《いじめられっ子のキャJKは自分を変えるため、ダンジョンに挑む〜底辺弱者は枕とレベルアップで強者へと駆け上がる〜》クソ共全滅の危機

校門にて、恐怖の塊である男が立っていた。

何が怖いかと言うと、多分早く來て私が來るまで待っている事である。

周りに子が集まって、その男を囲んでいる。

ちょうど良いので、橫を過ぎ去って行こうと思ったら気づかれた。

「世羅ちゃん!」

手をばしながら迫って來る。昔から使っているボロボロのマフラーを上げながら橫目で見る。

勿論、顔では無くだ。

「おはよう」

「うん。おはよう」

「⋯⋯ね、その頬の傷どうしたの?」

「止めっ」

顔にれようとして來た手を反的に弾く。

「止めて」そんな簡素な一言よりも先に手が出た。

今の私はかなりレベルが高い。二人で攻略出來る様になり、レベルアップスピードは上がった。

スキルもし増え、レベルも上がっている。

軽く弾いただけでも、し痛かったらしい。

手をスリスリしながらこちらを見ている。

「本當に大丈夫! 何かあるなら、俺に言ってね。絶対、なんでも力にるから。世羅ちゃんの為なら、なんでも出來るから!」

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し食い気味に言って來る。

なんでも力にる? なんでも出來る? 言ってやりたい。「アホくさい」と。

無駄に心配して無駄に関わって來て迷だと、真っ向から言ってやりたい。

自分の思いを真正面から相手にぶつけてやりたい。

だが、それは、オークの意を汲むよりも何段階も難易度が高かった。

「大丈夫だよ」

だから、私は問題ないと言うんだ。

ここ以上先に足を踏み込めない為に。無難で、すぐに會話を打ち切れるようにする為に。

これ以上、ここに居たら他の人の目が集まってしまう。

それがアイツらの耳に屆いたら、また今日も酷いモノになる。

「それじゃ」

早足でその場を去ろうとするが、腕を摑まれた。

振り払いたいけど、無理に払って吹き飛ばしたくは無い。

そのくらい、強く握っている。

私に武道の心得があったら、この拘束も抜け出せたのかもしれない。

「本當に、大丈夫?」

「大丈夫だよ。私は元気だし、怪我もしてない」

「じゃあ、その顔の傷はなんなの!」

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「これは、怪我じゃないよ。これは、守りだよ」

「無理しなくても良いって言ってるじやんか!」

⋯⋯なんで否定するんだろう。なんで否定されるんだろう。

私は昔よりも全然元気だ。栄養のある食事、朝晝晩のご飯、毎晩れるお風呂、私の心を癒してくれる空間、心休まる人達。何よりも、最高の家族が居る。

今の私は元気だ。何よりも元気だ。

私のどこをどう見て、元気じゃないと、決めつけるんだろう。

ウザイ。うるさい。めんどくさい。気持ち悪い。鬱陶しい!

なんで痕の事を怪我だと決めつけられる必要があるんだ。

私は心を込めて言ったろ。『守り』だって。

私の言葉はそんなに軽いか? そんなに説得力が無いのか!

お前は私の何を見ている。お前は私の何を知っている。

この痕は、私が本質を曲げずに上辺を曲げた証拠なんだ。

変わろうとして、そしてしだけ変わった証明なんだ。

痛みと恐怖に打ち勝った証拠なんだ!

なんで、なんでそれを他人なんかに否定されないといけないんだ。

裕也さんにも、紗波さんにも、大丈夫だと心配された。だけど、きちんと言ったら伝わったんだ。

なのに、なんでこの男は私を一番心配する風を裝っているのに伝わらないんだ。

こいつの偽善が一番私を汚す。不快にする。

だから、今の気持ちを込めた瞳で、相手の目を見てやった。

なんかもう怖くない。今あるのは怒りだけ。

「大丈夫だからさ。もう、良いでしょ。解放してよ」

そう言った。

イケメンの偽善を私は否定した。そしてそれを証明する証人達がここには大勢居る。

悲しき事かな。こうなると、悪いのは私であり、そして誰も近づきたくないアイツらにも近づく。

そして報が渡るのだ。

こうして、再び私はいつもの場所に呼ばれる。

だけど、勘違いしないでしい。私は私だ。昔の私とはし違う。

もうそろそろ、これも終わらせる必要があるだろう。

「調子に乗っているお前の腹に、拳をめり込ませてヤラ!」

「何その傷きっっも! 気取ってんの?」

「やれやれ〜バズるかなぁ?」

いつもの拳。それを避けた。

うん。今の私はこののレベルよりもかなり高い。

きが遅く見える。レベルの差があれば、技も素の能力も凌駕する。

それがこの世界。理不盡な世界の権化。ある種の平等現。

躱された事に怒りを覚えたらしく、スキルを利用した拳を飛ばそうとする。

流石にそれはきついと思い、防姿勢を取る。

だが、その時、この學校に居る全ての人間が予想不可能の事態が起きる。

育館を破壊し、中から大きな鬼が出て來る。

オーガ、その言葉が良く似合う鬼。武は金棒である。

太いトゲトゲの金棒。

「なんだ? 【火風の拳】【鉄拳制裁】【炎龍の咆哮】!」

波が速攻でオーガへと接近する。そのスピードは確かに速かった。

そして、生み出した遠心力を利用し、拳に火を纏わせ、スキルで自分を強化し、拳を突き出す。

だが、程の差が存在した。

「ごふ」

金棒がにめり込み、第二育館の壁まで吹き飛ばされる。

「へ?」

それによって、クソサンの他二人が呆然とする。

當然だ。一番強い奴があっさり負けたんだから。

「ヒノ、後ろに飛んで」

近くに潛んでいたヒノが私の隣に來て、後ろに飛んでその場を離れる。

それに気づいた他の二人が手をばして來るが、その橫にある育館の壁がもう一のオーガに破壊された瓦礫に潰される。

「あああああああ!」

「いぎゃああああ!」

その景に私は、高揚じた。

続々と近場の人間から集まり、管理局に連絡する人も居る。

モンスターを退治に來るプロ達が來るまでに、一どれだけの人が犠牲になる事やら。

責任は學校と政府に求められるだろう。ただ、責めたい人達が。

何もしないくせに一丁前に否定するカス共が群がる事だろう。

カメラを握った人が乗るヘリコプターが來るだろうか。

悲慘にるであろうこの場を全世界に報道するのだろうか。

楽しみだなぁ。

「たずっ」

「だれが」

足が瓦礫に埋まり、きが出來ない二人が掠れた聲で目を見開き、手をばして必死に、文字通り命を懸けて助けを懇願する。

だが、どうだろうか。

これが答えだ。答えを示すように、誰も奴らを助けにいかない。

いくら金持ちの子供だろうが、死んだら何も変わらない。

誰だって死にたくない。犠牲になる人が他人ならそれまでだ。

すぐに移した私を二人は見てくる。

なんだ、その目は?

今まで散々、暑い夏の日にお湯を掛け、寒い冬に氷をれた水を掛け、掃除は丸投げ、日頃のカツアゲ、ストレス発散の暴力、罪のり付け、言えばキリがない事をして來た奴らが?

この私に、助けを、求めるのか?

笑うしかないよね!

今までして來た事を棚に上げて助けを求める。

生きたいから全てのプライドやこれまでの事を捨てて助けを求める。

どうしてこうも稽に見えるだろうか!

因果応報、まさに君達に合う言葉じゃないか!

さぁ、もうすぐオーガがその金棒を振り下ろす。

それで奴らの命はそこで終わりだ。

あっさりと、終わるんだ。

必死に助けを求める馬鹿どもに、私は笑みを返してやった。

これが、お前らのして來た結果だと、伝える為に。

七瀬世羅

レベル:61

スキル:【神保有者】【魔剣契約者】【痛覚超耐Lv3】【神保護Lv3】【気配遮斷Lv4】【投擲Lv4】【遠目Lv3】【暗視Lv6】【敏捷強化Lv3】

:ヒノ(枕)

所有者:七瀬世羅

レベル:7

スキル:【破壊不可能】【自由移】【自由意志】【回復魔法Lv7】【回復強化Lv7】【催眠Lv7】【質化Lv7】【睡眠回復】【サイズ変化】【質保護】【収納空間】【高速移】【睡眠質向上】

飢えた魔剣《ブラッド・シュヴェールト》

所有者:七瀬世羅

レベル:3

スキル:【破壊不可能】【保存】【吸Lv3】【作Lv3】【自己再生Lv3】【長加速】

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