《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》103
馬車は至って順調に進んでいた。
今はクーリア達も思い詰めるような表は消え、それぞれが警戒にあたっている。
「……ん?」
そんな中、馬車の幌の上にいたクーリアが何かに気付く。
「……なんで、ここに…」
魔力を広げ、現狀を把握したクーリアが思わずと言った様子で呟く。
「ヴィクターっ!馬車止めてっ!」
「っ!?わ、分かったっ」
珍しくクーリアが大聲を上げ、ヴィクターに馬車を止めるよう求めた。
「クー、どうしたの?」
「……魔獣。しかも大型」
魔力を広げた結果、大型の魔獣の存在を確認したのだ。それにクーリアの「なんで、ここに」という言葉の真相。それは、大型の魔獣がここまで王都の近くにいることが有り得なかったからだ。
「……やり過ごせそう?」
「無理。もう見つかってる」
出來る限り戦闘は避けなければならない。しかし、もう既にあちらは馬車を認識しているようだ。魔力を広げると、迷いなくこちらへと向かってきていることを確認した。
「數と方向は?」
「………」
「クー?」
「……數は、10」
「っ!?」
クーリアが確認した魔獣の數。それは…サラ達が対応できる數を超えていた。
「後ろから7。前から3」
「……突っ切るわよ。ヴィクター!」
「分かった!」
サラの指示により、馬車が勢いよく飛び出す。數がないほうを相手取れば、勝機はあるという判斷からだった。
……だが、そこでクーリアの表が変わる。
「…サラ。悪い知らせ」
「……」
「數が増えた。前に更に5」
これで馬車が進む先には、合計8の魔獣がいるということになった。
それでも馬車は止まらない。止まれない。
………そして、とうとう者臺にいるヴィクターからも視認できる距離に。
「……サラ」
「…なに?」
「……ごめん」
その言葉と共に、クーリアが馬車から飛び降りる。
「クーっ!?」
「行って!」
飛び降りながらクーリアがそうぶ。無論、かなりの速度で走っている馬車から飛び降りた為に地面を転がることとなったが、それでも即座に勢を整え、馬車に向け魔法を行使した。
「三連(トリル) 《ブースト》《防》《リ・ゾーン》!」
三連続の魔法行使。2つの強化魔法により加速された馬車を、不可視の壁が覆う。
鉄壁の護りに覆われた馬車は、道を塞ぐようにして立っていた魔獣を弾き飛ばし、その速さを緩めることなく過ぎ去った。
「…」
クーリアが矢を目の前の魔獣に向けて放つ。
……しかし、皮がいのか弾かれてしまった。だが、それでいい。注意がこちらに向けばいいのだから。
その狙い通り、先程まで馬車を追いかけようとしていた魔獣の瞳が、クーリアの姿を捉える。その瞳には、明らかな敵意が含まれていた。
「……生きて帰れたら、奇跡かな」
そう呟きながら、クーリアは不敵に微笑んだ。
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