《【完結】悪と呼ばれたもと王妃はもうも結婚もコリゴリなのです》モニカ・オルコットと。

「ねぇ。モニカ様。モニカ様はジャック様が他のを好きだったらって考えたことない?」

今日はモニカと単獨お茶會だ。

あれ以來仲良くなり時々宮殿にも招いている。

「あら。そんなの考えても仕方なくってよ。ジャックが好きになっちゃったら仕方ないわ。そのときは好きにしろって追い出してやるわよ。」

一度お茶會にジャックが迎えに來たことがあるが、すごく仲良しでうらやましい限りだった。

「まぁでもわたくしだって他の人好きになるかもしれないじゃない?だからお互い様よ。今お互いに好きだってわかってるだけでいいじゃない?」

モニカらしい答えだと思う。

今を生きる…。

「ファビア様の場合は、相手が皇太子殿下だから、妃殿下もたくさん娶られるかもしれないものね。そのへん辛いと思うわ。わたくしなら無理。」

そうよね。わたしもほんとは無理なんだけど…。

「そうよね…やっぱり…」

「ファビア様。もしかしてダイアナ様のことで何かあった?」

「え?」

どうやら勘が鋭いようだ。

「うーん…まあ。」

……だまってたってしょうがないか…

聞いてもらおう。

「ダイアナ嬢がミルアーミラージュ大教會の管理を任されているのよ。」

「ああ。そうね。それで噂が立ったのだわ。もうまもなく婚約だと。いつまで経っても婚約はされなかったけれどね。」

「その管理権をわたくしに返すよう言ったら、ディエゴ殿下から頼まれているのだから直接言われないと返さないと言われたわ。」

「え?ま、まあ。彼もなかなかの強者ね。」

珍しくモニカの目が見開かれている。

「わたくしは殿下からその話を聞かされていなくってね。し悩んでいるの。」

あの日も夜ディエゴは寢る前にやってきたけれど、相変わらず額にキスだけして自室に戻っていく。

手を出そうとしないのはわたしのことをそんなに好きじゃないのじゃないかって…

実は後悔してるのかもって…

思ってしまう。

ミラージュ大教會に行ったと告げたにもかかわらずダイアナの話はこれっぽっちもしないし。

どうしたらいいのかしら…。

「まあでも男なんてそんなものよ。」

「え?」

「自分がミラージュ大教會の管理をダイアナ様に命じたことすら忘れていらっしゃるのかもしれないということ。」

「まさか。」

「戦うことが仕事の方だからなおさらよ。」

「そんなものかしらね…」

「ええ。直接お聞きになるしかないわ。ファビア様は得意でしょう?」

クスッとモニカは笑った。

「わたしたち似ていますもの。」

「そうね。」

當たって砕けろ…ってことよね…。

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