《機甲學園ステラソフィア》スタートダッシュ

「ひゃっはぁぁあああああああああ、風になりやがるんですよぉぉおおぉおぉおおおおおおおおお!!!!」

戦いの始まりが告げられたその瞬間、カスアリウス・マッハの裝騎チリペッパーが最高のスタートダッシュを切った。

元裝騎レースの選手だったカスアリウス・マッハ。

もしもこれがレースゲームだったのなら、これ以上の走り出しは無いだろう。

「うっわ、あの野郎今日に限ってこんな快速!!! みんな続けぇ! マッハちゃんに振り切られないようにな!!」

「あらあら、今日は一段とお元気ですわねぇ」

「ひぇぇええええ、本當にこんなんで大丈夫なんですかぁ――!?」

ブローウィングそれぞれのメンバーも裝騎を走らせ、ブースターを吹かせ、チリペッパーの後へと続く。

チリペッパーが駆け抜けながら、細い木々を膝部に裝備されたレーザーブレード、通稱キックブレードで切り倒しながら駆け抜けていく。

「あ、あのー、ツバサ先輩……これって私達の位置バレバレなんじゃ」

Advertisement

「言うな。それ以上何も言うなスズメちゃん……」

「リーダー、このまま12時――恐らく裝騎が1待ち構えていますわ」

サエズリ・スズメの裝騎スパローと共に最後尾を走るテレシコワ・チャイカの裝騎スネグーラチカが前方で待ち構える裝騎の姿をじる。

「マクブライドか――?」

「ええ、恐らく」

「で、でも、レーダーには何も映ってないですけど……」

「この速度でしたら、もうすぐレーダーにも映り――ましたわ」

レーダーに敵を表す點が一つ示される。

そして、點の解析報として、PS-M-A2S:MacBrideの表示が現れた。

「本當にマクブライド――!!」

「チャイカの勘はよく當たるからなぁ」

「か、勘なんですか――!?」

「この子の索敵機能と魔力増幅機能のおなだけですわ」

パン! パン!

不意に散発する銃聲が木々の葉を揺らす。

どうやら、チリペッパーがモード・ヘレネの裝騎マクブライドと戦闘にったらしい。

「アタシらもさっさと追い付いて、マッハちゃんを――――」

「うぎゃぁぁあああ!!??」

耳をつんざくようなマッハのび聲と共に、チリペッパーの反応が消える。

「おい、マジかよ…………」

気付けば、いつの間にだろうか。

先ほどまでチリペッパーが居た場所に現れた1つの敵正反応。

解析報PS-A4S:Fergus。

「ほい、一丁上がりーっと」

チリペッパーに対裝甲溶斷刀カラドボルグを突き刺し勝ち誇るのはエール・カトレーンの裝騎ファーガス。

白銀の甲冑を思わせるアーマーに、剣を持つその姿はまさに騎士の出で立ちだ。

どういう訳か、チャイカの勘も裝騎のレーダーも誤魔化し、チリペッパーを不意打ちをしたその裝騎。

だが、姿を消していたのはファーガスだけでは無かった。

赤みがかった黒に、薄いくすんだピンクのラインが裝騎の中を包んでいるマクブライド。

そんなマクブライドの周囲を奇妙なオーロラの揺らぎが包み込んでいた。

タタタタン

それを確認したワシミヤ・ツバサの裝騎スーパーセルが12mmバーストライフルを連する。

「解除、波力障壁……転用、魔力障壁、発現」

その弾丸はオーロラの輝きを解除したマクブライドが放った青い白い空間の歪みに阻まれ、弾き飛ばされた。

と、同時に、ファーガスの背後から、2つの騎影がそれぞれ別の方向へと飛び出す。

「イヴァちゃんは左側頼むで!」

「はい!」

「先ほどのオーロラは魔力やレーダーを遮る障壁――そんなことが出來るんですの!?」

そう、チャイカの勘もレーダーも騙したモード・ヘレネが編み出した魔、波力障壁。

レーダーによる索敵も、魔力による索敵も、探知波と呼ばれる波の質を利用して行っている。

それら波が持っている質や報をゆがませることで、探知を逃れたり、相手に伝わる報をコントロール出來る魔、それが波力障壁だった。

チャイカの勘も、自らが放った魔力索敵の結果から微妙な違和を直的に見つけ、その違和を鮮明化させることで相手を特定するというもの。

この場合はブローウィングの裝騎が放った探知波と、チャイカの魔力探知に対しマクブライド以外の裝騎の反応を消すことで、マクブライド1騎で待ち構えているように錯覚させたのだ。

自分の周囲數m程度であれば波力障壁は有効であるが、それだけの意思集中を伴う事と、戦闘機を取りながらでは使用がほぼ不可能な點は欠點だろうか。

「撃つ」

マクブライドがその両手に武を構える。

それは14mmナイフブレード・サブマシンガン――小型の短機関銃上部にナイフの刃が突き出た歪な銃だ。

その弾丸がフルオートでばら撒かられる。

「あぶねえ!!」

「やらせないですわ――!」

慌ててバックステップを踏むスーパーセルと、れ替わる様に最前面に出てくるスネグーラチカ。

スネグーラチカの左手から、青白いが放たれる――。

激しい空間の揺らぎと、マシンガンの銃弾が激しくぶつかるその隙に、ファーガスとマクブライドが木々に紛れて消え去った。

「ツバサ先輩――!」

「くっ、分かってる!」

話に聞いていたルード・オブ・タイムが今まさにそれが実戦されようとしていた。

オマケ

ステラソフィア・キャラクター名鑑

3年:チーム・ウィリアムバトラー所屬

名前:Eire Kathleen

読み:エール・カトレーン

生年月日:聖歴151年2月24日

年齢:17歳(4月1日現在)

地:マルクト國チューリヒ

長:165cm

重:60kg

使用裝騎:PS-A4S:Fergus(ベース騎PS-A4:Abdiel)

好みの武:対裝甲溶斷刀カラドボルグ

ポジション:アタッカー

公立メイガス子中學出

近接格闘戦でのセンスをじさせステラソフィアに自己推薦學。

趣味は料理。

しかし、周囲からはやや不評をかっている。

個人的な聲のイメージは伊藤靜さん。

    人が読んでいる<機甲女學園ステラソフィア>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください