《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》93

クーリアを試著させたその後何點か服をし、3人は店を後にした。

「ほんと綺麗で素敵な服ばかりだったわね」

「はい。一つ一つが丁寧で、どれも素晴らしかったです!」

量産品ではない、一つ一つ丹込めて創られた服達。それは、他の追隨を許さないほどの逸品であった。

「……高かったのに、本當にいいの?」

だからこそ、全てそれなりに値が張るものだった。

クーリアとしてはサラ達の言い分を聞いて気持ちは理解できたものの、やはり貰っていいものかと不安になっていたのだ。

「大丈夫よ。お金ならし余裕あるし」

「わたしもしくらいなら」

「……2人のしが一どれほどなのかを知りたいような知りたくないような……」

明らかに市民の覚からはズレているだろう。貴族なのだから。

……無論クーリアも伯爵令嬢なので貴族なのだが、普段屋敷で過ごしていないので、覚としては庶民よりだ。故に覚のズレが生じてしまう。

「あなたは貰う側なのだから気にしなくていいのよ」

「…まぁそうかもしれないけど」

それでもやはり気が引けてしまう。

(…本當にクーは謙虛というか…それは徳だけど、時に毒でもあることを分かっているのかしら…)

サラはクーリアの反応を見て、心そう心配するのだった。

「…では。お気をつけて」

「はい。ありがとうございました」

ぺこりと村長に対してサラがお辭儀をする。本當はもうしのんびりすることも出來たのだが、旅路に予定外は付き。その為、今日出発することにしたのだ。

「後でクーちゃんの裝見せてね?」

「…そんな見せびらかすようなものではないですけど」

「ボクも見たいー!」

「俺も見てみたい」

「……まずはナターシャさんに見せてからのほうが良いと思います」

男子二人の主張に対して、リーフィアがそう口にした。

「え、そんなに不味いの?」

「不味いというか…」

「危険なのよねぇ…」

「あー……なるほど。2人の言いたいことがよく分かったわ」

ナターシャも目が節ではない。服はまだ見ていないとしても、2人の反応から大の予想が著くというものだ。

「はいはい。この話はお終いにして、そろそろ行くわよ」

「分かったよ。じゃあ出すぞ」

ヴィクターがそう言って馬車を進ませ始める。

馬車の中には行きよりも大小様々な箱が多く積み込まれており、それがぶつかり合い音が鳴った。

「多いわねぇ…」

「まぁ仕方ないのでは?」

この箱の中は全て織だ。本來はもうなかったはずなのだが、ナターシャ達が村の周りを掃(・)除(・)してくれたお禮として、多めに積み込まれたのだ。

「……何だか嫌な予がするわね」

「そういう事言わないでください」

クーリアがナターシャを睨む。言葉には力があるのだから…………

    人が読んでいる<出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないを望む>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください