初めての投稿です。

拙い文章ですがよろしくお願いします。

「まさか。本當に二度目の人生が始まったの？」

さきほどまでかなり打ちのめされ、幽閉された薄汚く殺風景な塔の小部屋の中で後悔にさいなまれていたはずで、そんな中出された末な食事に紛れ込んでいた毒にやられ、苦しみ、を吐き、『これだけ苦しんだらみんなはわたしを許してくれるかしら？』と自嘲の笑みをうかべたのが最期…こと切れたはずだったのだが…

ようやく長い苦しみから解放され、気が付けば神ルーの目の前に立たされており、神の裁判がはじまった。

◇◇◇

『ガーディアン王國もと王妃、ファビア・エマ・ロンズディールね。待っていたわ。』

神ルーは白い布のようなものをに巻き付けており、神々しく輝いていて、その顔ははっきりとはわからないが、姿形は神そのもので、どうやらミラージュ大教會におわすルーの神像はあながちウソではないなと自分が裁判にかけられているにもかかわらず、ファビアは冷靜な気持ちでルーを見上げた。

どっちみち、自分は地獄に行く事になる。

そこでの試練に耐えられるかどうかなどわからないが、今まで自分がしてきたことを思えば、それが妥當なことに違いない。地獄に行くことで罪が償えるなら…行こうではないか。

『意外とさっぱりした顔をしているわね。あんな大罪を犯したにしては…。』

大罪という言葉がグサリと今はもうないはずの心臓の奧に突き刺さる。

『ほほほ。しはとまどいもあるようじゃない？名高い悪なのだからもうちょっと度があるものと思っていたけれど、とんだ勘違いかしら？つまらないわ。』

神は慈悲深い方だというのはもしかしてウソなのだろうかとファビアは心の中で獨りごちた。

どう見てもこの神は自分をいたぶっているではないか…。

『まぁいいわ。判決をしなければね。わたしはあなたみたいな悪は嫌いだから地獄に送りたいのよね。』

地獄か…。

あらためて神から地獄という言葉を聞くと、ズシリと心臓奧深くに矢をつきさされた気がしてしまう。

やはりここは

『判決！ファビア・エマ・ロンズディール、地獄送りに処す』

とか言われるのかしら…。

と、実のないをこすりながら考えていたときだった。

『けれど、ダメなのよ。』

『え？』

思わず聲がれた。

『あら、やっと聲を出したわね。なかなか魅力的な聲じゃない？その聲なら男をできそうね。』

はあ…

何なんだろう。この神は…。自分の中での神像がどんどん崩されていくわ…。

『あら、失禮ね。言っておくけど、勝手に神の偶像をつくっているのはあなたたち人間なんだからね。わたしだって神格（人格ならぬ）があるし、だってするのよ。』

どうやら、こちらの考えていることがわかるらしい。

それにしても神がをするかどうかなんて聞いてませんけど…。

どんどん神像がおかしなことになっていく…。

『あーやだわ。この子をもう一度現世に返さないといけないなんて…。』

『え？なんとおっしゃいました？』

『だからさっきから言ってるでしょう？あなたはまだ死ぬわけにいかないのよ。』

『は？』

地獄で半永久的に苦渋をなめ続けることを覚悟していたのに…何を言っているのだろう？この格の悪い神は。

『知らないわよ。決まってるのよ最初から。あなたには二度目の人生を與えるようにってね。』

『って…どういう意味ですか？』

『詳しくは教えるなって書いてあるの。だから言えないわ。とにかく、もう一度戻りなさい。さぁ行くのよ。』

『ちょっと待っ…！』

ファビアが聲をあげ、立ち上がろうとしたときにはぐるぐると視界が回り始めていた。

『さよなら。あなたが本當に人生を全うしたらここに來なさい。待ってるわ。地獄送りにされないように後悔しないように生きるのよ。わかった？』