《した魔法~生まれ変わった魔法が、15年ぶりに仲間と再會する~》51 現れた助っ人は
散り散りになる魔翔を見屆けて、芙は修司か咲の登場を予測して振り返り、絶句した。
『もう大丈夫よ。さぁ』
相手が弘人や薫のほうがまだ良かったのにと思ってしまう。
杖を持った手でのにじむ左腕を強く抑えると、視界がふわりと霞み、芙はその場に崩れるようにぺたりと座り込んだ。
魔翔から芙を救ったのは、町子の姿をした黒いの魔翔だった。
取引はしないと決めた筈なのに、自分の弱さをけれてしまいそうになる。
『強さをあげるわ。今の貴には一番必要なものでしょう?』
その通りだ。強くなれば皆と一緒に戦うことができる。魔翔が大魔の死をんでいても、自分に力があればそのみを阻止できるかもしれない。
弘人や類のように戦いから逃れたいわけではないのだから。今の弱くて負傷した狀況よりはましな気がする。
「貴は大魔の死の為に、私と取引したいの?」
『そうよ』と即答する。可げのないだ。
「じゃあ取引した後、私が大魔を殺すことを嫌だって言ったら?」
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『私が貴を殺してあげる』
嬉しそうに笑んで、魔翔はゆっくり芙に近付いてきた。
「貴は強くなるんでしょう?」と目の前に屈んで手を差し出してくる。
『誰にも負けない強い力をあげる。私を殺したいなら、その後に倒せばいいでしょう?』
心が揺らいだ。
気分が悪くなってきて、肩で何度も呼吸を繰り返す。
遠くで戦闘の音がした。
皆が全力で戦っている。弘人もそこにいる。
自分も取引すれば、その中にることができるだろうか。
芙は負傷た腕から手を放した。赤くで染まった掌が、彼の手を取れば楽になるよと語りかけてくる気がして。
「私は……戦いたいの……」
恐る恐る腕をばして、町子をけれようとした。
指先がれ合うその寸前に――
「駄目よ!」
突然響いたその聲に、芙はハッとしてばした手を引き戻した。
「……なんで」
隠れていてしいと伝えた筈なのに。大魔ミナがそこに立っていた。
いつも通りの半袖ショートパンツ姿。大魔らしからぬ風貌だが、辺りの空気がざわめきだした。
『大魔か!』と町子の姿をした魔翔はんだ。素早くをミナへ回して、スタートを切るように飛び掛かる。
ミナは大魔だが、五人に力を與えたことでもう戦えないと言っていた。
「駄目」と芙が慌てて立ち上がる。杖を回すが、足を踏ん張らせると視界がぐらりと揺れて、魔法陣も消えてしまう。
魔翔もまた杖を出して、かつての町子や芙と同じように赤い文字列を空間に放ち、深紅の炎を立ち上らせた。ミナはショートパンツの後ろポケットに刺さった杖を抜く。
「ミナさん!」
芙がぶと同時にミナは杖を回した。
ブンと低い音を出しながら白い魔法陣が回転し、ミナの手のきに合わせて上昇した。彼より高い位置から魔法陣そのものが魔翔に向けて叩きつけられる。
を捕らえる網のようにの文字列が魔翔のに絡みつくと、痛みがあるのか『ぎゃあ』と悲痛な聲が響いた。床に転がった黒いには白い文字列が刻まれ、シュウと全から煙を立ち上らせて消えて行く。
「すごい。ミナさん」
靜まり返った廊下で芙が視線を返すと、ミナは「はぁ」と疲労の表を浮かべて側の壁にを預け、右手の甲で額を覆った。
「戦えないって言ったけど、全然使えないわけじゃないのよ。ただ、この間記憶を戻した時も熱が出たでしょ? 一回使っただけで力の消耗が酷いから、現実的に戦闘は無理なのよ。だから、いつもはそうならないようにを潛めているの」
青ざめた顔で息を吐き、ミナは手を下ろした。
「今のは倒せたけど、油斷したらまた取引しろって出てくるわよ? 魔翔の言いなりになんてなっちゃ駄目。芙、貴は自分を弱いと思ってるかもしれないけど、そんなことないわ。すぐ他の仲間に追いつけるから、自信を持って」
「でも、今が一番戦わなきゃいけない時なのに」
「そのことだけど……もし貴が本當に強くなりたいなら、方法がないわけじゃないの」
ゆっくりと壁からを起こし、ミナは芙の前に立った。
芙はごくりと息をのむ。彼の真面目な表をしだけ怖いと思ってしまうが、自分の気持ちに変わりはない。
「今よりしでもいい。強くなれる方法があるなら、私は何でもやりたいです」
お願いしますと頭を下げる芙に、ミナは「そう」と表を緩めた。
「良かった。貴が――」
「芙!」
カツカツと足音が近付いてきて、薫の聲がミナの言葉を遮った。それを追って幾つも足音が増え、弘人や修司、咲も加わる。
芙はミナを背にして前に出るが、隠しきれるわけはない。バタバタと咲と修司が芙を挾むように橫に立ち、薫たちと対峙した。
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