《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》85※
「サラ。起きて」
「うぅん…ふわぁ…おつかれさまぁ…おやすみぃ…」
「こら」
そんな會話が隣から聞こえてきた。お姉ちゃんとサラさんって、仲良いなぁ…妹として、ちょっと嫉妬してしまう。
「起きるからつねらないで…」
「起きてから言いなさい」
どうやら頬を抓られて起こされたらしい。意外と起こし方が荒い…
誰かが馬車から出て、その代わりに人がってくる気配がした。お姉ちゃんだろう。
「…起きてるの?」
……なんでバレるんだろう。目閉じてるのに。
「もしかして、起こしちゃった?」
「…大丈夫。ずっと起きてたから」
「……寢れない?」
隣にお姉ちゃんが寢転がるのをじて、目を開ける。
「外で寢るのは初めて?」
「…うん」
お姉ちゃんは以前に野営する機會があったということを聞(・)い(・)た(・)ことがあったから、落ち著いているんだろう。
「まぁ仕方ないかなぁ……ねぇ、リーフ?」
「ん?なぁに?」
「…あまり、探らないでね」
「…っ!?」
気付かれてた…?!
「…あなたがわたしを心配してくれてるってことは、分かってるよ。でもね?わたしだって知られたくないこともあるの。それは、分かってくれる?」
「……うん」
お姉ちゃんがわたしに…ううん。わたし達(・)に何かを隠しているということには気付いていた。だからんな方面から探っていたのだけれど……それすらも、気付かれてたなんて……。
「…ごめんね。こんなお姉ちゃんで」
「そんなことっ!?」
思わず大聲をあげそうになったけれど、お姉ちゃんから口を塞がれた。
「…今はまだ。けれど、いつか必ず、話すから」
「…分かった」
お姉ちゃんがこう言ったら、必ず話してくれると信じている。だから、わたしはもう探らないことに決めた。
「……寢れそうにないから、サラさんと一緒に見張りするね」
「…そう。分かってるだろうけど、気を付けてね」
「うん」
イルミーナさんとヴィクターさんを起こさないよう、馬車から出る。すると、ナターシャさんがわたしに気付いた。
「あら、起きたの?」
「寢れなくて…」
「そう。じゃあ2人が見張るなら、わたしはし寢ようかしら」
「そうした方がいいと思います」
そうじゃないと、もし何かあった時にきが鈍ったりで、ナターシャさんまで危険が及ぶかもしれないから。
「じゃあおやすみ」
「はい、おやすみなさい」
ナターシャさんが馬車へとり、わたしはサラさんの隣に腰を下ろした。
「まだ早いわよ?」
「寢れないので」
「そう」
先程の會話は小聲だったので、聞こえなかったらしい。
「…じゃあし、話をしましょ?」
「いいですよ。何を話しますか?」
「そうねぇ……」
サラさんが顎に手を當て、考える仕草をする。
「…うん。じゃあ、リーフィアがなんでクーをあそこまで好きなのか、聞きたいわ」
「そこまで気になることですか?」
「聞きたいのよ。だって(・)々(・)と(・)思うところはあるのでしょう?」
「……そうですね」
わたしはサラさんに聞かせるようで…自分にも聞かせるように話し始めた。
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note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
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