《機甲學園ステラソフィア》竪琴と死神-演習場を駈ける者-

裝騎キラとリラライラを狙って駆けるサエズリ・スズメのスパロー。

「見つけた――」

「來たわね」

正面から待ち構えるのはナガトキヤ・ライユの裝騎キラのみで周辺にリラライラの姿は見えない。

「挾撃するつもりですね……」

レーダーに目を向けると、回り込むようにくリラライラを示す點。

「でも――」

それに気づいていながらも、スズメはスパローをそのままキラへと走らせた。

「このまま來くるのね――」

スパローが両手に握ったウェーブナイフが僅かに振を始める。

それを迎え撃つように、キラは戦闘鎌インコンシステント・ラヴの刃をレの字に展開し、構えた。

「いきます――!!」

ギィイン!!

スパローの両手に持ったナイフの刃とキラが構える鎌の刃の背がぶつかる。

互いのナイフと鎌がぶつかり合い、火花を散らす。

「そ、そこぉ――!!」

スパローとキラが刃をぶつけ、火花を散らすその後方。

回り込んできていたリラライラが飛び出し、スパローへ向けてダガーガン・トロイメライを構えた。

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「來た!」

「――――リラライラ、引っ込みなさい!!」

「えっ!?」

トロイメライからダガー弾が出されたその瞬間、スパローはそのを跳躍させる。

「ムーンサルト――――」

スパローは空中でを捻らせながらリラライラの背後に向かって落下。

「ストラァァイク!!」

「ひぅっ!? ぅきゃあああ!!!」

スパローのナイフがリラライラを切り裂かんと振るわれた剎那――リラライラの両腕、両足に裝備された加速ブースターに火が燈る。

ゴォゥゥウウ!!!

リラライラはでたらめに振り絞られた加速ブースターに引っ張られるように、勢を崩しながらもスパローのナイフからをかわした。

虛しく宙を切ったスパローのナイフ。

リラライラは崩した勢を、中のブースターを何とか使い立て直すと、キラの背後に控えた。

「あ、あ、あ、危なかったぁ…………」

リラライラの騎使リュディケはそう獨り言ちながら、ダガーガン・トロイメライを構えなおす。

「い、いけぇ!」

バシュ! バシュ! と音が響き、リラライラはダガー弾を放った。

そのダガー弾をスパローはナイフで弾き飛ばす。

弾き飛ばされたダガー弾は、木へと突き刺さると、瞬間、発した。

「ボムダガー弾――!!」

炎が上がり、視界が煙に遮られる。

スズメは素早くレーダーを確認する。

木々へとをひそめるように、後方に下がる點――PS-S3S:LiraLyra。

それとは別にこちらに向かってくる――――

「これは――!?」

黒煙が、向こうから襲い來る何かに引き裂かれるように揺らぐ。

咄嗟にナイフを構えるスパローは、見えない衝撃に打ち飛ばされ、その背を背後にあった木へとぶつけた。

レーダーに映っているのは、普段よく見る點ではなく黒點。

PECULIAR――異常反応を示す文字と共に表示されている。

「これが、裝騎キラのステルス能力!」

風が黒煙を振り払い、スパローの左側面から襲い來る。

スズメの目にはよく見えないが、それは間違いなくキラがる戦闘鎌インコンシステント・ラヴの一撃だった。

「くっ――ブレードエッジ!!」

スズメの聲に答えるように、スパローの全が展開し、刃が現れ、黃金を帯びる。

そして、黒煙の流れとステルス時に発生する揺らぎに目を凝らし――

ギギィイン!!

左腕の碗部ブレードで戦闘鎌インコンシステント・ラヴを防ぐと、そのまま右腕をキラに突き立てんとそのを進める。

「っ――――やはり向かってきますね――」

キラはそれを読んでいたようにをかわす。

ステルスにより、間合いを上手く読み取れなかったと言うのと重なり、スパローのブレードは虛しく宙を突く。

キラは即座に戦闘鎌インコンシステント・ラヴの刃をI字に可変させると、をかわした時のの捻りを使い、スパローを背後から裂こうとインコンシステント・ラヴを閃かせた。

スズメもそう簡単にやられる筈は無く、そのまま前方にスパローを跳躍させかわした。

「今です!!」

「は、はい!!」

だが、ライユの狙いはそこだったようだ。

バシュバシュ!!

宙を舞うスパローを狙い放たれたリラライラのダガーガン・トロイメライ。

「まだです!!」

肘や膝など、全のブレードを使い、リラライラの放ったダガー弾を弾き飛ばす。

「なるほど――全にウェーブブレードを纏うことで攻撃力だけではなく防力も上げることができるのね」

エネルギーを流し起すれば、基本的にはほとんどのを切斷することができるのがマルクトの機甲裝騎の裝備するブレード系格闘武

それを全に備えたスパロー・ブレードエッジは、裝騎自を狙って放たれる理攻撃を全て切斷する。

もっとも、同じく起狀態にあるブレード系格闘武は切斷できないのだが。

「ですが――」

いつの間にか、裝騎キラの手に握られていたダガー弾。

それはスパローがムーンサルト・ストライクをする瞬間にリラライラが放ったダガー弾――キラは、リラライラがスパローを狙ったダガー弾を摑みとると言う荒技を行っていたのだ。

それをキラは投擲し、スパローのへと突き刺した。

「ダガー弾がスパローに!? …………でも、なんとも、ない?」

スパローの背後に突き刺されたダガー弾。

そのダガー弾によってもたらされるダメージを覚悟したスズメだが、特に何も起きない。

「スパローは想像以上にしぶといわね。でも、元々の予定通り――リラライラ!」

「は、はい!」

そして再び放たれるリラライラのダガー弾。

その弾は明らかにスパローを狙ってはおらず、スパロー眼前の地面に突き立てられた。

「危ないっ」

後方にバックステップを踏むスパロー。

剎那、ダガー弾は発し、炎を上げる。

レーダーに目を向けると、やはりキラの反応がPECULIARへと変化し、ステルス機能を使用した事がわかる。

「どこから、どこからくる――!?」

リラライラとキラ、両者のきをレーダーで確認しながら警戒をするスズメ。

しかし、キラはスパローに襲い來る気配が無い。

どころか、その戦線から離を始めた。

「なっ、どうして!?」

理由は分からないが、そのきは明らかにツバサたちの元へと足を向けていた。

「ツバサ先輩! 裝騎キラがそっちに向かってます! 気を付けてください」

すぐさまツバサにそう通信をれるスズメ。

「クレセントムーン、レーゲンボーゲン。コード・Aを」

一方、ステルス狀態で移しながらライユもクレスとトワイにそう通信をれる。

「リラライラは巻き込まれないように気を付けなさい」

「は、はい!」

「――――さて、目障りなスパローには、ご退場願いましょうかね」

オマケ

ステラソフィア・キャラクター名鑑

3年:チーム・リリィワーズ所屬

名前:魄月 Cresce

読み:ハクツキ・クレス

生年月日:聖歴150年5月24日

年齢:17歳(4月1日現在)

地:マルクト國ドルトムント

長:169cm

重:62kg

使用裝騎:PS-R4S:Crescent Moon(ベース騎PS-R4:Raphael)

好みの武:巨大チャクラム・アニュラーイクリプス

ポジション:アタッカー

私立ボイトフュール中學出

裝騎での人間的でらかなきがステラソフィア関係者の目にとまり推薦學。

趣味は舞踴やダンスなど。

ハクツキ家は東洋的な舞踴を元に獨自発展したハクツキ舞踴と言う獨特な舞踴を生業とする。

個人的な聲のイメージは渡辺明乃さん。

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