《腐男子先生!!!!!》95「やばい、運命のかも。比翼連理かも」

「委員長~!」

今日も今日とて朝から文化祭の打ち合わせをしていた朱葉が、教室にるなり都築に手を振られた。

「結果でたよー!」

ひらひらと紙束を見せてくる都築の元に朱葉が歩いていって尋ねる。

「結局なんになったの?」

文化祭の出しについてクラス投票を行っていたのだった。細かい數字を出すまでもなく、はっきり結果が出たらしい。

「コスプレ喫茶圧勝! 結構いろんな意見も集まったから見ておいてよ」

「へえ……」

朱葉自にはこれがいいというこだわりがなかった。変に票が割れなかったのなら、何よりだろう。

男子からのコメントには、メイド服や、水著なんていう際どいものも多い。それはコスプレではない、と朱葉は思う。

都築くんはどんなのしたいの? と聞けば、ポーズを決めながら都築が言う。

「俺としてはやっぱりホスト系? ナンバーワンになっちゃう? シャンパンタワーでアゲアゲタイムしちゃう?」

あまりに似合いすぎる言葉に朱葉が眉を寄せる。

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「それ子は何するの? ホステスさせないでよ」

子もホストするとか」

「男裝か……ちょっと悪くないけど……」

ホストクラブは先生の許可がおりなさそう、というのが朱葉の正直な考えだった。ただでさえ都築は生徒指導のけが悪いし、無理をして押し切るところでもあるまい。

「委員長なんかある?」

問われて朱葉はちょっと考えて。

「………………ゾンビとか?」

出來るだけ一般向けを意識した提案などをしてみる。「おっいいじゃーん」と都築も乗り気だ。

「メイク俺、詳しい奴知ってるよ~。でも隣のクラスがお化け屋敷やるらしいんだよな~あんまりかぶるのもちょっとな」

その言葉につくづくよく考えているなぁと朱葉は心してしまう。

「喫茶だしね。ゾンビ喫茶は飲食の提供難しそうだよね。確か、教室だと簡単な軽食しか出せないはずだし……。あ、そういう意味じゃ、これ、いいんじゃない?」

投票の中から選んだ一枚には、コスプレ喫茶への投票とは別に、

『チャイナ服とか著た~い! 家に茶がいっぱいあるので貸し出しも出來ます♡』と書いてあった。

「簡単なお菓子と中國茶ならけもいいんじゃないかな? 男子はうーん……カンフー服とかになっちゃうけど……」

「え、男子もチャイナ服著ちゃってもいいんじゃ? スリットいれちゃって扇子振る?」

「なんか混ざってるよ。そこは任せる。男子の方は都築くんがまとめて」

やりたいというなら止めはしない。

じゃあ今週のホームルームで……とまとめようとしたけれど。

「ねえねえ」

ニコニコと笑って都築が言った。

「せっかくだから、俺やりたいことあるんだけど、いい?」

そして放課後の職員室。

日誌を出しながら、出しについて聞かれたので朱葉が桐生に報告をした。

「──中國喫茶と占いの館?」

朱葉の言葉にいぶかしげに桐生が言う。

「なんだその……なんだその……」

言葉を選んだまま、職員室ということもあってか桐生は言葉を濁した。サブカル子みたいな、とか言いたかったのか。はたまたもうちょっと言葉を選ばない発言をしようとしたのか。

「ちなみに占いの館は都築くんの希です」

「あいつそういう才能もあるのか」

占い専門だそうです」

「圧倒的に信用出來ない」

それな、と朱葉も頷く。

「ただ相談したいだけかなと思うんですけど」

くやしいかな、手軽でウケそうな気がするんですよね……。と朱葉が言う。

飲食を売りにするわけでもないから安全だし、中國とは何の関係もないけれど、おみくじなどつくれば気軽に楽しんでもらえることだろう。

もちろん、都築のその技は、ただの、數ある彼のモテテクのひとつでしかないのだろうが。

「ちなみにわたしも手相見られました」

手のひらを見せて朱葉が言うと、桐生はしだけ、苦みをにじませる表をして。

「……どうかと思いますよ」

早乙くん、と咎めるような言葉。

「カリスマ線があるって言われました」

「あたってる……」

「あたってないです」

いきなり手のひらを返した桐生を切り捨てて。

「まあ、都築くん曰く、結構あたるサイトがあるそうなんですよ。それをつかってやれば、自分以外も占いのテーブルをつくれるんじゃないかって。先生今パソコン見られます?」

「ああ」

職員室のデスクの上には、桐生の私ではないパソコンが置いてあり、そこのブラウザから、都築が教えてくれたサイトを開く。

「この……このサイトで……」

出てきたサイトは相占いで、生年月日をいれるだけの簡単なものだ。

「…………」

「…………」

桐生が無言で、何かの生年月日をいれ、朱葉も無言で見守る。

一瞬で出た結果を、また無言で黙読する。

──最初はお互いを認めることができず、もめごとがあり、傷つけ合う相です。

──しかし、いつしかお互いの欠點を補い合うような無二の関係となり、自分の分であるようにじるでしょう。

「あたってる……」

「めっちゃあたってる……」

やばい、運命のかも。比翼連理かも。と桐生が呟く。腐子すぐ比翼連理のたとえを出す。

自分の話ではない。

推しと推しの相である。

これ以上は職員室ではやばい。

それではとそそくさと職員室をあとにして、朱葉は思う。

(そういえば、先生の、誕生日っていつなんだろうな)

季節はもうすぐ秋の盛りで。

葉っぱが朱くづく頃に生まれた、朱葉の誕生日が、近づいていた。

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ゆるゆるっと続いていきますぞ。

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