《いじめられっ子のキャJKは自分を変えるため、ダンジョンに挑む〜底辺弱者は枕とレベルアップで強者へと駆け上がる〜》これぞ始まり

人生なんて後悔の繰り返しだ。だが、それを乗り越えてこその人生である。

そして、人生には大きな転機が訪れる時がある。

そう、今の私の様に。

「さぁ、選ばれし勇者の一人よ! 來る最悪に備えよ!」

「⋯⋯興味無い」

「⋯⋯⋯⋯は? え、は? 勇者に選ばれたのに?」

「勝手に選ぶな私の意見をきちんと反映した上で聞け」

「いや、でも。でもさぁ。世界が滅ぶかもしれないよ?」

「良かったな。皆一緒に消えるってよ。何も殘らないならそれまでだろ」

「支配されるかもしれないよ?」

「そん時は戦う。だけどさ。それって憶測でしょ? そんなんで戦うバカは居ないよ」

そう言って私は踵を返した。隣を飛ぶ枕を見ながら。

「⋯⋯このダンジョンの事を隅から隅まで教えよう。金になるアイテムがあるかもしれないよ」

「私はきっとそう言うバカなんだな」

「⋯⋯」

「ほら七瀬(ななせ)〜何時もみたいに金貸してよー」

「もう無理です。お金ありません」

私は七瀬世羅(せら)と言う。良くあるいじめられっ子だ。笑え。

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皆は世の中の事をどう思っているのだろうか。

とても知りたい。

「七瀬ちゃんよぉ。金貸してくれないなら、し毆るけど良い?」

「止めてください」

「どうする、波、花〜」

「え? そりゃあ毆るでしょ。最近新しい毆り技覚えたんだよねぇ。自慢したるわ」

「お、良いね。波のパンチ見たい!」

「僕も〜殺すなよ〜」

「分かってるって。そんじゃ、七瀬、しっかり防しろよ!」

漫畫で見る防スタイルを取っても意味が無い。

し痛みは和らぐが痛いモノは痛い。

「ほらほら。もっとべよ〜!」

「止めて、ください」

骨が折れそうだ。

折れないように手加減はされているだろうが、嫌な音が鼓を震わせる。

相手の顔が良く見えない。

違う。私は隨分前から人の顔の判別が出來ない。

「そりゃあ!」

「ガフッ」

ったッ!

吹き飛ばされ、地面を転がる。

「ゴホゴホ」

息が上手く出來ない。

目が霞む。

それでも相手を見るが、三人の笑みはとても最悪だった。

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羽織、波、花の三名。合わせて、クソサン(適當)と呼んでる。

先生に訴えても意味が無い。この三人の親は巷で有名な企業の社長なのだ。

この三人は勝ち組、私は負け組。

「これがレベル12の力か。軽く毆ってるのに人が軽い軽い」

波もう二桁のレベルなの? 早いね〜」

「まあね」

レベル⋯⋯もしもそれがゲームの話ならどれ程良いのだろうか。

このレベルと言うクソ概念はリアルで起こっている事だ。

帰路に著いた。

なんで私だけここまでボコボコにされないといけないのだろうか。

「痛い」

「大丈夫世羅ちゃん!」

私の背後から聲が掛けられる。

その聲はとても聞き覚えがある。いや、寧ろもう面倒にじるくらいに聞いた事のある聲。

滝宮(たきみや)である。馴染でイケメンの人気者(らしい)。

彼のレベルは知らん。スポーツ萬能(知らんけど)。

スポーツの際は特定の道を付ける事前提で行う。

詳しい事は知らなし興味が無い。

「世羅ちゃん。何時もボロボロだよね」

「うん。何時もと同じ様に同じ場所で同じ風に転けたんだ。ほら、私って丈夫だからね。こんな風に平気だよ」

あークソ痛てぇ。今すぐにでもびたい泣き出したい。

でも、親に言われても面倒なので我慢だ。

頑張れ私。無理矢理でも笑顔を作れ。

「そんな無理しなくて良いよ! お、俺に出來る事があったらなんでもするから、なんでも言ってよ!」

「ありがとう滝宮君」

「兄貴達も居るし、貴音(たかね)って呼んでよ。馴染なんだし、呼び捨てでも良いし! 寧ろ呼び捨てが良い」

「そっか。ありがとうね貴音君。でも、大丈夫だから。もうすぐ野球の大會でしょ? しっかりレベルが無いに慣れておきなね」

「そんなのは大丈夫だよ。練習も頑張ってる。世羅ちゃんはマネジャーとか、興味無い?」

「超無い」

既に十月と言う秋の中旬。最近はとても冷えている。

今は電気では無く魔力と言うのをエネルギーにしており、環境汚染も昔と比べてだいぶ落ち著いている。

様で寒い。

だらけのボロボロなマフラーを口元まで上げる。

「寒そうなら俺のコート⋯⋯」

「良いよ。洗濯も面倒臭いし。それじゃあね」

「うん。また明日」

「そうだね。また、明日」

私達の家は隣同士だ。

家にる。家には誰も居ない。

妹はパパの所でお世話にっている。今思えば、私もそっちに行けば良かったと思ってる。

に負けた私は負け組だ。

家にって、まずは雨水を浄水した水にタオルを浸して、を拭く。

「痛い痛い!」

傷口に染みる。超痛い。

「はぁ。もうヤダ」

毎日カツアゲ、出來ないならサンドバック、隣同士だから社辭令で會話をする馴染!

全部全部全部面倒臭い!

「いっつ」

八つ當たりで壁を蹴ったら爪が深く當たり、めっちゃ痛かった。

に當たると罰當たる。

パシャに著替えて、部屋に向かう。

ベットにゴロンと転がる。

「はぁ。唯一の癒しはベットだよ」

枕に蹲り、今日の愚癡を言う。これが日課だ。

「今日もクソサン達が毆って來たよー超痛かった〜。人気者の馴染の隣人のえっと、貴音だぁ。アイツのくだらない會話を平常心で耐えたよ〜褒めて褒めて〜。なんだよなんでも頼ってねって! 偽善者がボケガッ! 頼って何にるんだよ! お前もイジメられたいのかアホ!」

そんな愚癡を言っていると、眠気にわれて、目を瞑る。

なんだろうか。今だけはとても健やかだった。

もう、このまま死にたい。

目が覚める。

「もうこんな時間。両親が帰って來る」

はぁ。

「あれ、枕ってこんなに大きかったけ?」

なんかを乗せれるレベルで大きくっている。

「⋯⋯夢か。もう一度寢よ」

だが、枕が無い。

ベットの下!

「ない!」

タンスの中!

「ほぼ空。そしてない!」

それからも々と探すが、どこにも無い!

「私の枕どこ行ったああああ!」

あった。

枕、ありました。目の前に。

今私は立っており、窓側を向いている。目の前にあると言う事は枕は浮いてり、まぁ取り敢えず自分でいているのだ。

「なにごと? ⋯⋯ウィンドウ」

ピロン、と音が鳴って半明のウィンドウズ畫面が開く。

これは全人類共通で開ける自分の力が閲覧出來るモノだ。

七瀬世羅

レベル:1

スキル:【神保有者】【痛覚耐Lv4】【神耐Lv6】

なんかスキルが増えている。

私はウィンドウを作して新しく増えたスキルを確認する。

保有者

と契約して保有している人に與えられる稱號でありスキル。

が奪われる事は絶対に有り得ない。

「神? 部屋にはそれらしい⋯⋯お主か枕よ」

枕は通常サイズとなって居て、フラフラいている。

そうですよって言っているみたいだ。

私は枕にれて、ウィンドウズ畫面をスライドさせる。

:無名(枕)

所有者:七瀬世羅

レベル:1

スキル:【破壊不可能】【自由移】【自由意志】【回復魔法Lv1】【催眠Lv1】【睡眠回復】【サイズ変化】

「夢かぁ」

ボブっとふかふかの枕に叩かれた。

痛くないけど、何故かツッコミをれられた気分で複雑だ。

「なんで神に⋯⋯まさか!」

私はカーテンを開けて道路を見る。

家の対面にはダンジョンに繋がるゲートがある。

ダンジョンとは、ダンジョンだ。

モンスターが居たりアイテムがあったり。

命を掛けて戦いアイテムを売れば金が手にる。

現狀りたい職業ランキングで探索者が堂々のナンバーワンになる程だ。

「神って事は、強いよね? もしも、ダンジョンで稼げる様にったら⋯⋯」

初期からユニークスキルも戦えるスキルも無かった私は関わらない世界だと思っていた。

だけど、もしも、もしもダンジョン探索が出來てレベルが上げれるのなら、今の私を変えれるのかもしれない。

それだけじゃない。この生活からも抜け出せるかもしれない。

両親は帰って來ており、下から騒ぎ聲が聞こえる。

喧嘩だ。

何時もそう。互いの人格否定をして、そして流れ弾が私にも飛んで來る。

両親が居る時は一階に行ってはダメだ。

それがこの家で生き殘る為の自己流ルールだ。

母、義父、そして私が今のこの家族だ。

そして、両親共にギャンブル中毒者である。

この世は理不盡だ。

力がはっきりと『レベル』や『スキル』で分かる。

だけど、今の私は新たに手にれたスキルがある。

これはきっと、変わるチャンスだ。

「行こう」

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