《(本編完結・番外編更新中です) 私のことが嫌いなら、さっさと婚約解消してください。私は、花の種さえもらえれば満足です!》オレンジの髪の

今週末は、できるだけ更新したいと思っています。よろしくお願いします。

オレンジの髪のからでた黒い煙が、パトリックにたどりついた。

そして、首にまきつきはじめる。

私のいるところからだと、手前にパトリック、その向こうにオレンジの髪のがいる。

なので、目にってくるのは、オレンジの背景に、黒く細長いものなんだけど…。

ん? この景って、見たことがある!

私はあわてて、バッグをあけて、さっきパトリックから取った花の種をとりだした。

オレンジに黒いリボンのようなものがまきついてる。

そう言えば、この前、パトリックが私の家に來た時、取れた花の種もこれと同じだった。

このの人からつけられた、邪気だったんだ…。

そして、今も、黒い煙が、パトリックの首に幾重にもまきついていっている。

パトリック、さっきもこの黒い煙に首をしめられて、苦しそうだったもんね。

相當、強い邪気よね。

パトリック、このに危害を加えられるほど恨まれてるのかな?

でも、黒い煙のきを見ると、今は、パトリックにからみついて、自分のほうへと、ひきよせようとしてるみたいに見える。恨みよりも強い執著みたいな…。

二人の関係も、理由もわからないけど、さすがにこのままだと、パトリックが危ないよね。

なんとかしなきゃ…。

でも、他の人に言っても、信じてもらえないだろうし、どうしよう…。

やっぱり、私が止めるしかない。

その時、オレンジの髪のが、パトリックのそばに立った。

パトリックの表は見えないけれど、からでる黒い煙が、パトリックの首だけじゃなく、全にまきつきはじめた。

私は、そーっと近づいていき、さりげなく、パトリックの背中に手をかざした。

後ろ側だけでも、黒い煙をすいとろうと思ったからなんだけど…。

離れすぎていて、上手くいかない。もっと、近づかないとダメだ。

私は、気づかれないように、二人にしずつ近づいていく。

その時、オレンジの髪のが、私の方を見た。

うわあっ!

一気に黒い煙が、波のように押し寄せてきた。私は、とっさに、柱のに隠れた。

なにこれっ! こんな黒い煙、見たことないんだけど!

がたった…。

自分の全をさっと確認する。泥がはねたように、邪気がし、ひっついている。

私は手のひらを自分にむけて、邪気をすいとった。

幸い邪気はしだけだったので、手のひらに現れたのは、オレンジに黒い線がった小さな豆のような種だけだ。

とにかく、パトリックを助けなきゃ…。

息を整え、柱のから、おそるおそる顔をだした。

二人はまだいる。

用心しながら、様子をうかがっていると、オレンジの髪のが私の方を見て、にやりと笑った。

そして、パトリックと腕をくむ。

パトリックがあわてて、振り払おうとしてるみたいだけど、振り払えないようだ。

そりゃ、そうよね。

だって、あれだけ黒い煙でがんじがらめにされてたら、きとれないもんね…。

オレンジの髪のは、パトリックにもたれかかるようにして、顔をよせる。

仲睦まじい二人にしか見えない。

まわりが一気にざわつきはじめた。

「…公爵家の次男が連れてるあのはだれだ?」

「さっき紹介されたと違うわよね。人…?」

「こんな大勢の前で、どういうつもりなのかしら」

「もしかして、婚約破棄とか…」

「婚約者が、かわいそうだろ」

「公爵家の次男は、優秀な兄とは全然違うな」

いろんな聲が聞こえてくる。

が、今は、それどころじゃない。

例え、パトリックがあのが好きだとしても、の危険があるのを放ってはおけないもんね。

だって、あの邪気は普通じゃないし…。

二人の関係は、どうでもいいし、興味もないけど、あのの邪気だけは取っておきたい。

その後、二人がつきあおうが、婚約しようが、お好きにしてくれればいい。

婚約解消も萬々歳! とにかく、さっさと邪気をとってしまおう。

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