《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》110
薄暗い森の中を進む、サラ一行。だが、時折魔獣のものと思しき鳴き聲が響き、その度馬が怯えて止まってしまう為に、その進む速度はあまり速くなかった。
「これ以上先はもう無理そうね」
ある程度森を進んだところで、ナターシャがそう判斷を下す。
その理由は、森の奧は魔獣が數多く生息しており、馬に乗ったままでは突然現れた魔獣に咄嗟に対応できないからだ。
ナターシャの言葉を聞き、各々が馬から降りる準備を進める。
「ここからは歩きよ。荷を持ちながらだから、この前とは勝手が違うわ。十分警戒なさい」
「「「「はい」」」」
ここから先は、馬に括っていた荷を持って歩かなければならない。重い荷を持ちながらでは、戦闘に支障が出ることは明白だ。だからこそ、出來る限り優位に立てるよう警戒をする必要があった。
このことを想定して荷は必要最低限にしてある。だが、それでもかなりの量がある。何時までこの森に居なければならないか分からないからだ。
「馬は?」
「このまま離すわ。繋いでいたら、魔獣の餌よ」
どの道手放す予定だった訓練が済んでいない馬だ。
……あまり訓練されていなかったせいで、魔獣に怯えてしまった訳だが。
「それじゃあ行くわよ」
「行く宛ては?」
最もな意見だ。闇雲に森を歩けば、逆にこちらが危険に曬されかねない。
「まずは周辺の村に向かうわ。もしかしたらいる可能があるし、いなかったなら誰か連絡要員として殘ってもらうつもりよ」
ナターシャは森にる前、つまり、準備段階で全員に魔導石版を渡していた。一般的な通信では繋がらないからだ。
というのも、通信は元々街中で使われるよう想定されて作られている。そのため森の中では通信が木々に邪魔され安定せず、オマケに魔力を持つ魔獣の存在で通信が掻き消されてしまうのだ。それ故にナターシャは全員に魔導石版を配っていた。
……ちなみに以前街の外にいるクーリアの通信が街中のサラに屆いた理由は、付近に魔獣が何故か(・・・)いなかったからであった。
(クーにも渡しておけば今頃…)
後悔先に立たず。だが、普通はこんな狀況に陥るとは誰もが予想出來ないだろう。後悔する必要は無い。
「この魔導石版で村の様子は聞けないんですか?」
「現在村は結界を展開しているから、こちらからの通信は屆かない。直接行くしかないわ」
中からならば問題はないのだが、外からは弾いてしまうのだ。
「急ぐわよ。付いてきて」
ナターシャが森の奧へと駆け出し、その後ろをサラ達がついて行く。無論警戒は怠らない。
「っ!《アイスアロー》!」
前方方向より近付く魔獣の気配を察知したリーフィアが、氷の矢を放つ。青白く輝く氷の矢は、近付いてきていた魔獣の眼球を正確に貫いた。
「いい判斷よ!」
ナターシャが魔獣の橫を通り抜けながらトドメを刺す。いちいち立ち止まってなど居られない。足を止めれば、待つのは死。それだけ敵の反応が膨大だった。
「出來る限り戦闘は避けて!」
戦闘の音に釣られ、更なる魔獣を呼び寄せかねないからだ。
ナターシャ達は危険と判斷した迫り來る魔獣達のみを眼前、もしくはすれ違いざまに倒しながら、村への道を急いだ。
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