《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》22
クーリア達が次に転移された場所は、巖場だった。
「また厄介な場所ね…」
巖場は隠れられる場所が多く、高低差がある。そのため上からフラッグが攻撃されることがあるが、待ち伏せもしやすい。
攻めと守り。両方不利なのだ。
「クー、いける?」
「大丈夫。フラッグの場所は把握したから」
もう既にクーリアはフラッグの位置を特定し、防魔法をかけていた。普通はここまでの速さで防が整うことはないだろう。
「ありがと。じゃあここは任せるね」
「うん。行ってらっしゃい」
サラ達が走り去る。それと同時にクーリアは魔力を薄く広げて索敵にる。
そして、大きく迂回してこちらに向かってきている反応をキャッチした。それでもかなり距離がある。
常人が同じことをしても、おそらく探知できないだろう。クーリアの魔力量のなせる技である。
「右端から、か」
クーリアは防に自信があったが、ひとまず向かうことにした。
「なんなんだよ!これ!」
クーリアがフラッグにたどり著いた時、もう既に敵はフラッグのところに到達していた。だが、クーリアの防魔法が上手く働いていて、フラッグが取れないようだ。
「くそっ!」
魔法を撃ち込む。それでも防は崩れない。
「うーん、やられっぱなしはやだな」
基本守ることしか考えていないクーリアではあるが、敵が攻撃することしか考えていない様子を見て、すこしイラついた。
クーリアはいつもサボってはいるが、格は比較的真面目だ。
普通攻撃したら反撃はあるものとして考え、行するのが基本だ。だが、敵はそれが出來ていない。それがクーリアをイラつかせた。
「ちょっとイタズラしようか」
クーリアは防魔法に細工を施した。
「これでどうだ!!」
敵が対抗戦の規定ギリギリの魔法を放った。
「あ、やっちゃった」
クーリアが思わず呟く。なぜなら……
「ギャァァァァァ!!」
魔法が跳ね返るように細工したからだ。その結果敵は自分の攻撃で吹き飛ばされ、ネックレスが砕けた。ついでに気絶。
『おぉっと!赤チーム主將"ロベルト"が落!倒したのは…クーリア選手?』
またしてもアナウンスが困している。まぁクーリアが直接倒した訳では無いので、無理もない。
(よかった。ま(・)た(・)バレてない)
クーリアはそう思った。
……そう。1回戦で主將が倒れた理由。それは今回と同じだった。ぶつかったのは事実だが、それだけでネックレスが砕けることは無い。
1回戦ではもとから反するように作っていたので、魔法を放って自滅したのだ。
無論この魔法もクーリアが創ったものだ。しかし、その事をクーリアは話すつもりはない。
(魔法を反できる防魔法。戦爭に使われるのは目に見えているよね…)
クーリアはそれを危懼していたのだ。
クーリアが創った魔法で、使い方を変えたりすれば戦爭で使えるような魔法は多い。それが、クーリアが無闇に教えない理由でもあった。
今回監視の魔道を通じて人に見られたが、それも細工してある。
跳ね返るほんの一瞬だけ、魔道を止めているのだ。しかも、不自然にならないように。普通はできない蕓當だ。
(さてと。サラ達は頑張ってるかな?)
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