《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》さようなら、俺達②

駿が出て行ってから、俺はスマホをずっと見ていた。

生きた心地がしない。

時間だけが過ぎていった。

そういえば……

俺、先生の連絡先知ってたっけ?

先生は駿のお兄さんとか言ってたな。

たまたま主治醫だったんだけどこれも縁なのか、はたまた運命の悪戯なのか。

財布の中を漁り、メモを取り出した。

今ここでぼーとしていても、なにも始まらない。メールをしてみよう。

出だしの文、なんて打とうかな……。

【先日はありがとうございました。々聞きたいことがあって。會えたりできませんか?】

初めてのメールでこの文って正解なのか?々ってなんだよって自分でツッコミをれてしまう。

メールを送信っと……。

……。

一時間待っても

三時間待っても

メールの返事來ないな……。

そのままずっとスマホを見ていた。

見ていてもなにも変わらない。

畫面が暗くなって、タップしたら明るくなっての繰り返しで待っても待ってもなにもない。このまま待っていても変なことを考えてしまいそうなので、また仕事場に戻りアクセサリー作りをした。

ありがたいことに集中していると、無駄に考えず時間が過ぎてくれた。

どれくらい集中したのだろう。時間を見ると、夜の八時だった。

今までこんな集中して仕事をしたことはあるだろうか。

スマホを見ると著信とメールが屆いていた。

駿……

ではなく先生からだった。

【大丈夫ですよ。今日は九時まで仕事してます。明日は休みなので明日にしますか?】

さすがに、これだけ仕事して夜中に話……なんか出來ないだろう。今日は々ありすぎて、頭も回らないし集中出來ないし眠たくなりそう。

【返事ありがとうございます。明日でいいです】

【わかりました。味しいランチの場所知ってるので、ランチはどうでしょう?個室がいいですか?】

個室を考慮してくれるあたり、俺が悩みを相談するのがわかってるみたいだな。

【個室で大丈夫です。】

【わかりました。十一時に●●で待ち合わせしましょう】

メールは思ったよりとんとん拍子で終わった。もっと聞きたいことは山ほどあるんだけど、メールでなんて言ったらいいかわからなくて簡潔的なメールになってしまった。

メールより直接聞きたい、そう思った。

明日になって、先生に全部話したらしは楽になるかな。この気持ち……。

念のため、再度メールと電話を見たが駿からはなにもない。

俺から送った方がいいのかな……。

なにしてるんだろう。

今一人なのかな、それとも……

「ダメだ。頭おかしくなりそう」

髪のをくしゃくしゃった。

駿だって子供とは言え高校生だ。

……いや、まだ高校生なんだ……。

とりあえず明日は先生に會うんだ。

そういえば、お店●●っ言ってな。

どんな店か検索してみよ。

……

和食……だな。

……

「うげ!」

変な聲が出てしまった。というのも値段を見ると一品2000円以上はかかるみたいだ。

「明日なに食べるんだろう。何円財布にれたらいいんだ……?」

メールでは“軽くランチ行こ”みたいな言い方だったからこんな高級店だとは思わなかった。

普通の居酒屋とかでいいのに……。

とりあえず、服もしキレイめの著ていかないといけないのかな。

相談容も々考えてたのに、行く前から他の心配事が増えてしまった。

もし駿がそばにいたら、駿ならなんて言うんだろ。

「いつもの律でいいよ」とか言うのかな。

なんで、こんな別れ方しちゃったんだろう。

寂しい……。

あの時スマホで電話をしなければよかった。

でも遅かれ早かれわかった真実。

今頃過去のことをうじうじ悩むな。

明日聞くんだろ、後悔するな自分。

しっかりしろ。

自分で頬をパチンと叩き、寢る準備をした。ベッドにると橫に誰かいるような気がした。いや、今は誰もいない。

誰もいないほうが慣れている。

昨日は手を繋いだその手。

あの溫かさがまだ殘っている。

寂しい。

やっぱり寂しい……。

帰ってきて、駿。

いろんな思いが重なって潰れてしまいそう。

俺にとって駿の存在がこんなに大きかったのだと、改めて思った。

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