《存在しない語の後日譚》第1章

「イチロー!ねぇイチロー!」

「……」

ニホンからやって來て毎日釣りばかりしている老人……イチロー。島のみんなは不気味がって近寄らないけど僕はイチローが優しい人なのを知っている。時々遊んでくれるし食べもくれる。

「ん?」

なんだろ?浜辺の方が騒がしい。

「僕ちょっと見てくるよ」

「……ああ」

「グアーッバッバッバッ!」

「きゃあぁぁ!」

ヒゲモジャの大男が村一番の人。ミーナを肩に擔いでいる。サンデマガ島のカイリキ一味のゴーガン!?何であいつがここに?サンデマガ島とは平和條約があるハズなのに!

「俺様が一番強い!一番えらい!だからこれからは俺がルールを作るのだぁ!」

「ふざけるなっ!ミーナを離せっ!うぷっ!」

「弱い奴に人権はなーい!」

軽い蹴りで盛大に吹っ飛ばされてしまった。

なんて強い。それに比べて俺はなんて弱いんだ。一瞬でも気を抜いたら気絶しちゃいそうだ。苦しいよぉ。

「子分ども!ミーナを俺の船に運んでおけ!さぁ!この島の雑魚ども!俺様に文句がある奴は前に出ろ!こいつみたいにしてやる!」

『『……』』

誰も前に出ない。しょうがないんだろうけど悔しい。ちきしょう!ちきしょう!

「挙手させてもらおうか」

「……あ?なんだジジイ?」

「イチロー!?」

イチローが片手を上げてゴーガンに向かって歩いていく。

危ない!イチロー!弱なニホンジンにゴーガンが倒せるわけ……

「一発毆ってやろう……」

「死にてぇらしいなぁ!?」

ゴーガンはピストルを取り出してイチローに向けた。

「逃げて!イチロー!」

その距離じゃ腕がびない限りパンチなんか屆かないよ!

「ゴムゴムの……」

僕の記憶はここで途絶えた。沖までぶっ飛ぶゴーガンを見た……気がした。

「伝説の……海賊?」

長老がそう呟いた。

「本當にニホンに帰るの?イチロー?」

「ああ。お前の勇気ある行を見てたらまた『描きたく』なっちまってよ」

描く……?イチローはアーティストなのかな?

イチローがいなくなるのは寂しいよ。

「イチロー!また會える!?」

イチローは振り返らず歩いていく。

「二年もすりゃ描き溜めが出來る。その時はまた來るよ」

「……二年後。約束だよ!イチロー!二年後に!この島で!」

「おうっ!あと俺はイチローじゃなくて……」

知ってるよ。Aイチローでしょ?ニホンゴの名前は発音が難しいんだもん。イチローでいいじゃない。

「またね!イチロー!」

「じゃあな!ルーフ!」

ジャンプティー諸島の歴史。

ジャンプティー諸島は202⚪年に発見された比較的新しい島です。この島の富な資源を求めて多くの國が自國の領土にしようと爭いましたが島を勝ち取ったのはニホンの伝説的漫畫家であり海賊の『O・D・A』でした。ですが彼は見返りを求めるどころか島一つを買えるほどの財産※『後に一つ島の財寶と呼ばれる』を殘し姿を消しました。

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