《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》19
「キャー!緋の騎士様がこっちにきたわよー!!」
どこからともなく甲高いの聲が聞こえた。ふとクーリア達が視線をスクリーンに移すと、どうやらこの観客席に向かってきているようだ。
「ねぇ…もしかして、もしかしなくても…ここに來る理由って…」
「うん…多分私」
サラの確認をクーリアが肯定する。
「…逃げる?」
ここで注目を集めてしまうと、何かと面倒なのだ。ここには爵位の高い令嬢も多い。彼らから睨まれる結果となるのは目に見えていたからだ。
「…サラはむしろ、絡まれたほうがいいんじゃない?」
「……クー、ちょっとあなたも教(・)育(・)しようか?」
サラがニッコリと微笑み、拳を握りしめる。
「イエ、ケッコウデス…」
サラの教育…先程イルミーナがけていたものだ。さすがにサラも本気でクーリアにそれをするつもりは無い……はずだ。
「ねぇ、どうして絡まれたほうがいいの?」
「あー、それはねぇー…」
「クー、ダメ!」
サラが大聲でクーリアの聲をかき消した。ついでにクーリアの口も手で塞いだ。
「むごむご…」
「(クー、ほんとにやめて!)」
小聲でクーリアに囁く。それを聞いて、クーリアはコクコクと頷いた。
「ぷはぁ…ふふっ。じゃあ後で食事奢って?」
「うぅ…分かった」
所謂口止め料である。クーリアもそこまでお金には困っていないのだが、払わないに越したことはない。
「え?え?教えてくれないの?」
「ごめんね、言えないや」
「うー!知りたい!」
イルミーナが駄々をこねるが、クーリアはサラに言うなと言われたので、教えることができない。
……元々クーリアはふざけていただけだったので、教える気などこれっぽっちも無かったのだが。つまり、サラはクーリアにまんまと騙され、無駄な口止め料をとられてしまったということだった。
「「「キャー!!」」」
突然甲高い聲が観客席に響く。
聲の先にいたのは……
「あ…もう來ちゃった」
緋の騎士。クーリアの兄だった。
クーリアの兄は観客席にった途端に令嬢に囲まれ、きが取れなくなってしまったようだ。
「クー、どうする?」
「うーん…」
クーリアがこのまま人知れずその場を後にするか悩んでいるうちに、だんだんと人だかりが近づいてくる。どうやら囲まれたまま進んできているようだ。
「あ、クー!」
そしてとうとう、見つかってしまった。ただでさえクーリアは目立つ容姿をしているのに、大聲で名前を呼び手を振るもんだから、一斉にクーリアへと視線が集まる。まったく迷なものである。
「お、お兄ちゃん…」
おいでおいでと手招きされ、クーリアは仕方なく兄たちの方へと向かって行った。
婚約者が浮気したので、私も浮気しますね♪
皆様ご機嫌よう、私はマグリット王國侯爵家序列第3位ドラクル家が長女、ミスト=レイン=ドラクルと申します。 ようこそお越しくださいました。早速ですが聞いてくださいますか? 私には婚約者がいるのですが、その方はマグリット王國侯爵家序列7位のコンロイ家の長男のダニエル=コンロイ様とおっしゃいます。 その方が何と、學園に入學していらっしゃった下級生と浮気をしているという話しを聞きましたの。 ええ、本當に大変な事でございますわ。 ですから私、報復を兼ねて好きなように生きることに決めましたのよ。 手始めに、私も浮気をしてみようと思います。と言ってもプラトニックですし、私の片思いなのですけれどもね。 ああ、あとこれは面白い話しなんですけれども。 私ってばどうやらダニエル様の浮気相手をいじめているらしいんです。そんな暇なんてありませんのに面白い話しですよね。 所詮は 悪w役w令w嬢w というものでございますわ。 これも報復として実際にいじめてみたらさぞかしおもしろいことになりそうですわ。 ああ本當に、ただ家の義務で婚約していた時期から比べましたら、これからの人生面白おかしくなりそうで結構なことですわ。
8 170星乙女の天秤~夫に浮気されたので調停を申し立てた人妻が幸せになるお話~
■電子書籍化されました レーベル:アマゾナイトノベルズ 発売日:2021年2月25日(1巻)、4月22日(2巻) (こちらに投稿している部分は「第一章」として1巻に収録されています) 夫に浮気され、結婚記念日を獨りで過ごしていた林原梓と、見た目は極道の変わり者弁護士桐木敬也が、些細なきっかけで出會って、夫とその不倫相手に離婚調停を申し立て、慰謝料請求するお話。 どう見ても極道です。本當にありがとうございました。 不倫・離婚がテーマではありますが、中身は少女漫畫テイストです。 ■表紙は八魂さま(Twitter→@yadamaxxxxx)に描いて頂きました。キラキラ! →2021/02/08 井笠令子さま(Twitter→@zuborapin)がタイトルロゴを作ってくださいました。八魂さまに調整して頂き、表紙に使わせて頂きました~ ■他サイトに続編を掲載しています。下記をご參照ください。 (この作品は、小説家になろうにも掲載しています。また、この作品を第一章とした作品をムーンライトノベルズおよびエブリスタに掲載しています) 初出・小説家になろう
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