《【連載版】無能令嬢と呼ばれ婚約破棄された侯爵令嬢。前世は『伝説の大魔』でした。覚醒後、冷遇してきた魔法學園にざまぁして、國を救う。》13

<赤荒野の斷崖(レッドクリフ)>魔討伐作戦。

荒野の上から私が魔法で魔撃。

ジョアキン率いる地上部隊とビッキーがその取りこぼしの魔を討伐。

その繰り返しが一週間続いた。

おそらくこの一週間で、私は千以上の魔を倒しただろう。

地上部隊も100以上の魔を葬った。

サンドル王國の兵士達は、レジュッシュ王國側のきに困した様子で、何度も斥候部隊を派遣し、掃討作戦の様子を見に來ていた。

斥候をみかけると、私は魔法で大風を起こし、大雨を降らせて彼等を追い払った。

討伐の邪魔だ。

攻撃魔法の撃に巻き込んだら大ごとだ。

そして。

私は討伐作戦七日目のノルマを終えた。

明日の八日目で最後のブロックの処理をしたら討伐は終わる。

飛行魔法で砦に戻ると、砦の門の前に大きなレッドスライムが湧いていた。

討伐で倒しそこねたスライムが棲む場所を追われ、群れとなり巨大化したのだろう。

砦の魔法使いと兵士達が集まり、必死にスライムと戦っていた。

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だめだ。

あの人達は、あの大きなスライムに立ち向かうには弱すぎる。

私は飛行魔法の行く先を変え、スライムと彼等の間に降り立つ。

そして強力な水の魔法、そして闇の魔法をかけ合わせて呪言を唱える。

「『凍れ』」

はい、一丁上がり。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「リンジー、よくやった!」

よく通る低い聲。

砦の門が開き、鎧姿の筋骨隆々の武人の姿が現れてお出迎え。

ジョアキンだ。

彼は短く刈り込んだ赤銅の髪のの頭をかきながら、私の側までやってきた。

「これで<赤荒野の斷崖(レッドクリフ)>の魔はほぼ殲滅出來ただろう。

殘りの魔は數える程度だろうな。

が一掃された大地が手にるとなれば、隣國サンドル王國も<赤荒野の斷崖(レッドクリフ)>を引きけ、他の自由國境地帯の領有を諦めざるを得まい。

向こうが言い出した渉事なのだからな。

ハッハッハ!

俺が育った<赤荒野の斷崖(レッドクリフ)>がサンドル國のものになるのは寂しいものだが……なに、それでこの砦が消えるわけでもない。

俺は時々、この砦から平和になった<赤荒野の斷崖(レッドクリフ)>を眺めてリンジーの活躍を思い出すとしよう!」

ジョアキンは、豪膽に笑いながら私の手を握りぶんぶんと握手をしてくる。

私は彼の汗ばんだ手にうっとなって、そっとその手をそっと放した。

「契約ですから。私は王との約束を果たしただけです。

さて。最後のブロックの魔討伐は明日ですね。

本日はもう休ませて頂きます」

「おい。リンジー」

「はい?」

「あの。そ、その、よければ……よければだな!前祝いに、こここ今夜一杯、俺とどうだ?」

三十過ぎの武人の大柄なが幾分もじもじとしている。

恥ずかしそうに視線をつま先に落とし、頬を赤らめてどもりながらってきたジョアキン・ギマラン公爵。

ああ、そういうおい?

私は軽くため息をついて首を橫に振る。

「明日も早いですので、遠慮します。

それでは」

「そ、そうか――。

明日も頼むぞ、リンジー・ハリンソン侯爵令嬢」

私は振り返らず、砦の與えられた部屋へと戻った。

途中で仮面の騎士ビッキーが私を見つけて飛びついてくる。

「どうかされたのですか?お姉様。疲れたご様子ですわね」

……この子には、先ほどのジョキアンからのおいの件は黙っていた方がよさそう。

「なんでもないわ。ビッキー。

もう七日目だけど疲れていない?明日の掃討作戦は大丈夫そう?」

「ええもちろんですとも!私、お姉様に盡くす事が生きがいのようにじているんですもの。

どんな魔が魔法から逃げのびても!

私の剣と闇と風の混合で仕留めてみせますから。お姉様。安心して下さいませね」

仮面の奧で子供のようにはしゃいで、嬉しそうなビッキー。

一度懐くと、すごくいい子……。そして何より、強い!

ここまで懐かれるとちょっと引いちゃうけど……この子は真面目で忠実。

とても信頼が出來る子のようだ。

元婚約者、そして彼の兄であるアンドルーに、ビッキーの爪の垢でも飲ませてやりたいもんだわ。

「私は疲れたから休むわ。ビッキーもしっかり休むのよ」

「はい!お姉様!」

ビッキーはビッと騎士の敬禮をすると、優雅な歩き方で砦に與えられた部屋に下がって行った。

やれやれ。

この戦地での職務が終われば、私の『み』は王によって葉えられる。

それまで、遊んでいたり、ジョアキンのナンパに引っ掛かっている場合ではない。

しっかり休んで明日の掃討作戦最終日に備えないとね。

(続く)

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