《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》80
クーリア達が今回向かう目的地は、王都からし離れた村だ。名前はないが、ある特殊な魔獣から採れる素材で作られた織が有名だ。今回の校外実習は、それを買い付けに行くという名目だ。
がたごとと馬車が揺れる。舗裝などされていない道を通るのだから、當たり前だ。
「クー、大丈夫?」
「大丈夫だよ。リーフは?」
「…大丈夫です。まだ、平気です」
それは大丈夫とは言わない。
「ほら、こっちきて」
クーリアがリーフィアを側へと呼び、その背中をでる。
「どう?」
「…し、楽になりました」
リーフィアはそこまで馬車に乗ったことはなく、揺れには慣れていないのだ。その點クーリアは買いなどで王都の辻馬車を利用していた為、揺れには慣れている。
「……ま(・)た(・)、さらっと凄いことしてるわねぇ…」
ナターシャがクーリアの行を見て、小さくそんなことを呟いた。サラやリーフィアには聞こえなかったようだが、クーリアにはハッキリと聞こえていた。
(…やっぱりバレた)
一見するとクーリアはただでているようにしか見えないが……その実、魔法を使っていた。
無屬魔法。そのの一つ、干渉魔法。
クーリアはこの干渉魔法を応用し、リーフィアの三半規管などに直接干渉して、強化や調子を整えていたのだ。
ちなみに、干渉と名がついているが、そう大層なことは出來ない。自のに干渉するのが一杯だ。
……なので、クーリアがやっている事は案外凄いことだったりする。しかし、その事に気づいたナターシャも、十分に凄い。
ナターシャが何者なのか。それをクーリアは知っていた。そして、実際に會ったこともある。だからこそ、ナターシャは「また」と言ったのだ。
「そうだ。みんなはどんな武を使うの?」
ナターシャが暇を持て余したのか、そう聞いてきた。だが、これもれっきとした付き添い冒険者の役割だ。
どれだけのことを想定し、準備しているか。また、そのことをしっかりと把握できているか。それを評価するのだ。
「わたしは魔法主軸なので、杖です」
まずリーフィアが答えた。も出來なくはないが、魔獣相手には厳しい。なので、魔法を補助する為の杖を武として選んだ。
「わたしは短剣と投げナイフです」
サラは魔法が使えるが、得意な火は森では扱いずらい。風も得意だが、戦になった場合味方に當たる可能がある。なのでサラは、武を近距離用の短剣。それと、中、遠距離をカバーする為の投げナイフにした。
「じゃあ最後はク(・)ー(・)ち(・)ゃ(・)ん(・)。教えて」
クーリアの表が引き攣る。前からそう呼ばれていたが、人前、ましてや友人と妹の前で言われるなんて想定していなかったからだ。
「え、えぇっと…」
揺しながらも、クーリアが自の武を言おうとして…馬車が止まった。
「みんな、魔獣だ。數は…5。前方2。後方3」
者臺からヴィクターの聲が聞こえる。
「數はちょうどいいわね。前は任せたわよ」
「ああ、無論だ」
「じゃあ行きましょう。クーは…もう居ないわね」
クーリアは、もう既に馬車から姿を消していた。正確には、幌の上へと移していたのだ。
「じゃあ行きましょう」
「はいっ!」
サラとリーフィアが馬車から降りる。ナターシャも共に降りるが、極力手は出さないので馬車の傍で待機するようだ。
「さてと……まぁボチボチやりますか」
クーリアがそう呟き、自の獲を構えた。
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