《過労死した王妃、2度目の人生は『破天荒』に歩む!》お茶會でビンタしてやりました
翌日、私は両親と共に馬車に乗り王宮にやってきた。
お茶會の會場は中庭で立食方式になっている。
「今日はよく來てくれた、我が第一王子のアルモンと同い年である令息令嬢と今後とも仲良くしてもらう為に今回の席を設けた。分関係無く過ごしてもらいたい」
國王様の隣にはアルモン様がいらっしゃるけど、明らかに不本意っぽい顔をしている。
10歳と言えばまだ遊びたい盛りで婚約者よりも同世代の男の子達の方が大事。
(一応、挨拶だけはしておいて後は會場の隅でやり過ごしましょう)
各家々が挨拶していきいよいよ私の番となった。
「はじめまして、私ルイアーズ家長のエリスと申します」
カーテシーを決めてニッコリ笑う。
「ふ~ん……、まぁよろしく」
……おい、ちゃんと名乗れやコラ。
こっちはちゃんと名乗っているのにまるで『俺の名前は知ってるだろ』と言わんぐらいな見下した態度。
なんで、こんな男に必死になってゴマすって生きてきたんだろう、と思い腹が立ってくる。
周りが甘やかした結果なんだろうなぁ、と思いつつ挨拶は終了。
その後はご歓談タイムになったけど早速アルモン様の周りはご令嬢達が集まっているけど當の本人は迷そうな顔をしている。
親達は親同士で話をしている。
私はと言うと予定通りに距離を置いて様子を見ている。
確か私の記憶だとこの後何かハプニングが起こった様な気がしたんだけど。
「きゃあああぁぁぁぁっっっっ!?!?」
突然、悲鳴があがった。
「む、むしぃぃぃ、蟲がああぁぁ!!」
ある令嬢の手に蟲がついてしまったらしい。
(そういえば、アルモン様が悪戯を仕掛けていた様な……)
アルモン様を見たら指を指して大笑いしている。
その姿を見た瞬間、私は大発した。
私はツカツカとアルモン様の前に來た。
「殿下」
「ん?なんだよ」
「とりあえず歯ぁ食いしばれ」
私はドスの聞いた聲で言った。
次の瞬間、パァンという乾いた音が會場に響き渡った。
えぇ、前世の恨みも込めて思いっきり平手打ちしてやりましたよ。
「な、お、お前何を『正座』は?」
「正座しろ」
自分でも驚くぐらい低い聲が出ていた。
「は、はい……」
私の迫力に負けたのか殿下は涙目で正
「殿下、今回のお茶會に関してまだ興味が無い事はわかります。ですが初対面のに対して品のない悪戯をして泣いてんでいる令嬢を見て大笑いしているのはどうでしょう?殿下は將來國の長となる、もっと自覚を持った行を取るべきではないですか?」
私はコンコンと説教をしてやった。
「大こんな事をやって王家に得になるんですか?殿下の評価がマイナスになるだけですよ。私の評価は既にマイナスを通り越して氷河にまで達してますよ。殿下の行が王家にどう影響を與えるかちゃんと考えてから行してください」
殿下は反論せずに俯いたままだ。
「皆様、お騒がせしてすいませんでした。私はこれで帰りますので後は皆様方で楽しんでいただければ幸いです」
私は頭を下げて會場を出ていった。
當然、両親を含めた大人達もいたけど何も言わない。
まぁ、多分お叱りはけるだろうけど後悔は一切しない。
これで私がアルモン様の婚約者になる道は完全に閉ざされただろう。
後に『王子にビンタして説教をかました令嬢』として私の名前は有名になるんだけどこの時は知らなかった。
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