《機甲學園ステラソフィア》チーム対抗戦
スズメは自らの裝騎に乗り込み、服を著込むように、手足を機械の中に潛らせた。
機甲裝騎は騎使自らの小さなきを増幅し真似することによって人間のようにくことが可能となる所謂セミ・マスター・スレイブ方式を採用している。
この縦方式をマルクトではオーバー・シンクロナイズ――OSとも俗稱する。
その他にもゲーム覚で裝騎の縦が可能となるセミ・オート・アクションシステムも搭載しているが、こちらは作がワンパターンになるため小學生など子どもが裝騎に慣れるためや、長距離移時の負擔軽減のために使うのが主だ。
裝騎の正面《メイン》モニターにパスワードの力を求める1文が表示された。
學手続き時に設定したパスワードを力することで起者がサエズリ・スズメ本人である事を確認する。
瞬間、スズメのに悪寒や痺れにも似た覚が走った。
しかし、その悪寒は正常に裝騎が起した証でもある。
「騎使認証クリア、霊子伝達接続――正常、バッテリー殘量――問題なし、霊子出開始――アズルリアクター稼働――魔電霊子(アズル)の生開始――――アズル出力安定」
Advertisement
そして裝騎のコンピュータがスーパーコンピュータ・シャダイへと接続を始めた。
マルクト國の全ての機甲裝騎は、シャダイコンピュータとリアルタイムでリンクする事により、あらゆる報の共有や保存、更新が可能となる。
「各項目、チェック――――オールグリーン!」
ざっと設定項目に目を通し、問題ないことを確認する。
「やっぱり、獣腳だと関節の曲がり方に違和あるなぁ……」
軽く足踏みをし、新しい裝騎の覚にを慣らす。
「どうだスズメちゃん。いけそうか?」
右側のサブモニター、その一角にツバサの姿が映る。
ツバサからの映像通信を信したのだ。
「はい、行けます!」
スズメがそう告げると、ツバサは頷き、
「スズメちゃんの裝騎データも確認した。なるほど、可い名前だな」
「えっ、ちょっ、可いとか言わないでくださいよ!」
全ての裝騎のデータはシャダイに保存されている。
そのため、レーダー圏に居る裝騎のデータは自的に照會され、表示されるのだ。
「さぁ、さっさと始めるんですよ!」
「スズメちゃん裝騎……どんなものか楽しみですわね」
ツバサの姿の下に続き、マッハ、チャイカの姿が表示される。
「2人ともきっと度膽を抜くぞ」
「それは楽しみなんですよ!」
盛り上がる3人に、スズメは苦笑する。
「試合開始申請も承認! 防護フィールド起――――さてと、それじゃあ、アタシが合図したらチーム対抗戦始めようか。準備は良いか?」
「もちろんでやがりますよー!」
「はい、大丈夫ですわ」
「が、がんばります!」
それぞれがそれぞれの言葉を口にし、それにツバサは頷く。
「オッケー、じゃ、チーム対抗戦――」
スズメはゆっくりと深呼吸をし、心を落ち著かせる。
靜かにメインディスプレイを見つめ、軽くをした。
そのきに呼応するように、裝騎もそのを震わせる。
「開始!!」
ツバサの言葉と同時に、マッハとチャイカの映像通信が遮斷され、裝騎が戦闘モードに移行した。
スズメはツバサの駆る裝騎スーパーセルに頷いて見せると、スーパーセルはグっと親指を突き出しGOサインを送る。
「サエズリ・スズメ、スパロー。行きます!!」
そう勢いを込めて口にし、右足を踏み込んだ。
地面を踏みしめる腳部がしなりながら、軽快なリズムを刻んでいく。
裝騎スパローは逆腳だと言う事もあり、縦に若干の心配があった。
しかし裝騎自の姿勢制機能の存在もあり、普通の裝騎をるのと大差ない覚にスズメは心安堵する。
ビービービー!!
不意に鳴り響く警告音。
正面から近付いてくる1騎の機甲裝騎の姿をスズメは見た。
青をベースカラーとして、烏の翼のような艶のある黒い裝甲を纏った細の裝騎。
その顎部にある赤いラインが特徴的だ。
「ひゃっはぁー! 敵機ハケーンですよ!!」
敵機のデータが照會され、サブディスプレイに表示される。
カスアリウス・マッハの裝騎チリペッパーだ。
「ナイフだけで出てくるなんて迂闊なんですよ!」
「正面から突っ込んでくる!?」
その裝騎は、裝騎の中でも最軽量と言われるPS-H2ヘルメシエルをベースにした裝騎。
最軽量と言う事は、それだけ脆いと言う事なのだが。
「あんな裝騎で突っ込んでくるなんて――!」
マッハるチリペッパー、その両腕に構えるのは16mmファイティングショットガン。
スズメは咄嗟にその自らの裝騎を跳躍させる。
バダン!!
先ほどまで裝騎スパローの居た場所に複數の弾痕が刻まれた。
「避けられやがったですか!?」
チリペッパーの遙か頭上を舞ったスパローはそのあまりの跳躍力から空中でクルリと一回転をする。
「ひぇあ!?」
想像以上のその力に乗っているスズメ自思わず変な聲を出してしまう。
ズシン!!
スパローは地面を揺らしチリペッパーの背後に著地する。
一瞬、気が転していたスズメだったが、すぐさま気を取り直し、振りむき様に右手のナイフを一閃。
「うわっと、危ないんですよコノヤロー!」
スズメの反応が一瞬鈍ったそのお蔭でチリペッパーはナイフの鋭い閃きから逃れる。
チリペッパーはそのまま反転すると、
「オラオラですよォ!!!」
と両手の16mmファイティングショットガンを連続でぶっ放す。
「んぁっ――!? くぅ――ひぁっ、激しいっ!?」
警告音が鳴り響く中、銃弾の雨の中から抜け出そうと裝騎を跳躍させる。
しかし、小型で小回りの利くチリペッパーを相手に逃げ回るのは困難だった。
その時、チリペッパーの背後からスーパーセルがブースト機で走してくる。
「はっはっは、面白いだろマッハちゃんは」
「面白いっていうか滅茶苦茶ですよぉ!」
ババババとスーパーセルの12mmバーストライフルが火を噴き、チリペッパーを襲った。
「うにぁ!? しまったファッキンですよ!!」
突然の衝撃にチリペッパーのきが一瞬止まる。
その隙を今度こそスズメは見逃さなかった。
「これで――一騎!」
グッとを屈め、ナイフを右手にスパローをチリペッパーへと突っ込ませる。
ナイフの一閃がチリペッパーを捉えようとした――その時だった。
注)セミ・マスター・スレイブシステム
富士見ファンタジア文庫より刊行される賀東招二原作のライトノベル「フルメタル・パニック!」において人型兵アーム・スレイブに用いられる縦技。
実際に存在するマスタースレーブと言う作技を応用したもの。
マスター・スレーブとは、縦者ののきを機械などが読み取り、再現する技だが、それを狹いロボットのコクピットで可能にしたのがセミ・マスター・スレイブシステムである。
搭乗者の小さなきを、設定された角度だけ増幅する事で、人のきを再現することができる。
本作では、フルメタル・パニック!に敬意を表し、機甲裝騎の基本的な縦方法として引用させてもらった
オマケ
ステラソフィア・キャラクター名鑑
2年:チーム・ブローウィング所屬
名前:Casuarius Mach
読み:カスアリウス・マッハ
生年月日:聖歴152年2月14日
年齢:16歳(4月1日現在)
出地:マルクト國テューリンゲン市
長:148cm
重:45kg
使用裝騎:PS-H2S:Chili Pepper(ベース騎PS-H2:Hermesiel)
好みの武:膝部キックブレード
ポジション:ブースター
公立エリーゼ子中學出。
裝騎レースでの驚異的な績を認められステラソフィアに推薦學。
趣味は風になること。
個人的な聲のイメージは徳井青空さん。
Waving Life ~波瀾萬丈の日常~
※題名を変更しました。 主人公、蔭山 剣也(かげやま けんや)が多くのヒロインと引き起こす、波亂萬丈の青春ラブコメディー。 岸川 蘭華(きしかわ らんか)は、いつも一緒に遊んでいた幼馴染。 皆田 絵里(みなだ えり)は、実は小學校時代に不良の自分を救ってくれた恩人。 そんな2人から入學して僅かの間に告白される。 そして更に、蘭華は留學することになり更なる問題に直面する。 その他沢山の問題にぶつかっても挫けずに頑張る主人公やヒロイン達に注目! 多くのヒロインと関わることで、主人公の感情は変化していく! 戀愛もの好き必見‼︎ ジャンル別日間最高19位、週間65位の作品です。
8 197あえて鈍感のふりをしてみた
お父さんが新しいお母さんと再婚することになった! それと同時にアメリカ留學していた裕太は日本に帰ることに そして、ものすごく可愛い妹が一人できるみたい かなり俺のことを好意的に見てるみたいだけど、これってもしかして鈍感なふりをしたらいっぱい甘えてくれるとか? ありえるよね!よし、そうしよう! 軽音要素多めです。苦手な人はブラウザバック。 ちなみに筆者はバレー部です笑 初投稿なのでミスなど指摘してくれるとありがたいです かなり誤字あるみたいですすみません! 指摘され次第すぐに直します! コメントも待ってます! ツイッターアカウント作りました!フォローしてちょ @yamataro_364 DMやリプも受け付けてます 表紙描いてくれる人募集中!! 740フォロー、640いいね、ありがとう!!! 投稿再開!!
8 124ボクの彼女は頭がおかしい。
「その消しゴム拾ったら、彼氏になってもらうけど大丈夫?」 「へ…?」 ある日突然、パーフェクト美少女に告白された普通すぎる高校生の僕。 クレデレ系(※)ヒロインに振り回される日常を、ゆるゆる描寫のオンパレードでお送りします。 つまりはラブコメです。はい。 ※クレイジー×デレ
8 150男がほとんどいない世界に転生したんですけど
部活帰りに事故で死んでしまった主人公。 主人公は神様に転生させてもらうことになった。そして転生してみたらなんとそこは男が1度は想像したことがあるだろう圧倒的ハーレムな世界だった。 ここでの男女比は狂っている。 そんなおかしな世界で主人公は部活のやりすぎでしていなかった青春をこの世界でしていこうと決意する。次々に現れるヒロイン達や怪しい人、頭のおかしい人など色んな人達に主人公は振り回させながらも純粋に戀を楽しんだり、學校生活を楽しんでいく。 この話はその転生した世界で主人公がどう生きていくかのお話です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この作品はなろうやカクヨムなどでも連載しています。 こちらに掲載しているものは編集版です。 投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。 必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。 1話約3000文字以上くらいで書いています。 誤字脫字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。 第一章が終わったので、ノベルバでこの作品を更新するのはストップさせていただきます。 作者の勝手で大変申し訳ないです。 続きを読みたいと言う人は……是非カクヨムなどで見て欲しいです。
8 197【連載版】落ちこぼれ令嬢は、公爵閣下からの溺愛に気付かない〜婚約者に指名されたのは才色兼備の姉ではなく、私でした〜
アイルノーツ侯爵家の落ちこぼれ。 才色兼備の姉と異なり、平凡な才能しか持ち得なかったノアは、屋敷の內外でそう呼ばれていた。だが、彼女には唯一とも言える特別な能力があり、それ故に屋敷の中で孤立していても何とか逞しく生きていた。 そんなノアはある日、父からの命で姉と共にエスターク公爵家が主催するパーティーに參加する事となる。 自分は姉の引き立て役として同行させられるのだと理解しながらも斷れる筈もなく渋々ノアは參加する事に。 最初から最後まで出來る限り目立たないように過ごそうとするノアであったが、パーティーの最中に彼女の特別な能力が一人の男性に露見してしまう事となってしまう。 これは、姉の引き立て役でしかなかった落ちこぼれのノアが、紆余曲折あって公爵閣下の婚約者にと指名され、時に溺愛をされつつ幸せになる物語。
8 104聖女のわたくしと婚約破棄して妹と結婚する? かまいませんが、國の命運が盡きませんか?
リリアベルは、生まれつき身體に百合の紋章を宿した聖女だった。 けれども、人の感情がオーラとして見える特殊能力があるのを、婚約者のアーサー公子からは疎ましく思われている。 「お前とは婚約破棄して、妹のララローズと結婚する!」 華やかな仮面舞踏會の夜、とうとう高らかに宣言される。 その上彼は、聖女の証まで噓だと疑ってきて……? 「今ここでドレスを脫ぎ、印を見せてみろ」 乙女の肌を大衆の目にさらすわけにはいかない。 抵抗するもむなしく、背後から捕えられ、絶體絶命のピンチに――。 「やめろ!」 そこへ、仮面をつけた見知らぬ男性が現れたのだった。 ※2022/11/17異世界戀愛日間ランキング11位・総合日間13位・総合日間完結済4位 応援ありがとうございます。 ※第一部だけでも婚約破棄がテーマの短編としてお楽しみいただけます。 ※第二部は後日談的な位置づけとなります。 ※2022/12/02カクヨム様にダイジェスト版の掲載をしました。
8 145