《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の第一歩 ②

検査が一通り終わり、再び待ち合い室に向かった。順番がくると、再度先生の前に行った。

「あれから、3年弱ですか」

先生はパソコンを見ながらぼそっと呟いた。

「検査的には異常はないかな……ただ……」

「ただ?」

「ここに來たからには今後の話やリハビリの話々しなくてはいけないね」

パソコンから目を離し、俺の目を見てニコッと笑った。そしてふと上を見上げて駿のほうも見た。

「駿、ちょっと席を外してくれない?」

「なんで?」

駿を見ると、眉間に皺を寄せて先生を睨みつけていた。

「プライバシーがあってね。二人きりで話さないといけない時もあるんだよ」

「律がいいなら、席はずさなくていいじゃん」

先生は溜息をつきながら席を立ち、駿に近づいた。

「いいか。お前は白咲さんの友達で會って家族ではない。家族は一ノ瀬家だろ?自分の苗字をしっかり見てみろ。」

俺には聞こえない聲で、でも駿にはしっかり聞こえる聲で話した。

駿は下を向き目を見開いた。

先生に肩をポンポンと叩かれ、言いたいことも言えず駿は部屋を出た。

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部屋を出る時の駿は俺の目を見て切なそうな顔をしていた。

駿を見屆けた先生は、再び椅子に座った。

「さて、駿とどんなじで出會いここまで付き合ってきたかは正直興味はあるが、今はまだ聞かない。ただ白咲さん、一つ忠告しておきたい」

先生は俺に近づき、耳元で

「駿にもう二度と関わらないほうがいい」

と言った。

俺は、なにもいえずただ茫然としていた。

それだけを言って、俺から離れた。その後先生はなにごともなく、パソコンを打ちながら々言っていたがなにも耳にらなかった。

「どうぞ。今日、リハビリの予定れたので十分後にリハビリ室に行ってくださいね」

白い紙を渡され、け取るとリハビリの時間がかかれていた。

「リハビリ室わかります?」

「たぶん……」

「診察は一ヶ月後ですが、來れますか?」

「たぶん……」

「……リハビリの紙渡しましたが、なにか質問ありませんか?」

渡されたリハビリの紙をもう一度目を通した。

すると下の方にメモ用紙がられており、先生の連絡先、メルアドが書かれてた。

「なにかあれば……そこに連絡してください。」

先生は口元に人差し指を持っていき、緒のポーズをした。

なにかあれば……

なにかあるのか?

部屋を出る前に、メモ用紙だけ剝がし財布にれた。

駿に先生から連絡先を渡されたなんてバレたら怒りそうだし。この二人が數時間関わっただけで犬猿の仲なのは間違いなさそうだ。

「お大事に」

「ありがとうございました」

し後ろを向きペコッと頭を下げると、先生もニコッと笑った。

待合室に向かうと、駿は下を向いていた。

俺が近づくと駿は心配そうに俺を見た。

「大丈夫?兄さんなんか言ってた?」

「なんかって?」

「俺のこと」

「……駿のことよろしくって」

よく考えてみるとこんな素がわからない高校生を今までなんも疑問を持たなかった自分にも責任がある。

今からでも遅くはない、もっともっと駿を知っていかなくてはならないと思う。

「リハビリはきついの?」

「きつくはないけど、足がかなさすぎて辭めた。」

「今ならしは出來るかもよ」

だったらいいけど……。

リハビリ室に著くと、前回の擔當先生が出迎えてくれた。

「お久しぶりです!心配したんですよ」

あー懐かしい。この人だ。

一番傍にいてくれた人。

なのに、俺は普通に逃げ出したけど。

「お久しぶりです」

ペコッとお辭儀をした。

するとリハビリの先生は俺が顔を上げたのを見計らい、しゃがみ込み目線を合わせた。

「にこー」

「に……にこー?」

「笑う練習ですよ。忘れちゃいましたか?」

両口角を両人差し指で上にあげると、無理矢理ではあるが笑っているような表になる。

先生はそれをして、俺を笑かそうとしている。

笑えないけど……

「足の筋力はどうですか?肩を貸すので立とうとしてください」

俺はリハビリの先生の肩を抱き、立とうとした。

結果を言うと全くと言っていいほどピクリとかない。

リハビリに行ってなかったから、自業自得だが全然できない自分に絶した。

駿をチラッと見ると、口パクで大丈夫と言ってくれた。

「またゼロから頑張りましょう」

先生はチラッと駿を見て

「えーと……従兄弟とかですか?」

「友達です」

「そうなんですね。俺はリハビリ擔當の北口翔太です」

「一ノ瀬駿です」

「白咲さんの擔當醫師と一緒の苗字ですね」

「一応、俺の兄さんです」

北口先生は一瞬戸いをじたが、なるほどと頷きよろしくお願いしますと駿に再度挨拶をした。

「律、俺もやり方覚えるからリハビリ一緒に頑張ろ」

駿はリハビリをしている時はずっとそばにいて、北口先生に質問をしていた。俺よりも勉強熱心だった。

心強い。

それと同時に謝の気持ちが大きくなってきた。

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