《(本編完結・番外編更新中です) 私のことが嫌いなら、さっさと婚約解消してください。私は、花の種さえもらえれば満足です!》みたい

後半にりましたが、よろしくお願いします!

私の話を聞き終わると、何か考えている様子のアル。

「なあ、ライラ。さっき、屋敷の前で去っていく馬車を見たんだが、クールド公爵家の馬車か?」

と、アルが聞いてきた。

「よく、わかったね! そうだよ」

「とういうことは、公爵家のパトリックが婚約者なんだな?」

「パトリックを知ってるの?」

アルはうなずいた。

「公爵家で同じ年だからな。い頃から顔をあわす機會はあった。でも、パトリックには、三歳年上の兄のルドルフがいるだろ?」

「うん、今、留學してるよね?」

「ああ、そうだ。俺はルドルフと気があって、よくしゃべってたけど、パトリックは大人しくて、あまりしゃべった記憶がない。ルドルフがよく気にかけてたな」

「えっ? アルって、パトリックと同じ年だっけ?」

それを聞いて、あからさまに、アルはため息をついた。

「ライラは、ほんとに俺に興味がないな…。俺、こう見えて、結構、令嬢たちに人気があるんだぞ」

と、私に顔を近づけてくる。

艶のある漆黒の髪。整った凜々しい顔立ち。特に、切れ長の涼やかな目は、サファイアみたいな紫できれい。

うん、非の打ち所がない。

「わかるよ。アル、すごく、かっこいいもんね!」

と、力強く同意する。

とたんに、アルが、うっすらと頬を赤くした。

「はああー、なんだそれ?! そんな素直に肯定されると、自分で言った俺が恥ずかしいだろ?! やめろよ!」

もー、褒めたら褒めたで、やめろとは! なに、それ?! わかった、もう褒めません!

アルは、ふっと真面目な顔になった。

「ということは、さっきライラから聞いた話が、あのパトリックってことか…。そんな不気味な種が、短時間で山ほどできるほど、邪気をひっつけてるのか…。しかも、自分からその邪気がでているのは心配だな…。

ライラの話だと、學園にって変わったんだろ? つまり、學園でなんかあったか…」

「パトリックって、學園ではどんなじなの?」

「同じ學年だから顔をみかけることはあるが、普通に、爽やかなじだけどな。といっても、特に話しをするような仲でもないから、見た目だけの印象だ。…俺も気になるし、ちょっと學園での様子を調べてみる」

「何かわかったら、教えて。…あと、それと…、パトリックのこと、両親には言ってないの。心配かけたくないから。だから、今は、まだ、誰にも言わないでくれるかな…?」

アルは、し目を見開いたあと、フッと微笑んだ。

「わかった。誰にも言わない。…が、ライラ。一人でがまんするな。辺境伯も辺境伯婦人も相談したら、どうすればいいか一緒に考えてくれると思うぞ」

「うーん、そうなんだけど。だからこそ、余計に、心配かけたくないんだよね…」

歯切れの悪い私に、アルが言った。

「じゃあ、これからは、一人で背負い込まず、なんでも俺に言え! ライラはまだ、14歳の子どもだろ? 立派な大人の俺を頼れ!」

そう言って、自慢げにをはるアル。そのしぐさが、子どもっぽいんだけど…。

なんだかおかしくて、の力がぬけた。そして、一気に楽になった。

に癒されたときと同じだわ。

「ありがとう、アル! アルって、この花たちみたいだね!」

私は、目の前の花壇を手で示した。

「おい! 俺は、こんな不気味じゃない!」

と、わめくアル。

そんなアルを見て、笑いがこみあげてきた。

聞いてくれる人がいるだけで、こんなに気持ちって軽くなるんだな…。

それから、すぐ、學園がはじまり、アルは王都へ帰っていった。

そして、元気になったコリーヌ様も一緒に帰っていった。

不気味だと言いながらも、私の花壇が気にったのか、ほぼ毎日、アルは、私の庭に遊びに來ていた。

それに、私もアルのお屋敷で、コリーヌ様とお茶をしたりしていたから、二人がいなくなって、なんだか寂しい…。

次の休暇に、また二人で來るらしいけど、まだ先だもんね。

そして、それだけではなく、気分があがらないのは、私が王都へ行く日がついに明日になってしまったから。

あれから、お父様に、何度も公爵家のパーティーにでたくないと言ったのに、聞きれてもらえなかった。

しかも、私が行くなら、お母さまも行くと言い出し、久々の家族旅行になり、両親は楽しそうだ。

パーティーさえなければ、私も楽しめるのにな…。

読みづらいところも多いと思いますが、読んでくださった方、ありがとうございます!

ブックマークをつけてくださった方、評価、いいねをくださった方、勵みにさせていただいています。

ありがとうございます!

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