《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》11

15歳ほどになれば親とさほど変わらない長になるはず…だが、クーリアはまだフィーリヤに屆いていなかった。風呂場に椅子はない。仕方なく、フィーリヤは床に座った。

「ママ、そこまでしなくても…」

「いいじゃない。久しぶりなんだから」

そう言われてしまっては、やるしかない。クーリアはフィーリヤの髪を丁寧に洗っていった。

「クーはもうちょっと食べないと」

「ちゃんと食べてるもん」

なのに長はあまりびていない。サラにも長で越される始末だ。

……的な部分も。

「はい。出來たよ」

フィーリヤも洗い終わり、クーリアと共に湯船に浸かる。

「ふわぁ~…」

「気持ちいいわねぇ」

そのまましばらく談笑しながら、夜は更けていった。

「おやすみなさい」

「ええ、おやすみ」

クーリアはフィーリヤと別れ、自分の部屋へとっていった。今日くらい家族と寢てもいいような気はするが…フェルナスが酒を飲んでいたのだ。そのためクーリアはやめた。フィーリヤは流石に夜も自の夫をほっとく訳にはいかないので、クーリアと別れたのだった。

の部屋にり、クーリアは一目散にクローゼットを開ける。

「うわぁー…増えてる」

部屋に備え付けられたクローゼットの中を見て、思わずそう吹く。以前見た時よりも明らかに収納されている服が増えていた。

………しかも、どれも高そうなもの。無論それら全て、フェルナスがクーリアにと買ったものだ。

パタンっとクローゼットの扉を閉めて、クーリアはベットに潛り込んだ。

「…見なかったことに」

そう言って、クーリアは夢の中へと墮ちていった。

◆◆◆

次の日、クーリアが起きて制服に著替えていると、ふと鏡の中の自の姿が目にった。

「誰に似たのかなぁ…」

青みがかった銀髪に青の瞳。だが、し両目のが違う。右目は深い青。左目は…薄い青をしている。

両目でが違うのは、貴族の間では不吉だと言われている。そのため、クーリアは前の父親から気味悪がられていた。

……もちろん、不吉だなんてただの迷信でしかないのだが。

しばらく鏡を眺めた後、クーリアは部屋を出て、家族と共に食事を食べた。

「仕事やりたくない…家族との時間がしい…」

「パパ、頑張って」

食事中、ぶつぶつとそうつぶやくフェルナスを、クーリアが勵ました。最近フェルナスは仕事が忙しいらしい。

「うぅー、クーリア!」

「うわぁ!ちょ、待って!」

泣きながら抱きついてきたフェルナスに、食事を食べていたクーリアは大慌てだ。

「はいはい。フェルもそんなことしてないで早く行きなさい」

その景を見かねたのか、フィーリヤがそう言った。そうしてようやく、フェルナスは渋々といった様子で仕事に出かけていった。

「はぁ…」

「ふふっ。クーも大変ね」

心底面白そうにフィーリヤがそう言う。

「嬉しいけど…もうちょっと控えてしい」

「それを言ったら絶対悲しむわね」

だよねぇー…はぁ…まぁいっか。

クーリアもなんだかんだ言って、フェルナスが好きなのだ。渋々、でもし嬉しそうに、クーリアはフェルナスを説得することを諦めたのだった。

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