《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》さようなら、俺達 ⑦

俺は産まれた時、健康そのままだった。

周りからよく

「病気なく生活できるのは奇跡なんだよ」

て言われてきた。

子供の頃はそんなことを言われてもピンと來なかった。當たり前の生活が當たり前だったから。

でも事故に遭ってから健康で五満足で生きることがどれだけ凄いことかがわかった。

足はダメになったけど、手はいた。

手がくから仕事が出來た。

仕事は俺の生き甲斐だ。

仕事出來なくなったらどうしよ……

こんなことを考える余裕があるのか……

ピンポン

ピンポン

、、、、

インターホンの音が聞こえた。

俺は目をしずつ開いた。

手はまだ押さえつけられてる狀態だったが、痛くはなかった。

押さえつけられていた手が離された。

男は舌打ちをしていたが、インターホンを出ないといけない事があったんだろう。

が玄関を開けようとしている。

今だ……。

今しかない。

外のが見える……!

「助けてください!助けてください!!!」

握れない床を握るように拳を握った。

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必死に聲が枯れるまでび続けた。

男から

「うるさい!!」

と言われ口を抑えつけられたが、その手を噛んだ。

「いってぇ!」

男は俺が反撃してくるとは思わず、噛まれた痛みで口から手を離した。

手が離されまたび続けた。

もうこの際、手を折られる運命だったんだ。

手を噛んで毆られてもいい。

今言えることは

玄関先に第三者がいて助けてもらえる可能があるってこと。

「助けてください!!!!」

……

「大丈夫ですか?」

玄関ので見えなかったが、人影が見えた。

世の中にはこんないい人がいるのか、、、。

俺の聲で駆けつけた人は全然知らない宅配業者だった。

その人は俺に聲をかけてくれて、車椅子に乗せてくれたのは覚えている。

ふと橫を見るとリビングにたまたまあった全鏡が見えた。

それを見ると、出してるはあざだらけ。

その人はボロボロの俺を見て若干引いているのも見えた。

「あの……これは?」

その人は周りをキョロキョロしながら聞いてきた。

「車椅子から立とうとしてつまづいたのよ」

れず、が噓を言った。

もうその噓にツッコミをれる気力がない。

「本當ですか?」

俺は軽く頷いた。

転んだだけでこんなアザなんてつかないことくらいわかる。

噓をついてることくらいその人だってわかっている。その人が驚いて目を見開いてるんだもん。

でもここで、毆られたって言えば俺は被害者になる。そうなれば駿の両親は加害者だ。警察に捕まれば、駿は二度と両親に會えなくなるかもしれない。

こんな親でも駿の両親だ。

俺の勝手な行で、駿と家族を引き離すなんてやっぱり出來ない。

「あの、外に出たいんです」

俺がその人に頼んだ一言はそれだけだった。

と取られたスマホを奪い、その人に車椅子を押してもらいながら外に出た。

苦しくて、やっぱり毆られたことを言いたくて、後悔して心が潰れてしまいそうだった。

「痛いですか?病院行きますか?」

その人は俺の顔を覗きこんだ。

ハッと顔を上げると、涙が溢れていた。

「大丈夫です……。帰ります。ありがとうございました。」

早く一人になりたくて、簡単なお禮だけしてその場をあとにした。

泣くと肋骨が痛い。

顔も痛い。

腕も痛い。

足だけ

足だけは痛くない。

「ごめんね……ごめんね」

この痛みがある自分の一杯謝った。

どうやって家に帰ったかわからないくらいぼーとしていた。

道端でも電車の中でも俺の格好を不思議に思った人もいるだろう。車椅子でも目立つのにこの格好だ。でも、周りの目が気にならないくらい、それ以上に俺の心は空っぽだった。

家に著くと家の中はいつも通り真っ暗だった。

電気をつけ、スマホを見た。

バキバキに割れたスマホ。

その畫面を見ただけで涙が出てくる。

鏡を見ると口の橫が切れていて、2.3カ所あざがあった。

ズキッ

肋骨に痛みが響く。

「痛い……」

病院行きたくないけど、行かなくちゃいけない痛み。

駿と先生はあの両親のもとで育ったのか。

初対面の俺でさえあの扱いだ。

あの両親が毎日家にいる……それを想像しただけで背筋が凍った。

駿を助けたい気持ちとなにもしたくない気持ちが今はある。

正直もう駿の両親には會いたくない。

次行ったら確実に殺される。

“殺される”

駿が言ってた言葉がまた蘇った。

両親に憎しみ抱く子供なんて辛すぎるだろ。

「痛いよ……」

が……心が……

壊れそうだった……。

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