンの本かな? 空にスピードを求めるのはね」

彼らの正は、大魔王シナトラと竜王だった。

シナトラは偽名として、ゴッドフリードを名乗り、

竜王は、ワイバーンに変して競技に參加していた。

なお、ここにいないニーズヘッグという人は竜王の分だ。

本來ならワイバーンとして育するつもりだったが、竜王の膨大な力が反映された結果、本と偽の激闘が行われ――――勝者である竜王がワイバーン役を演じる事になった。

ニーズヘッグは竜王からお調子者の因子をけ継いでいるのだろう。

今は、記者たちの質問に面白おかしく答えている最中だったりもする。

「下手に注目されおって、それでどうだった? この茶番の黒幕はわかったのか?」

「……いや、まだ斷言はできない狀態だよ。なくとも主催者側に企んでいる奴がいる。けど……」

「けど? 何じゃ? 単純にリュウ・アイヤと名乗る人――――あやつが黒幕ではないのか?」

「まだ斷言はできないって言ってるだろ? ただ、これだけは言えるよ。あの男――――リュウ・アイヤは黒幕じゃない。なんとなく別の目的があっていているように僕はじたね」

そんな會話を――――大魔王と竜王が人知れず、街中に現れて、そんな會話をえていると誰が信じるだろうか?

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