《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》29※

クーがあまり高い食材を使った料理を好まないのは知っていたから、予めそこらへんを連絡しておいた。

「うわぁ…すごいね」

用意されていた食事にクーが嘆の聲を出す。

確かに豪華ではあるのだけれど……

「クーも一応伯爵令嬢なんだから、これくらいのもの用意されるんじゃないの?」

「確かにそうだけど…週に一回くらいだし」

あぁ…そう言えばそうだったわね。

「とにかく食べちゃいましょ」

「うん」

クーがしずつ食事をその小さな口に運んでいく。その度に目を開いてけそうな表をするもんだから、の子のわたしでもドキッとしてしまった……

「…やっぱり自覚させたほうがいいのかしら?」

クーの表は、確かに分かりにくいけど、昔よりだいぶマシになったと思う。

現にクーのけそうな表を見て、顔を赤らめてほぅ…と息を吐くメイドもいるし……って、よく考えたらそれってヤバいわよね。あとで襲われたりしないかしら…まぁクーなら大丈夫だと思うけど。

…って、話がそれた。つまり、クーは同でも惚れるくらいとても可いんだけど、それを本人が自覚してない。だから學園でファンクラブなるものができてしまっているし……。

「ねぇ、クーって好きな人いるの?」

「え?どうしたの、急に」

「ちょっと気になったから」

するとクーが考え込む。もしいるのなら本格的に自覚させないと…。

「いない、ね」

考のすえ、いないと言う。目を見たらわかる。噓は言ってない。

そっかぁ…

「そう、なんだ…じゃあタイプは?」

「タイプ、ねぇ……強いて言うなら、わたしと魔法の話ができる…」

あ、もう無理だわ。

すぐに諦めてしまった。いやだって、クーと魔法の話が、できる人なんてどれだけいる?多分ほとんどいないよ?

……クーには人が一生できないかも。

「ご馳走様でした」

クーがもう食べ終わる。出された分は食べているけど、それでも最小限だ。

「それだけでいいの?」

「うん、食だしね」

…クーの長がびないのってそれが原因では?と思ってしまった。本人に言ったら落ち込むか怒るから言わないけど。

「ご馳走様」

わたしも食べ終わり、クーと共にお風呂へと向かう。

「そう言えば著替え…」

今それに気づいたらしい。クーってたまにこういうことあるのよね…學園では天然を演じてるけど、これは素だから、正直本當に天然なんじゃって思ったり…。

「大丈夫。用意させてるから」

「用意周到だね…」

クーからジト目で見られるけど、気にしない!

お風呂にると、クーの青銀の髪が目にはいる。相変わらず綺麗。思わず嫉妬しそうになる。

「わたしが洗うね」

「え?そんなのいいよ」

「洗わせて。ね?」

「……分かった。じゃあわたしもサラの髪洗う」

「うん」

クーの髪を洗う。サラサラで綺麗で、ほんと羨ましい。

「サラの髪綺麗だね 」

「クーの髪の方が綺麗だよ」

わたしはあまり自分の髪が気にっていない。だってちょっと固くて癖が直りにくいんだもん。

ろ」

「うん」

クーと共にお風呂にる。やっぱり友達とお風呂にるって、なんかいいね。

そんなことを思いながら、わたしはクーとお風呂を楽しむのだった。

    人が読んでいる<出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないを望む>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください