《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達、出會いました ⑥
外は薄暗く、こんな夜に出歩くのは車椅子生活の中で初めてだ。
明るい時間ならなにかあっても対応できそうだが、しでも暗いと雰囲気に飲み込まれそうで怖い気持ちになる。
無事に辿り著けるのか。
途中で転んだら誰か助けてくれるかな……。
俺は本當に誰かの手を借りないと生きていけない。けない……。
ふと前を見ると、焼屋の看板が見えてきた。看板はネオンでっていた。
だんだんそのの方へ近づくと、焼屋の近くの階段でに照らされた駿が立っていた。
遠くから見るとスラっとしていて、綺麗な型をしている。
そして……
に照らされてるのか金の頭が眩しい。
外は暗いのに目立つな……。
道路の小石と車椅子のタイヤがれる音で、駿は気付いたのかこちらを向き手を軽く振ってきた。
「家教えてくれないから、迎えに行けなかったけど大丈夫だった?」
優しさの中に家を教えなかった恨みみたいなのが込められている言葉だった。
いや、恨まれても教えないけど。
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「俺、一応23歳なんだけど……男だし」
「なんで?車椅子がつまづいてひっくり返ったら大変じゃん。外の道は危ないから」
うっ……それは家から出た時に俺が思っていた心配事だ。なんか、年下に説教されてる気分……。
「お腹すいた。ろ」
「あのさ……」
「大丈夫だよ。お金あるから」
いや、違うよ。
俺が聞きたいのはお金のことじゃないよ。
それにしても夜は自炊することが多く、2人以上で食べることなんて滅多になかったな。
ご飯にわれたの久々で嬉しいはずなのに、なんかすごい張する。
席に著くと、慣れた手つきで駿はタッチパネルで適當におや副菜や頼んでいる。俺は駿から聞かれたら、いる。またはいらないを言うだけ。
一旦、タッチパネルを充電に置き、気まずい空気が流れた。
「律はさ、一人暮らし?」
気まずさか駿から俺に質問投げかけてきた。駿は椅子の背もたれに寄りかかった。
「一人だよ」
「マンション?」
「一軒家」
一軒家っていう言葉に駿は目を見開いた。
そりゃそうだろう。
一人で若い俺が一軒家で暮らしてる……まぁ考えつかないだろう。
「駿こそ嫌いとはいえ家族と暮らしてるんだろ?」
「……」
「嫌も嫌も好きなうち……っていうじゃん。俺も思春期だった時両親をうざいなぁて思ったことはあったけど。駿も今はそんなじなの?」
両親というフレーズを聞いて、駿は下を向いた。お前の思春期時代と一緒にすんなってじだった。
家族や両親という言葉はあまり使わない方がいいのか?親嫌いって言ってたし……。
そんなことを考えていると機の上にはおやジュースが豪華に並べられていた。
「駿、食べよ。焼いてあげる。」
空気を変えようと俺はトングを手に取った。
トングにを挾み、1枚、2枚とを鉄板の上に置いた。
「駿はコーラーが好きなのか?喫茶店でもコーラー飲んでたじゃん」
「喫茶店ではじめて頼んだ」
「え?」
「喫茶店で初めてコーラーを頼んで、味しかったからまた頼んだ」
18歳で初めてコーラー?
まぁよく漫畫や小説で添加が嫌いな親が飲ませないみたいな家庭があるって聞いたけど……。
駿の家もそんなじなのかな……。
「コーラー味しいよな。わかるわかる。ほら、ここのも味しいぞ」
を取り皿に何枚も置いた。
なんか、駿の父親か上司になった気分だ。
「なぁ、律。今日家泊まっていい?一人暮らしだろ?」
「泊まる?」
「家に帰りたくない。今まで公園や漫畫喫茶で生活してたけど……。やっぱり寂しいし。お金もかかるし……。」
高校生が家に帰らず、彷徨っているのか。
可哀想に……世の中なにがあるかわからないし泊まらせてあげようか。
いや、もしかすると俺の家に泊まりたいからその場で噓をついているのかもしれない。
どうしよ……。
心臓の鼓が早くなる。
俺達は會って2回目。
泊まらせてあげれるくらい心を許せているのであろうか。
「悩むのわかるよ。俺変だろ?」
「いや、変っていうか。俺にそんな信頼していいの?もしかすると俺が変な人かもしれないよ?」
「俺のこと廃人やぬいぐるみだと思っていいから。それくらいなんもしない。」
「駿……お前は立派な人間じゃん。廃人とかいうなよ。」
「お願いします、泊めてください、、じゃないと俺家に帰ったら殺される……」
「は?」
「殺されるかもしれない……」
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