《やり込んだ乙ゲームの悪役モブですが、斷罪は嫌なので真っ當に生きます【書籍大好評発売中&コミカライズ進行中】》魔力數値

「うーん、どうしたらいいかなぁ……」

僕はその日、ああでもない。

こうでもないと、屋敷の裏にある人目のつきにくい場所で悩んでいた。

考えていたのは「魔力の數値化」である。

ゲームで言うなら「MP數量」になるものだ。

サンドラの授業での中でいつもじていたことだが、「魔力量」というのが、あやふやなのが気になってしょうがない。

それに、母上に新しい薬を投與するとなると父上を説得しなければならない。

サンドラがいるから説得力はあると思う。

でも、さらにもう一押ししい。

うんうん、悩んでいると「ゴロゴロ……」と雷雲が空を覆い始めていた。

「雨降りそうだな、屋敷に戻るか」そう思った矢先に、土砂降りの雨が降り始めた。

あまりに急だったので屋敷にるのが間に合わずにずぶ濡れになってしまった。

屋敷に戻ると、僕のずぶ濡れ姿を見てメイド達が目を丸くする。

「アハハ……、濡れちゃった」

「キャー‼ リッド様、そのお姿だと風邪ひいてしまいます、すぐにタオルをお持ちします。あと、お風呂をすぐに準備致しましょう‼」

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屋敷にいたメイド達がバタバタ走り回る。

タオルでを拭いている間にお風呂の用意が出來たようで、すぐに案される。

「おお、久々のお風呂だ」として久しぶりお湯に浸かった。

「ふぅ~、気持ちいい」とつい呟いてしまうのはご敬だ。

「この世界だとお風呂は貴重だし高価だから遠慮していたけど、やっぱりいいなぁ」

お風呂に浸かりながら、雨に濡れて冷えたを溫める。

「それにしても、すごいお風呂だよな」

今回のお風呂は、なんと僕の部屋の中に設置されてある。

普段はタオルでを拭くことしかできないので屋敷に浴槽のある部屋がそもそもない。

なので、お風呂にるとなると持ち上げて移できる浴槽を部屋に持ってくるのだ。

もちろん、マットのようなものを置いて下が汚れないように工夫もしている。

「すごいよなぁ、このお風呂どれぐらいのお湯の量を使っているのかな」

両手でお風呂の中のお湯をすくい、顔を洗う。

そういえば、この世界の數値の規格って前世と変わらないのだよね。

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他國はどうか知らないが、マグノリア全土においての長さの単位は統一されている。

前世でも馴染み深い「メートル」である。さらに水量においては「リットル」である。

「不思議だけど、深く考えてもしょうがないしね」そんなことを考えている時に「ある閃き」が生まれる。

「そうか、これならいけるかも‼」

僕はお風呂から上がると、を拭いてすぐに著替えた。

そして、急いでガルンがいる場所をメイドに聞くと、その場所に移した。

「リッド様は、ライナー様のご子息、つまりバルディア領を継ぐお方です。いくら大人顔負けの知識をお持ちでもは6歳なのですぞ。もうし、おを大事になさってください。良いですね?」

「……はい。ごめんなさい」

ガルンは僕の顔を見るなり、「聞きました。雨でずぶ濡れになったそうですね」とお説教を食らったのだ。

彼の話は見事だった。

「ごめん。急いで試したいことがあってお願いしたいことがあるんだ」

「そうですか。ではまず私のお願いを聞いてください」

「うん、なに?」

「黙って、執事の苦言をお聞きれ下さい」

「……」

そんな流れで僕はいまガルンのお説教を聞いている。

でも、お風呂で閃いたことを試すためにはガルンの力が必要だ。

だから、説教も怖くない。そんなことを考えていると、ガルンが説教を止め、怪訝な顔で目を細めながら僕を「じーっと」見ていた。

「な、なにかな?」

「リッド様、私の話を聞いていませんでしたね?ではまた初めから……」

(ノォー‼)

それからしばらく、ガルンのお説教は続いた。

終わる頃には二度とずぶ濡れにならないようにしようと誓った。

お説教が終わるとすぐ、ガルンにある重要なお願いをした。

「水が1リットルだけるバケツがしい‼」

ガルンは僕のしがったバケツの意図がわからず不思議そうな顔をしたがすぐに、表を戻す。

「わかりました。屋敷に確かあったと思いますので、お部屋で々お待ちください」

「うん、ありがとう。じゃあ、部屋でおとなしく待っているね」

「おとなしく」という言葉にガルンは「しは通じたかな?」というじで顔を微笑ませると、バケツを用意するためにその場を後にした。

僕はガルンが來るまで部屋で本を読みながら待っていた。

しすると、部屋にガルンが「1リットルだけ水がるバケツ」を持ってきてくれた。

「ありがとう。すごく助かるよ」とお禮を言うと、ガルンは軽く頭を下げて部屋を出て行った。

「よし、やるぞ」

僕は気合をれると雨が止んだ外に出る。

もちろん、雨が降ってもすぐに雨宿りできる場所だ。

バケツを自分の足元に置くと、僕は魔力変換を行い、魔法を発させる。

その魔法はただ水が出るだけ。

水の魔法を使うには、水屬の素質が必要だがリッド君は全屬持ちなので問題ない。

魔法で出した水でバケツがいっぱいになると、それまでに魔法で自分が出した魔力の覚を思い返す。

もう一度同じことをするためにバケツの水を捨てる。

そして次は、また同じように魔法を発させるが今度はより明確にするために魔法名を設定する。

魔法名は1リットル。

その後、魔法1リットルを何度も練習して、ようやく「1リットルだけ水を出す魔法」を完させた。

言葉だけで言うと簡単に聞こえるが、決まった分量だけ正確に出すというのは案外難しい。

多くても、なくてもだめ。

何回やっても丁度になるように発できるようにする。

この世界にはないけど、蛇口をひねって水道の水を出す。

その水が1回で1リットル丁度になるように蛇口を締めるじだ。

やってみるとわかるが、1回だけの挑戦で丁度にするのは非常に難しい。

「よし。水魔法1リットルが完した。次は1リットルを10回発だ」

僕は、新たに完した水魔法を10回行う。

そして自分の中にある魔力がどの程度減ったのかという覚を摑もうとする。

そして、水魔法を再度10回使い、また覚を摑もうとする。

ひたすら同じことを繰り返す。そして、息切れするまで繰り返した。

「はぁはぁ、大分魔力を使ったな。でも自分の中で魔力量を摑めて來たぞ」

僕は次のステップに進む。

今まで摑んだ覚を數値化する。

つまり水魔法1リットルは魔力數値にして「1」であると仮定。

それを一度に10回したので減った魔力量をさらに「10」と仮定する。

そして減った時の覚を思い返す。

ちなみに、水魔法を完させてから発した回數は980回。

つまりこの計算方法だと僕の魔力量は980以上になるはずだ。

何度もしたが覚的に減った魔力量は一緒だった。

つまり、魔法ごとに使う魔力量は決まっており、何かしらの法則があるということだ。

僕はさらにこの覚を研ぎ澄まし、「特殊魔法」として創作を始める。

魔法名:「魔力測定」

効果:自分自と視界にる特定範囲の他者に宿る魔力量を數値化。

簡単だけどこんなじかな?

あとは魔法を使った回數、魔力が減った覚をしっかりとイメージする。

そして唱える。

「魔力測定」

……何も起こらないと思ったその時、頭の中に聲らしきものが響き數値がアナウンスされる。

(自:魔力數値80)

「うおお‼ 頭の中でなんか聞こえた‼ ……魔力數値80って言っていたよね?もう一回してみよう、魔力測定‼」

(自:魔力數値60)

「すげぇ、またちゃんと聞こえた。功したとみてよさそう。やってみるもんだなぁ‼」

でも魔力測定って一回に20使うのか。発ごとに水20リットル分の魔力を消費する。

ないのか、多いのかよくわからない。々試したいとは思ったけど、力がそろそろ限界だ。

「魔力數値も低いしもう限界だ……」

その日、僕は部屋に戻ると気付いたら寢てしまっていた。

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