《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第93話 布陣Ⅰ①

そういえば昨日、ライドヒさんが下艦した。

ちょうど、まほろ市の北側が港になっている。

ライドヒさんをそこで下したんだ。ハシリュー村の長老さん達のお願いを聞く形で乗艦して、元々そこまで送っていくって約束だったから。帝都の彼が通う高校は、ウイルスとかの影響なく9月から新學期が始まるらしい。

「じゃあな。暖斗(はると)。また逢おうぜ!」

ライドヒさん。僕にとってはそんなに悪い人では無かった。いい兄貴だった。ただ、もうちょっと子の事も考えてあげれば良かったんだ。本當に、もうちょっとだけ。

ライドヒさんは、そんな艦の空気を察してか、僕が勧めたゲームにハマったのか、あれから約2日間、ほとんど自室を出なった。別れ際に「オレ、ゲームってスマホのヤツしかやった事無かったけど、家庭用の置き型もおもしれ~な!」って言ってたから、本當にゲームに沒頭してたのかもしれない。

そのまま、本土行きの船に乗っていく。

一応みんなで見送ろうと思って桟橋に集まった。メンテ3人組と紅葉ヶ丘さん、泉さんはラポルトに殘っている。

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そしたら、こんな偶然に出くわした。

依。依じゃないか?」

「えっ!? 小児科長(せんせい)!」

依の病院での師匠(メンター)、桜木秋桜子(しゅうおうし)先生だった。あ、この時面識があるのは依だけだよ。男くらい背が高くて、長い腳でスタスタ歩く人だ。

「‥‥‥‥『ふれあい験乗艦』か。無事だったんだな。ま、上の方からそれとなくは聞いていたが」

「桜木先生はやっぱり?」

「まほろ市民病院だよ。あそこの外科長が大學の先輩でね。常位胎盤早期剝離のアマリアがいるから、手伝えとな。こんな時勢に何考えてる、とも思ったがけた」

「それってオリシャさん、ですか?」

「そうだ。不詳の弟子の初めての患者。私が診なきゃだろ? それともうひとつ。れんげ海軍病院小児科の備品を盜んで返さないヤツがいる事が発覚したからだ。そいつはジャケット型の白とエプロンを借りたまま、『ふれあい験乗艦』なんてふざけたイベントに參加してしまった。そう、わざとだ。確信犯だ」

「そ、それは‥‥‥‥先生」

「あれを買う予算をぶんどるのに私がどれだけ苦労して、お歴々にびを売ったと思ってるんだ。『超記憶』のギフト持ちが、まさか『返すの忘れてました』とは言わんだろ。この島に來れば犯人に出くわすと思っていたが、まさかこんな早々に、とはな」

「ちょっとああ、ごめんなさい先生! これには深い訳が‥‥‥‥」

「ああ!? 訳? 言ってみろこの頓智気が! この年代の子はどうもいかん。笑顔振りまいて謝れば許されるとでも? 甘いな! どうせ自前で揃えるのケチったんだろが?」

「ごめんなさい。ごめんなさい」

「そのクセお前白プレイ大好きだもんな! ‥‥どうだ? 男子の前で白醫ムーブ! 楽しかったかあ? 楽しかったかあ!?」

「い、痛い! 痛い! あ~、わたしの築き上げた清楚キャラが‥‥‥‥」

ちょうどライドヒさんを見送る時と重なってしまった。まあ、乗ってた客が先に降りてきて、その後乗船するからタイミング重なるよね。みんなその醫さんと小突かれる依の方に注意が行っちゃった。

「‥‥‥‥はは、じゃ、オレ行くわ」

そう言ってライドヒさんは人込みの中に消えていった。苦笑いを浮かべてだけど、ちょっと大人の対応だった。最後にし見直した。

*****

その翌日、今日はよく晴れた日だった。もう8月も終わりだから、暑いながらも風が、気持ちいいじになっていた。

「城」って字、土偏に「る」で、「土からるもの」つまり土塁とか塹壕の事なんだって。子さんが言ってた。その文字みたいに地面を掘って土堀にして、除いた土で土塁を積み上げていく。これだけで結構立派な防護設備になる。形は橫広のUの字型。

僕らはそれに太(ひかり)重合(じゅうごう)する樹脂をかけて、さらに強度を上げていくよ。レーザー反拡散を持つ金屬元素もってるから、まるでDMTの裝甲みたいだ。機のDMTを使っての土木工事。小型ならともかく中型大型DMTでコレをやるのは、ちょっと贅沢な使い方だ。

まほろ市民病院から2キロ南。地平線が見渡せそうな広大な更地は10年前の古戦場で、激しい戦いがあった場所だ。かつてあった建築や地形はとうの昔に吹き飛んでる。

紘國が國立公園として整備する計畫があるらしいんだけど、今はそれどころじゃあない。

土塁作りがあらかたできてひと休み。僕らはここを、「陣地」と呼ぶことに決めた。

このガンジス島は、緯度的にはかなり南にある。確か紘國列島の一番南の島、いやく県と同じくらいだ。だから、亜熱帯と言ってもいいくらいの気候なんだよね。

僕らは、隔壁縦席(ヒステリコス)のハッチを空けて、その気持ちいい風を肺いっぱいに取り込んでいる。

本當に気持ちがいい。

この時は思わなかったな‥‥‥‥。この場所が、本當に戦爭の舞臺になるなんて。

※「やっと始まるか! 待たせやがって!」というそこのアナタ!! このクソ作者を信用しすぎでは!? (+_+)

ここまで、この作品を読んでいただき、本當にありがとうございます!!

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