《【連載版】無能令嬢と呼ばれ婚約破棄された侯爵令嬢。前世は『伝説の大魔』でした。覚醒後、冷遇してきた魔法學園にざまぁして、國を救う。》01
短編『無能令嬢と呼ばれ婚約破棄された侯爵令嬢。前世は『伝説の大魔』でした。覚醒後、冷遇してきた魔法學園にざまぁして、國を救う。』の連載版となります。
新キャラの登場などで流れがし変わっておりますので、短編版をお読みの方もどうぞ!
「『凍れ』」
私の発した魔法で、巨大なレッドスライムは一瞬できを止めた。
背後の兵士達から驚きの聲をあげる。
「すごい……魔法一撃であの大きさのレッドスライムを仕留めたぞ」
「あの娘一人で<赤荒野の斷崖(レッドクリフ)>の魔を殲滅したということか?」
「信じられん。彼が『無能令嬢』と呼ばれていたとは――」
――私に聞こえていないと思っているのかしら?
そう。
私はついこの間まで『無能令嬢』と笑われ、ひどい目にあってきた。
ご覧の通り、今は違うけれど。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
二ヶ月前。
「リンジー・ハリンソン。君との婚約は破棄する」
レジュッシュ王國魔法學院の食堂。
私の婚約者、アンドルーの聲が響き渡った。
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「僕は、新たに、このルシア嬢と婚約をするつもりだ」
「……ごめんなさい、リンジー様」
こうして私は、大勢の貴族の子息子の前で、婚約破棄を言い渡された。
周囲からどよめきと、し遅れて嘲りの混じった笑い聲が起きる。
こうなる予はしていたけれど、まさか、こんな場所でとは――。
アンドルー王子は食堂のテーブルに腰掛け足を組み、斜に構えた態度。
その橫に立つふわふわの金髪巻きのルシア嬢。必死に笑いを噛み殺しているようだ。
この國の王子の婚約者の立場を奪ったのだ。さぞいい気分だろう。
「悪いね、リンジー。
これからは『いい友達』でいよう。
な?この國の第二王子の『友達』だ。
『無能令嬢』の君からしたら、十分いい立場だろう?
ああ、勘違いしないでくれ、僕は君が嫌いなわけじゃない。
だが、魔法を使えない君が僕に嫁いでも、民は納得しないだろう?
むしろ、婚約破棄で肩の荷が降りたと思ってくれよ」
私は自信がなく向的な格だ。
大勢の前で発言することが出來ない。
私が黙り込んでいるのをいいことに、アンドルー王子は嘲笑混じりの聲で饒舌に弁舌を続けた。
食堂のざわめきが聞こえてくる。
「ついに『無能令嬢』リンジーが、アンドルー王子に婚約破棄を言い渡されたぞ!」
「俺たち、いつ婚約破棄になるか賭けていたんだ。まさか夏休み前とはね。予想より早かったな~」
「よ、リンジー!気を落とすなよ!
仕方ないさ、この魔法王國で魔法が使えない貴族は、ある意味平民にも劣るわけだから」
「あの方、侯爵令嬢なのに恥ずかしくないのかしら?よく學院に通えたものよね……」
嘲笑(ちょうしょう)混じりの聲が、容赦なく私の心を引き裂いていく。
私はめまいを起こしていた。
食堂中に渦巻く、悪意ある言葉に絡め取られ、そこからけなかった。
うつむいて自分の靴を見つめるしかなく……ただ一つの言葉も出てこなかった。
「リンジー、行きましょう!」
そこに現れたのは、親友の子爵令嬢、アンヌマリー。
彼は私の手を取り、食堂から引っ張り出してくれた。
私達はひと気のない學院の校舎裏までやってきた。
私はそこで、ようやく先程けた屈辱をけれ、涙を流すことが出來た。
アンヌマリーは黙って私を抱きしめてくれた。
そして、泣き止むまでずっと側に寄り添っていてくれた。
(続く)
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執筆頑張ります~!
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