《【完結】悪と呼ばれたもと王妃はもうも結婚もコリゴリなのです》お茶會〜かわいい姉妹たちと

ティナ皇は好奇心旺盛なタイプだなとファビアは分析する。

母君は北部のカンディアナ王國との國境近くにある小國の出でどちらかというとカンディアナ人に近い人種らしく、ガーディアン人と同じでとてもが白く、そういう意味ではファビアと同じようにミルアーでは目立つ容姿をしていた。

グレンダのところからルンルン気分で戻ってきたファビアは3日後のお茶にティナ皇からのいがあり、喜び勇んでやってきたのだ。

そこには第五皇のアナベルもいた。

アナベルは皇帝の子どもの中ではめずらしい純粋なミルアー貴族との間に産まれた人で、そういう意味では第六皇子のアーグフルトと同じだった。

ふたりとも14歳らしい。

ファビアからみたら実年齢的にも妹みたなものではあるが、実際に生きている年齢から行くと、娘みたいなものかしらねと思った。

2人ともまだく、きゃぴきゃぴと令息たちの噂話に花をさかせている。

「わたしこの間マグゴルド卿に助けていただいたんだけれど、すごく板があつくってきゃーってなっちゃった。」

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「あら、なぜあなただけ?わたしもその場にいたかった。」

「いいでしょう。」

マグゴルド卿というのはイケメンでとおっているミルアー騎士団の剣士だ。腕もよく令嬢からの人気を一けているらしい。

「ファビアお姉さまもあんなも涙もないお兄様なんてやめて、一度騎士団の見學に行きませんこと?」

「え?」

「あら、そんなことしたらお兄様が嫉妬に狂うからダメよ。」

「そうかしら?」

「そうに決まってるわ。だってお兄様ファビアお姉さまにべたぼれだもの。」

「あのお兄様がねぇ…。」

「だって…」

そしてそこで2人の聲が小さくなる。

「皇后陛下がお兄様の弱みを握ったってほくそ笑んでいるとみんな言っているわ。ファビアお姉さまご注意なさいませ。」

う…。

弱みかぁ…。

だから今だってわたしのうしろに控えているリンジーを付けてくれたんだけど…。

けれど特に襲われたりとか、の危険をじたこともないんだけどなぁ…。

「そうだわ。お二人にお聞きしたいのですけれど、皇帝陛下はお手紙をよくくださるものなのですか?」

「この間の晩餐の時のことを言っているのね?あれは全部皇后陛下のせいなのよ。」

「え?」

2人が顔を見合わせている。

「あの晩餐でほかの妃のことを話すと皇后陛下の機嫌が悪くなるから、皇帝陛下は最小限の事しか言わないの。」

「はぁ…。」

「だから、詳細の指示については全部手紙でくるのよ。」

なんとまぁ…。

ならば個別に呼べばいいものを…。

「あの2人もよくわからないのよね。それならば最初から個別に呼ぶとか手紙にするとかすればいいのにと思うけど、皇帝陛下が第六皇子以外の子どもになさることを皇后陛下が知っていないとまたそれはそれでお怒りになるそうよ。」

へぇ…。

なんというか…。

面倒な人ってことかしら?

まぁ夫があれだけいろんなを妃にしているのだからそれくらいしないとやってられないのかもしれないけれど…。

それにしてもその皇后の意見を尊重している皇帝陛下も皇后陛下を無下にはしていないという証拠よね。

これだけ多くの妃を持ってもそれなりにやっていけているのは実は皇帝陛下の気遣いがあるのかもしれない。

先日のお母さまへのお手紙を見てもそれはわかる。

きっとほかの妃にもずっと気を遣われているのだわ。

「皇帝陛下は皇后陛下を大事になされているということですね。」

ファビアが言うと2人が顔を見合わせた。

「まぁそうだけれど。それでもやはり皇太子の座は第六皇子につかせたいとずっと皇帝陛下に渉なされているようだけれど、それだけは絶対に首を縦に振らないのよね。皇帝陛下も。」

「そうそう。お兄様しかダメだとおっしゃるそうよ。」

そうなのか…。

そこにどういう理由があるのか…。

けれどディエゴひいき目のファビアが見ても、皇帝の子どもたちの中で將來皇帝としての適正が一番あるのはディエゴだと思う。

第五皇子のイアンはディエゴが戦爭に出ている間の皇太子としての雑務をすべてこなされており、それなりに何でもできる人ではあるが、何といおうか…ディエゴにはあるカリスマのようなものがなかった。

ファビアはここに來てから毎日宮殿を観察しに足を運んでいたが、その際ディエゴのことはどの職員も尊敬の念を持って接していることがわかった。それにひきかえイアン皇子のはうすく、どちらかというと縁の下の力持ちというじだ。

第四皇子のゲイリーはが弱く、もうすぐ神になられるらしいという噂だ。政治の表舞臺にはほとんど顔を出さないらしい。晩餐の時もあまり召し上がらない。

それに第六皇子はあんなだし。

あんなというのも…

もう話しかけるなと言っておきながら、常にファビアのことを見張っているらしく、何かというと向こうからからんでくるのは今も同じで、薬草學にはおそろしい能力を発揮されるようだが、政治には特に興味はなさそうに見えた。

皇后はアーグフルトをなんとか皇太子にしたいのだろうが、なかなか本人はどう思っているのやら…といったかんじである。

「あ、そうだわ。帝國の建國記念日のドレスはもう決めた?」

「わたしはいつものとおりミラジェの洋裝店に頼むわ。」

「あら、今の流行はラピス洋裝店よ。」

「え?うそ。」

ん?何それ?

「あの…建國記念日とは?」

「まあ、ファビアお姉さまお聞きにはなっておりませんの?」

2人があきれたとばかりに扇で口をかくす。

「お兄様ったら何も言わずに…。」

「けれど、お兄様、戦地から戻れるかわからないわよ。」

「そうねぇ…。その場合どうされるおつもりかしら?」

2人が顔を見合わせている。

どうやら、帝國の建國記念日、6月6日に大舞踏會があるらしいのだ。

その1週間前から帝國はお祭りムードになり、大舞踏會で締めくくられる。

ファビアはまだ婚約者であるが、ふつうは婚約者としてお披目されるはずだとのこと。

何も聞かされてないわ。わたし。

ドレスも…どうしたらいいのかしら?

「イアンお兄様が今ディエゴお兄様の代行をされているのだからイアンお兄様に聞くのがいいのではなくて?」

「そうねぇ。それしかないかもねぇ…。」

仕方がないイアン皇子に聞くとするか…。

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