《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達、出會いました ⑩

最後まで読んでいただけるとうれしいです。

真剣に考えて書いてます。

駿がお風呂にっている間、俺は著替えとタオルを持って洗濯機の上に置いた。

先にリビングに戻ると、機の上に駿のスマホが置いてあった。

人の攜帯を見てはいけない。

見てはいけない。

そう思いながら、ロック畫面を見てしまった。

畫面には

母 著信

父 著信

互に表示されていた。

何百件も。

これだけ電話が鳴っているとなれば、本當に両親に言ってないんだろうと予想はつく。

でも著信があるってことは心配してるってこじゃないのか。

そもそも駿がいないことで、警察がいたりしてないか?

その前に大人の俺にやるべきことはないのか?

そう頭の中でぐるぐる回った。

そして攜帯の畫面から目を離すことが出來なかった。

「どうしたの?」

何分ぼーとしていたのだろう。

駿が俺の後ろに立っていたのがわからないほどだった。

「あ、ごめん。服はサイズ大丈夫だった?」

「うん、大丈夫」

そう話してる間も、駿の攜帯は鳴り響いた。

俺はビクッと肩が震えてしまった。

「うざ」

駿は攜帯を見るなり、電源を切りポケットにれた。

「なぁ、駿」

「心配しなくていいよ」

「ごめん。さっきさ、ロック畫面見たら、駿の両親が電話かけてるじだったんだ。なぁ、今は親が嫌な時期かもしれないけど、親が電話するってことは、なくとも心配してるってことじゃないか?」

「……俺は家を飛び出してから一ヶ月くらいたつ。その間親がしたことは電話だけ。何故かわかる?俺が家出なんて周りに知られたら世間が悪いって思うんだよ。俺は親のり人形なんだ。右向けば右を向かなければならない。そんな道はもう嫌なんだ。俺は一生戻らない。この先も」

駿は冷靜に淡々と言っていた。

それがさらに怖く、なにも言い返せなくなった。

「俺は事故で家族を亡くした。々親孝行をしたい思っても今じゃ何も出來ない。駿の両親は健在なら、しでも顔を見せてあげたほうが……」

続きを言おうとすると、頭を拭いていたタオルを肩にかけしゃがんだ。

そして、俺の両肩を強く握った。

「律……誰もが律みたいにいい両親に恵まれるわけじゃない。」

それだけ言うと、駿は下を向きし笑った。

「あーぁ。俺の人生本當にどん底。生きる価値ないよ」

「それ以上言うなよ!」

俺は自分の両手で駿の両頬を挾んだ。

「俺は事故で死にかけたんだ、生きる価値がないなんて言うなよ……。死ぬのは辛い。これ以上俺の前から消えないでくれよ……」

涙は出ない。

でも言葉の重さで、駿がごめんと謝り、摑んでいた肩の手を離した。

こんな時でも俺の表は変わらなかっただろう。

本當は悲しくて辛いのに。

「俺、変わりたいよ……律」

「変われるよ。駿だけじゃないよ。変わりたいって思っている人は沢山いるよ」

一八歳という大人と子供との間に挾まれた駿は、俺がわからないほど辛い思いをしてきたのだろう。

支えてくれる親でさえ見捨てられたのかもしれない。

駿は俺の膝に頭を橫向きに乗せてきた。

「俺さ、人のぬくもりがわからないんだ。律が優しいからさ。甘えてしまうかもしれない。」

「いいんじゃない?俺は頼りないよ。だって誰かに助けてもらわないといけないだから」

「俺が助けるよ」

「ありがとう」

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