《社畜と哀しい令嬢》夢うつつ

本日2回目の更新です

「し、死ぬ……」

智子はバタリとベッドに倒れた。

玲奈と繋がらなくなって一週間が経過した。

その間も無に仕事は重なり、この四日間は始発の終電コースである。

仕事だから仕方ないものの、玲奈の事は気になる。23時からはストレンジTVを起してイヤホンで対応していた。

しかし、やはり玲奈とは繋がらなかった。

(これはもう何かあったと判斷していいよね)

玲奈が自分から智子と連絡を絶ったとは思えない。仮に連絡を斷つなら、彼ならば事前に連絡をくれるはずだ。

「ううう……なんでこんな忙しい時に……!」

どうにかしたいが思考が完全に死んでおり、何も考えられない。

あまりの報量に完全に脳みそのハードディスクがエラーを起こしているのだ。

11連勤を経て、明日はなんとか休みを手にれた。

「とりあえず寢よう。寢ないと頭がまわらん」

ふ、と目を閉じた一瞬で智子は夢の中にわれた。

ーーーーーーーーーー

(あれ、ここどこだろう)

智子は気がつくとどこかの部屋に浮かんでいた。

そう、浮かんでいるのだ。

(私なにをしてたっけ……あ、寢てたんだ。夢かこれ)

早々に納得して浮遊を楽しみながら部屋を見渡してふと思う。どこか、見覚えのある部屋だ。

(あ、ここ玲奈ちゃんの部屋だ)

本棚と機、ベッドしかない簡素な部屋は、間違いなく玲奈のものだ。ストレンジTVを通して見てきたから間違いない。

しかし部屋の主人である玲奈はいないようだ。

(観てた時も思ってたけど本當に何もない部屋だなあ)

唯一ある裝飾と言えば、機にある沙耶との寫真だけ。難しい參考書や書籍を見ても、子供の部屋とは思えなかった。

キョロキョロと悲しい気持ちで部屋を見ていると、急に扉が開いた。

ってきたのは玲奈だ。

(わ! 玲奈ちゃんだ! あー可いよー癒しだよー! でもなんか元気がない…)

靜かにってきた玲奈は、どこかぼんやりとしている。

椅子に座るとゆったりと教科書を取り出して勉強を始めた。

しかしやはりきが緩慢で覇気がない。

智子は心配になって後ろから玲奈に近付いた。

『玲奈ちゃん、また無理してるの?』

智子は思わず玲奈を抱き締めて頭をでた。もちろん、実際にはれていないのだが。

『玲奈ちゃん、待ってて。もうすぐ會えるかもしれない』

そう呟いた時、玲奈は引き出しからぐちゃぐちゃに割れた端末を取り出した。

「憲人さま……智子さん……」

修復が無理だろう端末に雫がパタリパタリと落ちる。

玲奈が泣くことは殆ど無い。我慢する事に慣れた彼が泣くのは余程の時だ。

(なにこれ……誰かに割られたの? どうりで繋がらないはずだわ……)

智子と玲奈を繋ぐのはこの不思議な端末だけだ。それを失っては連絡が取れない。

犯人はどうせあの3人の誰かだろう。

潰れない玲奈に苛立ったのだろうか。

智子は怒りに震えた。

なぜ玲奈がここまでげられなければならない。

こんなにも懸命に生きている子供をなぜ誰も守らない。

『ふざけるな! もう知らない! 玲奈ちゃんは私がもらう!!』

金持ちがなんだ。

警察がなんだ。

誰も玲奈を助けないのなら、いらないのなら私がもらう。

智子は瞳を燃やして決意した。

『絶対に許さん! 全員ぶっ潰してやる!』

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