《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第93話 布陣Ⅰ②

「さらにいた」

インカムに紅葉ヶ丘さんの聲。靜止衛星群(コンステレーション)を絶賛ハッキング中だ。味方のだけど。一ヵ月準備して「やっとできた」そうで、ITに強い人萬能説、ってあるけど、もはやツッコミする気も起きない。

敵艦隊、コンギラト條約機構軍にきがあったらしい。インカムからブリッジが慌ただしくなる気配。

「數が多いわ。想定を超えてきたわね」

渚さんがモニターを覗き込む。

「初手、アマリア港に行くかもしれないし、他の都市かもしれない。私達はとにかく、このまほろ市付近に潛伏する。」

とは、子さんの弁だ。

コンギラト條約機構軍は、大陸のツヌ國を含む「東方10國」で構される。その集積艦隊が、対ゼノス戦の後に大規模に砲撃してきた。

今回もこのガンジス島を標的にしている。今の所つける隙が無い紘國の守りに揺さぶりをかけたいから。

ただ、このまほろ市は10年前の「グラビトン・ウォーズ」で終戦條約が締結された「國際平和都市」だ。ここを本部にしてる平和団もあるって。この都市を攻撃するという事は「本格的に侵略戦爭をするぞ」っていうメッセージが強すぎて攻めてこないんじゃないかって子さんが。

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紘國軍もこの都市には駐留していない。「平和都市」が軍事力を嫌ったんだ。代わりに15km離れた場所にベースキャンプがあって、そこにまほろ市の守備隊が置かれてる。まほろ市って本當に、紘國と世界にとって平和の象徴みたいな街なんだって。

ラポルトの潛伏先は港の北東5キロほどの海の上。そこにいいじの巖礁があって。その地形に紛れる形で、敵の電索から逃れる隠蔽(コンシール)をしている。

先日作った、馬蹄形の「防陣地」。

ここはかなり広い。DMTが7機ってもまだ余裕がある。島の空がよく見えるし、かなり立派な陣地ができたよ。

そういえば子さん、こうも言っていたな。前回敵艦隊が一度引いたのは、僕と僕のバリアシールドが予想外に敵のビームを防いでしまったから、戦艦のエネルギーが払底したためじゃないかって。

ラポルトも含めて戦艦にも巨大な重子力エンジンが積まれている。だけどあんなに大きな戦艦だと消費するエネルギーも全高25mのDMTの比じゃない。(中型は15mだよ)

もちろん隨時発電してるんだけど、主砲発とか莫大なエネルギーを使う時は全個電池に蓄積された電力を使う。サリッサを使う時に予備回転が必要なように、重子力エンジンって便利だけど使い勝手が悪い部分も多いよね。立ち上がりの遅さとか、重量とか。

當然充電された電力がガクンと減っちゃうから、その後の作戦行が取りにくくなってしまう。――僕が大型BOTに負けそうになった時、ラポルトの主砲を使った時みたいに。

「ラポルトの全長は550m。これを宙に浮かせて、機させて、艦の設備をかしつつ主砲を撃つ。‥‥いざ戦闘となると電力がいくらあっても足りなくなるんだ。これから開発が進んで々改良できればいいんだけどね」

そんな理由で前回は敵艦隊の方から引いてくれたと、子さんは言っていた。

陣地の造を進める。僕はマジカルカレントを使わないように、電池で作業をしている。DMTの手をかしながら、みんなで雑談をしている。

「まさか、病院は狙わないよね~?」

「そうだよ。最初に病院なんか狙ったら完全に悪者じゃん? しかもまほろ市の。僕らがここに陣地作ったのは、萬が一のためだから」

「そ、そうだし。ポイント・カタフニアとかにも紘國軍がいるし」

「この前奪還されたアマリア港を取り返したいはずだよね? 敵は」

「まあ來たら來たで、パイセンと私で倒すっス」

「そだね。キルマーク増やしちゃおう!」

ここにいるのはいつもの5機。KRMの麻妃と僕、浜さんと桃山さん、來宮さんと初島さん。それに。

「君らナカナカ落ち著いてるねえ。上出來だ。うんうん」

「ちょっとコーラ。なんでそんな上から? みなさんごめんなさい」

コーラとソーラさん。ふたり(特にコーラ)はオリシャさんのガードが任務だからね。このくらいは手伝ってもらう。で、校の清掃みたいな雰囲気で作業を進めたら、もう防陣地が完して、ラポルトに帰投した。

ああ、渚さんの指示で、シートに砂をかけて衛星から見つからない様に偽裝して、からね。

*****

その日の午後。

「‥‥おかしいな。數が多い。集積艦隊に見慣れない艦がってる。紅葉ヶ丘學生。データこれで合ってるんだよね?」

インカムに聲。子さんが、全員に聞こえる設定で會話している。

僕らパイロットは、食堂に移して軽めの食事をとったり飲みを飲んだりしてる。あれ? いつもいる仲谷さんは? トイレかな?

「‥‥‥‥合ってるハズだよ。子學生。ダミー報じゃあない。レーダーの記録とも符合する」

「でもこんな足の遅い船を艦隊にれたら。舊式かしら。‥‥ほら、陣形崩れたわ」

「おかしいよ。渚學生。これじゃあコチラに撃ってくれ、と言わんばかりじゃあないか? あ? また増援だ」

附屬中3人娘はブリッジでこんな會話をしている。ガンジス島のはるか西の海上。敵後方艦隊の報だ。紅葉ヶ丘さんが敵方のドローンを1機ハッキング出來たから、ばれるまで向こうの映像が手にるそうで。

前回大規模曲砲撃をしてきたヤツラで、今回も注意が必要だ。

で、それが後段組織で、DMTを載せた前方部隊がいるのがセオリーなんだって。姿を隠してるけど。

「熱源と金屬反応! 來たよ。‥‥‥‥んん? あれ? ヤバ」

珍しく驚いたじの紅葉ヶ丘さんの聲だった。

いつもラポルトの周囲を哨戒してる見回りドローンを、まほろ市南部の荒野にこっそり蒔いてあって、隠蔽(コンシール)してる敵艦艇が近づくとわかるようにしてあった。――設置場所はもちろん附屬中3人娘が頭を捻って考えた場所だよ。

隠れて近づく敵艦は、レーダーにも衛星にも引っかからないし、學迷彩で眼でも見えにくくなってたりする。

だけど金屬反応と熱源だけはどうにもできないから、近接して盜りにいけばその報をキャッチできるんだよね。

「コンギラト條約機構軍の鋭のお出ましだ。や、島の各都市や紘國軍基地を押さえにきたな」

敵がついに攻めて來た! ここまでは予想できていた。東方10國が、ガンジス島のあちこちに同時侵攻してくるかもだ、と。

だけど、その後の紅葉ヶ丘さんのセリフで、不穏な空気が一気に広がった。

「‥‥‥‥後方にさらに艦隊がいるっぽい。DMT載せてる空中揚陸艦だ。」

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