《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》91

次の日。クーリアがベットの上で目を覚ますと……

「……なにこの狀況」

思わずクーリアがそう呟く。

昨夜用意された部屋は男子と無論別だったのだが、大きめのベット一つだけだったので、子3人で並んで寢ていた。…のだが、起きると何故か両脇からクーリアは抱き抱えられていたのだ。

「……まぁ、いいか」

サラとリーフィア、2人の寢顔を見て、クーリアが小さく微笑む。その笑みはまるで、しい我が子を想う母親のようであった。

「うぅん…ぁ…おふぁよう、くー…」

クーリアが起きてからし経って。先に目を覚ましたのはサラのほうだった。

「おはよう」

「……あ。その…ごめん」

寢ぼけた意識が覚醒したのか、現狀を理解し謝りだすサラ。

「別にいいよ。寢顔見れたし」

「…何かした?」

「何もしてないよ。見てただけ」

し頬を摘んだのは緒だ。

「ふわぁ……ぁ、おはよう…おねぇちゃん」

「おはよう、お寢坊さん」

「……え、今何時!?」

ガバッ!とリーフィアが飛び起きる。

「ふふっ。別に大丈夫だよ」

「もうっ!はぁ…ビックリしたよ…」

からかわれていたことに気付き、リーフィアがほっとをなで下ろした。

「寢苦しくなかった?」

「大丈夫だよ。別に」

「え、お姉ちゃん何かあったの?」

サラは起きてすぐ抱きついていたことに気付き謝ってきたが、リーフィアはいきなり飛び起きたので、寢ている間にクーリアに抱きついていたことには気付かなかったようだ。

クーリアから朝の狀況を伝えられ、リーフィアが思わずベットの上に土下座する。

「ごめんなさい…」

「そこまでしなくても……別に気にしてないってば。それより早くしないと本當に遅れるよ」

「そうね。ちゃっちゃと準備しちゃいましょう」

「…うん」

準備が終わり部屋を出ると、もう既に男子2人は起きて待っていた。

「ごめん、待った?」

「いや、さっきだ。じゃあいくか」

「ええ」

この村では食事を皆で食べるそうで、それは朝食も例外ではない。なのでその集合場所へと向かう。

「おはようございます」

「おお。おはようございます。よく眠れましたか?」

「はい。とても」

「それは良かった。もう朝食の用意は出來ています。どうぞ席で待っていてください」

「何か手伝いはありますか?」

「そうですな……では、配膳を手伝ってくれますか?」

「分かりました」

そこまで運ぶ數は多くないので、クーリア達だけで全ての配膳を終えることが出來た。

その後全員で祈りを捧げてから食事に手をつける。

「今日はどうするんだ?もう帰るか?」

「ちょっと村を見てからでもいいんじゃないかなぁって」

「いいんじゃないかしら。わたしはその間村の周りでも見回りでもしておくわ」

ナターシャとしては大して村に、というより村の特産の織に興味は無いので、村の周りの見回りをして時間を潰すようだ。

「じゃあそれで決まり。ヴィクター達はどうするの?多分一緒に居てもつまらないわよ?」

「…なら、ナターシャさん。一緒に行ってもいいですか?」

「いいわよ。でも無理はしないでね」

「分かってます」

「ボクもそっちかなぁー。興味はちょっとあるけど、男1人だけっていうのもあれだし」

「ふふっ。確かにそうね」

大まかな今日の予定を決めたところで食事を食べ終えた。

「じゃあまた」

「おう。晝な」

晝食も集まることになるので、別行は晝前までが1番丁度いいタイムリミットだろう。

「さて。じゃあ行きましょう」

「はいっ!」

「………うん」

乗り気でないクーリアの手をサラが引っ張り、村の中を進んで行った。

    人が読んでいる<出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないを望む>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください