《社畜と哀しい令嬢》宮森雅紀
2話連続投稿してます。
「雅紀様、矢野社長より今後の取引について考え直したいとご連絡がありました」
「……分かった」
「あの、どのように対処いたしましょうか……」
「任せる」
「ですがこれでもう何社目か分かりません。幹部の者達が直接會社を訪問して説得しておりますが、結果は芳しくありません。なにかしなければ……」
「言い訳をするな! とにかく全ての會社を説得してこい!!それができないならそれ以上の取引先を見つけて來い!」
おどおどと聲をかけた書の高崎に雅紀は聲を荒げた。
顔を青くして退出する高崎を睨みつけながら、雅紀は拳をデスクに叩きつける。
「クソ!」
鷹司家が“宮森家と今後かかわらない”事を宣言して二ヶ月が経った。
それは“宮森グループと関わる全ての企業と関わらない”事を意味した。
鷹司一族は元は華族である。
それも公爵家に由來し、鷹司一族は財界のみならず政界にも強力な影響力があった。
宮森家は雅紀の祖父の代で金融業界で頭角を現し富を得たが、鷹司一族から見れば新參者の若造である。
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鷹司一族が過去のとなり徐々に衰退しているならばともかく、今もなお國外問わず勢力を拡大し続けている化け一族とあっては、雅紀に勝ち目は無かった。
現に玲奈が鷹司憲人と婚約を結んだ際、かなり大口の取引先との提攜が次々に決まっていった。
それが婚約が破棄され鷹司家が関わらないと宣言した途端、彼らは簡単に宮森グループから手を引いていった。
それだけではない。昔から馴染みの深い取引先も、ここのところ反応が芳しくない。
加えて、雅紀が焦りと怒りを抱いている理由はそれだけでは無かった。
三條家に養子にやった玲奈と鷹司憲人が再び婚約を結んだ事が正式に発表されたのだ。
舊華族の鷹司家當主の孫と、三條家當主の孫の婚姻は祝福された。
元々玲奈と鷹司憲人の仲の良さは、広く知れ渡っていた。
それが宮森家によって二人が引き裂かれ、鷹司憲人がを持って玲奈を救った、という噂が広がり、雅紀の立場はますます悪くなった。
結婚前に織と里をパーティーに連れて行ったこともそれに起因していた。
『宮森の人とその子供は、我が顔でパーティーを荒らして、嫌がる鷹司家にり寄っていた。宮森の當主は正妻の子を捨てたつもりで、実際にはげ続けた娘に捨てられた慘めな男である』
最初にその噂を耳にした時、怒りで脳が沸騰しそうになった雅紀だが、その時になってようやく周囲の冷めた視線に気付いたのだ。
だが気付いたところで雅紀に名譽挽回の余地は無かった。
雅紀が沙耶や玲奈を疎み、蔑ろにしていた事は周知の事実だ。
表面上は取り繕ってはいたが、薄っぺらな氷層の下を隠すことなく、真実のの方が大事だと嘯いたのは雅紀本人である。
「なんでこうなったんだ!悪いのは俺じゃない!!俺じゃない!!」
デスクの上にあるものを全て壁に叩きつけて雅紀はんだ。
「あああああああ!!!」
投げるものが無くなると今度は壁に拳を何度も叩きつける。
雅紀は生まれて初めて味わった大きな挫折に混し、怒りを抑えられなかった。
會社ではれ替わるように幹部連中が雅紀の部屋に訪れては指示を仰ぎ、家では荒れる里と雅紀を責める織の相手をする。
そう。してやまない織は雅紀を支えることもなく責めた。
“どうしてもっと早くに帰ってきてくれないの?”
“どうして里と鷹司憲人の婚約ができないの?”
どれだけ大変な狀況にあるかを説明しても決して理解しようとはしなかった。
そして最の娘である里は、玲奈と鷹司憲人との婚約を知って発した。
“許さない許さない許さない!!どうしてよお父様!!なんであいつか憲人様と婚約するのよ!!”
“殺してやる!!あいつなんか殺してやる!!”
かつてらしく笑っていた顔が噓のように醜く歪んだ娘の姿に雅紀は狼狽した。
目の前で泣きぶのが本當に自分の子なのかと疑った。
織はどうして、こんな里を見ても顔を変えることなく雅紀だけを見て、雅紀だけを責めるのか理解できなかった。
玲奈を追い出したあの日から、全てがうまくいくはずだった。
する妻とする娘と共に幸福な人生が始まるはずだった。
なのに、なにがいけなかったんだ、と雅紀はぶ。
ひとしきりんで、一つの結論に達した。
「玲奈を連れ戻せばいいんだ」
荒れた室で、小さな呟きが響いた。
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