《やり込んだ乙ゲームの悪役モブですが、斷罪は嫌なので真っ當に生きます【書籍大好評発売中&コミカライズ進行中】》ニキークとの繋がり
「ニキークさん、改めてよろしくお願い致します」
「おう、坊ちゃん、任せとけ」
僕はクリスの案で來た「ニキーク販売店」の店主であるニキークと今後のことについて々と話しをしていた。
まず、彼を通して「レナルーテ草」をバルディア領に仕れることになった。
その際は、魔力枯渇癥の特効薬の原料になるかも知れないという報の洩を防ぐために、僕達の間では「ルーテ草」と呼ぶことに決めた。
レナルーテ草は國だとメジャーだが、國外にはほとんど出ていない。
理由としては現狀の使い道が國における食用のみだからだ。
彼以外に、この「レナルーテ草」に魔力枯渇癥を予防している可能に気付いているのは今のところいない。
念のために、ニキークはレナルーテ國において、「ルーテ草」以外にも治療に使える可能のある薬草を再度確認を含めて探してくれるという。
他にも薬草を栽培する方法を研究してくれるということだった。
僕は思い切って「月草」についても栽培を依頼した。
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クリスは驚いていたが、ニキークは快く引きけてくれた。
栽培方法が確立できれば、バルディア領と連攜して將來的には莫大な利益を生む可能も十分にある。
必要な費用や資などはクリスティ商會を通せば大は話が通るようにしておくとも伝えた。
僕とニキークが話している橫で、クリスは手で目を覆いながら「はぁ……急いで、商會の支店を作らないと……」と呟いていた。
その時、あることを思い出した。
「そういえば、ニキークさんは、「ムクロジの実」って知りませんか?」
僕の言葉にニキークは目をし丸くして怪訝な表なり、低い聲で言った。
「……坊ちゃん。あんた、アレの存在も知っているのか」
「その言い方は知っているのですね?」
彼の言葉に僕は微笑みながら返事をした。
僕の表を見たニキークは呆れたような表になるとため息を吐いて言った。
「はぁ……ちょっと、待っていろ」
「ありがとうございます」
ニキークは立ち上がると、また店の出口にある陳列棚の所に向かって行った。
その時、クリスが怪訝な表で僕にそっと耳打ちをしてきた。
「……リッド様、『ムクロジの実』ってなんですか?」
「ふふ、僕よりもクリスやディアナがしがるかもね」
「私もしがるものですか? し興味がありますね」
僕がクリスにした返事はディアナにも聞こえていたようで、二人は顔を見合わせていた。
「坊ちゃん、待たせたな。とりあえずこれで良いか、確かめてくれ」
「はい。ありがとうございます」
僕は、ニキークが持ってきたその実を良く確かめる。
実は丸くて、表皮には皺があり小さい。
メモリーに見せてもらったものと同じだった。
あとは、実際に試してみるだけだ。
僕は、ニキークを見ると言った。
「水と桶を借りてもいいですか?」
「……坊ちゃんにはかなわねぇな」
ニキークは肩をすくめるとやれやれと言った様子で、水と桶を用意してくれた。
その様子にクリスとディアナは意図がわからずに首を傾げていた。
ニキークが用意してくれた水がった桶に、僕はムクロジの実をれてから水を掻き混ぜた。
しすると、どんどん泡が立ってきた。
ニキークは呆れた表で見ている。
泡立った桶を見ると僕は満面の笑みを浮かべて言った。
「やった‼ これは天然の石鹸なんだ。『ソープベリー』って名前で出せば良い商品になると思うけど、どうかな?」
僕は言い終えるとクリスとディアナに顔を向けた。
すると、クリスが目を輝かせて興した様子で言った。
「良いですよ、これは絶対に売れます‼」
「僭越ながら、私も個人用にししいですね……」
クリスが言い終えると、ディアナも興味津々の様子だった。
僕はとりあえず、ニキークが保有している「レナルーテ草」と「ムクロジの実」を買い取れる分はすべて買うことにした。
今後も、この二種類は継続的にクリスを通して購することを伝えるとニキークは、し嬉しそうな笑みを浮かべながら「……わかった」と頷いていた。
ニキークとの話し合いも終わり、僕達が店を出るとそこには魔の二匹が待っていた。
どうやら、店の中の匂いが嫌で外で待っていたらしい。
見送りに來てくれたニキークがその姿に驚いた様子で言った。
「こりゃ、魔の森でよく見かけていたシャドウクーガーとスライムの夫婦じゃねえか。最近見ないと思ったら、なんだってこんなところにいるんだ?」
「ああ、それはですね……」
僕はニキークにマレインの屋敷に行くまでの道中で彼らに出會ったことを説明した。
話を聞いてニキークはマレインに対して呆れた様子で呟いた。
「はぁ……國外では魔のペットが一部で流行っているとか聞いたが、マレインのやつが裏に居たのか」
「みたいですね。でも、マレインは失腳したようですし、今後はし落ち著くんじゃないですかね?」
僕とニキークが會話していると、彼らは僕の足元に寄ってきて頬をりつけている。
尾もピンと立っておりとても可いしぐさをしている。
その様子にニキークが微笑みながら言った。
「おお、坊ちゃん大分、懐かれているな。シャドウクーガーが人に懐くのも珍しいぞ」
「……そうなのですか? でも、殘念ながら連れて帰ることは出來ませんから、ニキークさんが良ければ魔の森に帰してあげてくれませんか?」
僕の言葉を聞いて、ニキークは頷いた。
「わかった。わしが今度、魔の森にいく時に連れて行こう」
「ありがとうございます」
ニキークの返事にお禮を言うと、僕はしゃがんで魔二匹と目線を合わせながら言った。
「ごめんね。本當は連れていけたらいいけど、さすがに父上もいるから僕が勝手に連れていくわけにはいかないんだ。君達は自分達の世界にお帰り」
貓サイズのシャドウクーガーは僕の言葉を聞くと、しシュンとしたような顔をして「ンン~」と鳴いた。
僕は、彼らの頭をでると立ち上がって、ニキークに別れの挨拶をしてその場を去った。
し離れてから振り返ると、魔二匹は僕をずっと見ている様子だった。
「可かったけど、勝手に連れて帰ったら父上が絶対に怒るだろうな」
僕はあの可い姿をメルや母上にも會わせたかったなと思っていた。
その時、ディアナがおもむろに言った。
「……あの魔達、リッド様にかなり懐いていましたからバルディア領まで追いかけて來るかもしれませんね」
「へ……? バルディア領に? さすがにそれはないと思うよ。距離がありすぎるしね。さて、それより今日はもう帰ろうか。朝からきっぱなしでさすがに疲れたよ」
レナルーテに滯在中にすることが多かったとはいえ、いくら何でも今日は忙しすぎた。
僕が疲れた表をすると、ディアナが釘をさすようにいった。
「はい。ライナー様に見つからずに戻らねばなりませんから、最後まで張をお持ちください」
僕はディアナの言葉に「ハッ」として、帰り道の間はずっと頭を抱えていた。
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