《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の第一歩 ⑤
次の日の朝、律だけが先に目が覚めた。
よく見ると、俺達は手を繋いだまま寢ていたみたいだ。
「(カップルみたいだな)」
そんな冗談を思いながら、上を起こし車椅子に移した。
今日から駿は高校へ。
俺は仕事とリハビリを併用して生活をする。
前になかった刺激的な毎日にワクワクした。
それと同時に両親や弟に謝した。
正直お金がないと駿も養えないし、生活にこんな余裕もなかっただろう。
毎日の日課で、朝起きて家族の寫真を額に當て、思いが伝わるように話しかける。
「一ノ瀬駿っていう家族が出來たよ。うん、寂しくないよ」
家族が亡くなった日、品などは貰えなかった。お墓も俺に相談なしでどこかに建てられてるみたいだ。その時は未年だったからかわからないが、俺に全くなにも話がなかった。今手元には家族の寫真しかない。
唯一、産が莫大に殘っていてそれを言により1/3け継いだ。1/3でも充分生活はできる。
お父さんには確か弟がいたっけな……。お父さんとは絶縁狀態って言ってたし、顔も知らない。だから連絡はしてないけど……。
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寫真を元の場所に置き、朝ご飯を作る。
匂いにつられ、駿も起きてきた。
「おはよ」
「おはよ」
見事な寢癖をつけて、駿は俺が作った卵焼きをつまみ食いした。
「律は卵焼き塩派?俺の家砂糖だった」
「砂糖にしようか?」
「いや、律の家のご飯だから律に合わせる。顔洗って用意するわ」
駿は洗面所へお腹をポリポリ掻きながら行った。
本當に真面目だよな……。
機の上に朝食を並べると、制服を著た駿が來た。
長も高いし、男前だからきちんとした服を著るとやっぱり格好いい。
いや、それより……
「どうした?その頭……」
この短時間で駿の頭が黒くなっていた。
「カツラ」
カツラと言われてハッとなった。
そういえば前、ご飯食べに行った時鞄の中にカツラあったよな!
そうか、いざと言う時に持ってたのか。
「黒髪の方が格好いいじゃん」
「やめてくれ」
椅子に座り、し照れた顔でご飯を食べ始めた。
照れた駿が可くて、一緒に食べるのが嬉しくて、沢山話したいって思ってしまう。
「な、張してる?」
「張?」
「久々だろ?高校」
「いや……実は……」
ご飯を食べていた手がピタっと止まった。
「実は?」
「単位取るために、ちょっと行ってたりした」
「えらいじゃーん」
俺は駿の頭をでた。
「やめてくれ」
そして払いのけられてしまった。
「笑え、律」
今度は駿が俺の頬をつねった。
「プ……プレッシャーだよー」
思ったより強くつねられた。
駿が手を離すと、頬がし赤くなりそれを見て駿が笑った。
「ごちそうさま。さぁ、今日はどうやって律を笑かそうかなぁ」
食をキッチンに持っていき、駿は空の鞄を持った。
そう言えば、朝になったら自宅に戻るって言ってたっけ?
「家帰るんだよな?」
「うん、教科書取りに」
「大丈夫?」
「この時間は家には誰もいないよ。俺の両親は教師だから、たぶん家にいない。」
両親が教師、兄が醫者。
なんていう家庭だ……。
「じゃ、行ってきます」
玄関のドアが開き、駿を見送った。
それにしても気になるなぁ……。
でもさすがに後ついていったら、車椅子だから見つかるリスク高いなぁ。
やっぱりリハビリだよな。歩けるようになったらこういうとき後をつけれるし。
「よし!頑張るぞ!」
家で出來るリハビリのやりかたを確認しながら、仕事の用意もした。
パソコンを開くと沢山のメールが屆いていた。
一つ一つ手作りだから、出來上がるのは遅いけど時間を忘れて作業に沒頭出來る。
お金を払って買って貰ってるからと思い、抜かりなくアクセサリーを作る。
作業して三十分たった。
目に疲労が溜まったのか目が痛くなり、目頭を抑えた。一旦アクセサリーから目を離した。
時計を見ると八時半だ。
駿は家に著いたかな、、。もしかすると教科書を持って學校に行ったかもしれない。
……サボってるかもしれないし。
スマホを見るが、電話もメールもない。
電話をしてみようかな……。
スマホで電話をするが出る気配はない。
もう一回だけかけてみよう。
今思えば一回目電話に出なかったあと、諦めればよかった。もう一度、電話をしなければこんなことにはならなかったかもしれない。
俺は二回目の電話をかけた。
プツ
「あ、駿?學校行った?」
攜帯の向こうは全く反応はない。
「駿?」
「あんただれ?」
攜帯の向こうからの聲が聞こえた。
「え……えっと。駿の友達です……」
「聞いたことない聲。駿の友関係は把握してるんだけど」
友関係を把握してるということは、駿と深い関係にある彼もしくは
家族?
「申し訳ないんですが、駿に変わって貰えませんか?」
「嫌よ。友達かなんかわかんないけど、今私と駿はお楽しみしてるの。折角、駿の友達みんな縁切るように言ったつもりなのに。まだコソコソ友達いたなんて」
「駿に変わってください」
俺は平常を保つように話した。
実際は心臓がもたないくらいドキドキはしてる。
でも、俺だって駿を預かってるだ。
ここはしっかり相手のと話さないと。
「……あー。駿の友達ってことは、高校生?お子ちゃまだよねー。じゃはっきり言ってあげる。私達関係もってるの。今もお楽しみしてるの。だから邪魔しないでね」
そう言われ、攜帯が切られた。
俺は高校生じゃねーし!
そんな遠回しに言わなくても話し方で深い関係なのもわかる。
そして彼がいようがいないが、そこはどうでもいい。
何故、駿が電話に出ないんだ?
凄い嫌な予がした。
改めて読んでいただき本當にありがとうございます!
謝しています。
PVを見てるとすごく嬉しい気分になります。
もしよければ次に繋げれるよう、想、レビュー、いいねを頂けると嬉しいです。
我儘ではありますがよろしくお願いします
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