《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の第一歩 ④
律とは友達なんだろうか?
実は友達というのは複雑なもので、もしかすると家族関係より複雑かもしれない。
異や同の友達に心を抱くと好きになるし、さらにそれ以上の想いを抱くと憎悪になるかもしれない。
複雑だと思う。
駿が荒れる前は本當に普通の學生だった。
親は嫌いだったが當たり障りのないように接していたし友達もいた。
でも人間ってふとした時思う。
このままで大丈夫か?
疑問に思うのだ。
この疑問を思ってしまうと、疑問はさらなる疑問を生み散策する。
散策すれば、ダメなところや見えないところが見えたりする。所謂、不安に駆られるのだ。
駿の場合そこからだ。
荒れていったのは……。
律を見つけた時は偶然で、若い人が車椅子に乗ってるなんて珍しいから聲をかけた。
律は無表で、何を考えてるか分からなくてもっと知りたいなぁて思った。
いつしか、友達として惹かれた。
昔、彼がいたけどそのとは全く違う惹かれ方。
でも、惹かれれば惹かれるほどまた不安になる。
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もし律に彼が出來たら、また俺は一人になるのかな……。
律に彼がいないのに、そんなのばっか考える。
リハビリを頑張っている律を見て、歩けたらいいなぁと思う反面歩けたらもしかすると離れていくかもしれないと不安も出てくる。
いらない妄想が膨らんでいく。
歩けなかったらいいのに……
なんて嫌な思いが心の奧にあって
自分の腹黒さに嫌になる。
俺は自分が嫌いだ。
就寢時、そんな々思いが重なり
18歳のガタイだけでかい俺が、律に一緒のベッドに寢ようと言った。
律は初めなにも言わなかったが、たぶん俺の表がやばかったんだろう。
「いいよ。狹くなるけど」
とだけ言われた。
今は深夜3時。
ほら、今日も考えすぎてこの時間。
考えても答えなんて出ないのに。
橫でスヤスヤ寢てる律がいる。
長いまつげだなぁて思い頬にれ、前髪切れば顔見えていいのになぁと思い律の前髪をしる。
サラサラのストレートで俺と真反対の真っ黒に近い茶のカラーだ。
俺は金髪で髪の質もパサパサだ。
綺麗だな
いいなぁ
羨ましいなぁ
表のない律をずっと眺める。
「どうした?寢れない?」
律はふと瞼をし上げ、俺に聞いてきた。
「ごめん。起こした?」
「いいよ。狹くて寢れない?」
「いや、俺が無理言ったから大丈夫」
律の頬をしると律は俺の髪をってきた。
「なに?」
「そっちこそ」
駿は律の口角をり、上にあげた。
「笑ってよ」
「リハビリ初めたばかりだからなかなか難しいよ」
駿はさらに口角をあげる。
「駿、ちょっと痛い」
「律は表しい?」
「そりゃしいだろ。俺人形みたいじゃない?」
「でも俺、律が表なくても言葉でわかるよ」
律の口角にるのをやめて、頬をプニプニった。
「俺は駿と一緒に笑いたいよ」
「そうなの?」
「一緒にすることは簡単そうで難しいと思う。けど俺は駿と一緒にいて一緒にできることは素晴らしい気づいたよ。特にここニ、三年はほぼ一人の生活だったから。」
律はっていた駿の手を、握った。
「俺達はいいところも悪いところもある。それを補っていける関係になれたらいいな」
駿も律の手を握る。
「手を繋ぐのは男同士でしないか」
「なんで?俺手繋ぐの好きだよ」
「恥ずかしいじゃん」
「そういや、昔手繋いだっけ。母親と。」
駿は繋いでいる手をじっと見つめた。
「小さい頃は手繋いでくれたのに、いつからだろう、、こんな関係になったのは」
「駿、、?」
「戻りたいな。あの頃に……」
「今なら戻れるかもしれないよ?」
「戻れないよ……」
手を握ったまま、駿は俺から目を背けた。
「辛くない?」
「……」
「駿はどうしたいの?」
「……忘れたい。家族の存在を忘れたい」
「じゃー忘れようよ」
「え?」
意外な返答でびっくりしたのか、駿は目を見開いていた。
「駿がそうしたいなら、俺も協力する。攜帯も履歴消して、ずっとここにいたらいい。もし駿が家に戻りたいなら戻ったらいいし……。協力する」
「ありがとう……。本當ありがとうじゃ言い表せないくらいに嬉しい」
本當は自分の家に帰ることが一番いいのに。
これは俺の本音。だが、駿が帰りたくないなら無理に帰さなくてもいいんじゃないか。
安心出來るように俺も一人の大人として未年の駿を支えていかないといけないような気がした。
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