《やり込んだ乙ゲームの悪役モブですが、斷罪は嫌なので真っ當に生きます【書籍大好評発売中&コミカライズ進行中】》

ある日、いつも通り書斎で調べに沒頭しているとドアが「ギィ」とし開いたことに気付いた。

だが、誰かがってくるわけではない。

し開いたドアの隙間から僕と同じ紫の瞳がじっとこちらを見つめている。

隠れているつもりだろうか?

だけど、完全に目が合ってしまった。

気づかないふりをしたほうがいいかな? 凄く警戒されている気がする。

「……にーちゃま、なにしているの?」

「調べだけど……一緒にするかい? メルディ」

「メルディ・バルディア」母上譲りの赤い髪と紫の瞳をした可い4歳になるの子だ。

「にーちゃま、いっしょにいてもおこらない……?」

「うん、怒らないよ。こっちにおいで、絵本読んであげようか?」

「ほんと‼ うそじゃない⁉」

メルディはドアを全開してこちらに走ってきた。

その目はとてもキラキラしている。

「噓じゃないよ。今から読もうか? でも、ドアを閉めてきてね」

「はーい」

メルディは嬉しそうにドアを閉めると、僕の近くに寄ってきた。

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僕がリッドの記憶を辿るとメルディとの悲しいやりとりが頭の中に蘇ってくる。

メルディが生まれた時はリッド自をときめかせながらとても可がっていた。

だが、母親であるナナリーが病気になるとやり場のない不安を周りに振りまいた。

子供なりに心を守るための行だったのかもしれない。

でも、その矛先はメルディにも向けられてしまった。

リッドはメルディが近寄るだけで怒鳴りつけていた。

メルディが母親のことを聞くと、リッドはメルディに手をだして暴力を振るってしまった。

ガルンやダナエ、他のメイド達も止めにったので幸い特に怪我もなかった。

この出來事は「子供の軽い喧嘩」として落ち著いた。

でも、この時を境に二人の心の距離は離れてしまったのだろう。

それ以來、食事の時間しかり二人は兄妹なのに出來る限り出會わないように家の者たちが気を使っていた。

「……メルディ、ごめんね」

「なにが~? あ、にーちゃま、おにわでおねんねしたらだめだよ」

「うん? メルディも知っていたのか。真似しちゃだめだよ」

「わたし、そんなことしないもん」

「そうだね、メルディは賢いものね」

「うん、わたしかしこいもん」

メルディは賢いと言われて、くすぐったそうにを揺らしてし笑っていた。

「あ、にーちゃま。わたしのことメルってよんでもいいよ~」

「……いいのかい?」

「うん、ははうえがいつもメルっていってくれるの。だから、にーちゃまもいいよ。とくべつだからね」

「わかった、特別だね。ありがとう」

僕はにこりと笑顔で返事をすると、メルはまたくすぐったそうに揺らして「えへへ」と笑っていた。

それから、しばらくメルに僕は絵本をずっと読んでいた。

まるで今までの罪滅ぼしのように。

どれぐらい時間がたったのか、絵本を読んでいたらメルが寢てしまった。

メイドを呼ぶと、し時間が経ってからドアがノックされる。

返事をするとダナエが小さい聲で「失禮します」と書斎にってきた。

ソファーに橫にされているメルが「スースー」寢息を立てている。

その姿に、ダナエがし驚いた表を見せたが、やがて優しく微笑んだ顔になる。

メルの寢顔は凄く可い。

誰でも微笑んでしまうと思う。

が「メルディ様、起きて歩けますか?」と聞くが返事はない。

思った以上にぐっすり寢ているようだ。

ダナエはメルを抱きかかえた。

僕が書斎のドアを開けると、彼は微笑みながら謝意を述べると退室した。

そのまま、彼はメルの部屋に向かった。

ダナエとすれ違う形で、ガルンがやって來ると怪訝な表を浮かべて僕を見ると言った。

「……メルディ様とご一緒だったのですか?」

「うん、書斎のドアがし開いたと思ったらメルが覗き込んでいてね。メルが寢るまで絵本を読んでいたよ」

僕の答えが予想外だったのか。

し目を見開いてから、やがて安堵したようにガルンは微笑んだ。

「それは、ようございました。これからも、メルディ様をよろしくお願い致します」

「當然だよ。僕の妹だからね」

以前の僕が、メルにどんな態度をしていたのかを知っているからだろう。

僕の返事にガルンはし驚いた表をしていた。

「……リッド様は庭で倒れられてから、し人が変わったようですね」

「え⁉ そ、そうかな? あんまり変わらないと思うけど」

平靜を裝っているが心、ドキドキが止まらない。

「さようでございますか。差し出がましいことを申しまして申し訳ありません」

「い、いやいや、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」

不審なじで會話してしまった。

ガルンは微笑んで一言「では、失禮いたします」と言うと、その場を後にした。

「ふぅ……びっくりした。今までの僕と比較したら、そう思われてもしょうがないのかな?」

僕は、母上が魔力枯渇癥を発癥すると心が荒んで誰彼構わず、あちこち當たりまわっていた。

その時の記憶は僕の中に殘っていた。

だからこそ、母上を必ず救ってみせると再度心に誓った僕は、書斎にまた籠った。

本作を読んでいただきましてありがとうございます!

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差支えなければブックマークや高評価を頂ければ幸いです。

評価ポイントはモチベーションに直結しております!

頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張る所存です。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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【その他】

※注意書き

攜帯機種により!、?、‼、⁉、など一部の記號が絵文字表示されることがあるようです。

投稿時に絵文字は一切使用しておりません。

絵文字表記される方は「攜帯アプリ」などで自変換されている可能もあります。

気になる方は変換機能をOFFするなどご確認をお願い致します。

こちらの件に関しては作者では対応致しかねますので恐れりますが予めご了承下さい。

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