《機甲學園ステラソフィア》楽しい団欒
「これにて、本日の全日程が終了したのだぁ!! 続きは明日っ、お楽しみになのだ!」
時刻は16時半ごろ。
初日の試合が終わり、それぞれが解散しはじめる。
「いやぁ、凄かったなミステリオーソ! これは今年の新歓はオレたちバーチャルスターとミステリオーソで決著かな?」
「んな事ない、絶対にミステリオーソを倒して決勝まで行ってやるさ」
「そ、そうです! 私達ブローウィングが優勝して見せます!」
ソレイユの言葉に、ツバサとスズメがそう言い切る。
それは、自分たちに向けた勵ましでもあったのかもしれない。
「ほう、1年の癖にいうなぁ! バーチャルスターにも1人くらいスズメちゃんしかったな」
「えっ」
「あ、いや、冗談だってサリナ!」
「でも、そうやな。ウチんとこにも1人しいな。カトレーンの代わりに」
「リーダー酷い!?」
「1チームに1人、サエズリ・スズメか……」
「ヘレネもしい。個人用」
「イヴァも――」
「ってコレ何の話ですか!?」
ミステリオーソの力にやや張していた空気がほぐれる。
「今日はもう疲れたし、寮室に戻った方が良いかなぁ」
「なんだツバサ、もう休むのか?」
「休ませてくれよ……」
「はは、まぁ、オレももう部屋に戻るつもりなんだけどな」
お喋りをしながら、寮の元まで戻る一行。
それから、寮の前で別れ、それぞれはそれぞれの寮室へと戻って行った。
ブローウィングの寮室。
優しいベージュで塗裝された落ち著き払った空間だ。
中央のリビングダイニングキッチンと、それぞれの個室からなっている。
リビングに置かれた大型テレビから流れる軽快な音楽の中、床に敷かれたカーペットの上で倒れているツバサにソファーでいびきをかいて寢ているマッハ。
そしてキッチンでいそいそと夕飯の準備をしているチャイカ。
そこに何故か、スズメを抱きながらテレビをじっと見るヘレネの姿があった。
「スズメちゃん、何見る? テレビ」
「な、なんでもいいです……」
「あーヘレネ、そろそろ……」
「何?」
「デイリィ裝騎始まるから6チャンに変えてくれね?」
「分かった」
「そろそろ帰ってくださいよ……」
チャンネルが変わると、始まった番組デイリィ裝騎。
これはマルクト國であったあらゆる裝騎に関することを放送するエンターテイメント番組だ。
「お、やっぱり新歓のことやってるね」
「あ、本當です……」
その番組では、今日ステラソフィアで行われた新生歓迎大會の模様を放送していた。
參加チームやハイライトシーンと言った々なものが流される。
その中でも特に大きく取り扱われていたのはやはりチーム・ミステリオーソ、ヒラサカ・イザナの4人抜きだ。
「こうして見てみると、やっぱりすげーな……ヒラサカ・イザナは」
「はい……強敵です」
番組としても、やはり注目カードは順調に行けば決勝に行われるチーム・バーチャルスターとチーム・ミステリオーソの戦いらしかった。
來るであろうミステリオーソとの戦いにスズメとツバサが思いをふけっていた最中、ヘレネがポツリとつぶやいた。
「出てる。スズメちゃん」
「うへっ!?」
番組でイザナ程じゃないが、サエズリ・スズメについての放送もあった。
実際、スズメが扱う裝騎が史上初で実質専用機狀態であることや、ウィリアムバトラー戦で見せたムーンサルトはかなりの注目を浴びている。
「わぁ……お父さんとお母さんも見てくれてるかなぁ……」
「アタシだって、これでも新歓の度に出てるんだぞ? デイリィ裝騎」
「えっ、そうなんですか!?」
「ソレイユさんの引き立て役として、ですわよね」
「おいチャイカ――いや、これでも1年の時はワイヤーアンカーを使った立機で注目を――――」
チャイカの言葉に、ツバサは思わずチャイカへと顔を向けその言葉に異を唱えようとするが
「はいはい、そろそろ夕飯できますよ?」
と軽くあしらわれる。
「おいチャイカ!」
ツバサははぁ、とため息を吐くとテレビに向き直った。
「そういえば、スズメちゃんって裝騎好きなのにこういうテレビは見た事ないの?」
「あ、はい……つい最近までテレビも無かったですし……」
「つい最近まで……?」
「うちって貧乏で……でも、ステラソフィアって國立だから授業料とかかからないし、國家推薦だと結構な奨學金とか貰えるじゃないですか。そのお金で」
「スズメちゃんって國家推薦だったの!?」
「あれ、言ってませんでしたっけ……?」
「スズメちゃん、ゴイスー」
「あ、ありがとうございます?」
「ま、まぁ、そのお金で親に恩返しできたなら良かったな」
「はい!」
そんな話をしている間に、良い匂いが部屋に充満していく。
「お夕飯できましたわ。いただきます?」
「おう、いただくいただく!」
チャイカが運んできた今日の夕ご飯。
それはカレーだった。
味自は薄味ながら、素材の味を生かした素樸な味わいのあるカレー。
それがチャイカの得意料理だった。
「うわぁ、カレーだ! 味しそうです……」
「マッハも起こしてやるか……」
「ご賞味」
「って何ナチュラルにヘレネ先輩の分も用意されてるんですか!?」
「分かってる。チャイカ、流石」
「ありがとうございますわ~」
「さすがに夕飯食べたら帰ってくださいよ?」
「やだ。お泊りする」
「お泊りって――」
「泊めてやれよスズメちゃん。何かあったらすぐ呼んでくれれば良いし」
「何かってなんですか!?」
「襲う」
「も蓋も無い!!」
そんなじでブローウィング+1人の夜は更けていくのであった。
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